⑬空虚

冗談で「布団が恋人」と言っていた時期が羨ましい



一時期、朝が苦痛だった。

体が動かなかった。

何もしたくない、出来ない、消えてしまいたい、という薄暗い感情が頭を支配していた。

布団の生ぬるい体温の中ですすり泣いた。

自分はさっさと消えてしまった方が良いと言い聞かせていた。


今は以前に比べて落ち着いた。

薄暗い感情は居座ったまま。

ただ、何も考えなくなった。

過去、現在、未来の自分のことを。

恐らく一種の現実逃避だ。

けれど私は朝食をとっている。




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