カミーユ・トマ(Vc)、沼尻竜典&NHK交響楽団 2024新潟公演
2024年(令和6)2月24日(土)。何年ぶりでしょうか、NHK交響楽団のコンサートを聴きに行きました。
りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館でのコンサートです。
<曲目>
1.アントニン・ドヴォルザーク:スラブ舞曲第1番 ハ長調
2,アントニン・ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調
3.ロベルト・シューマン:交響曲第1番 変ロ長調「春」
アンコール アントニン・ドヴォルザーク:スラブ舞曲第2番 ホ短調
指揮:沼尻竜典
チェロ:カミーユ・トマ(2)
NHK交響楽団
2024年(令和6)2月24日 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
N響のコンサートを聴くのは・・・・44年ぶりだったりして・・・・
この記事を書くにあたり、N響が新潟県に来たのはいつ以来かを調べてみると、2022年2月26日に長岡市に来ていました。なんだ、たった2年前じゃん。なぜこの時、聴きに行かなかったのだろう・・・・と思ったのですが、たぶん仕事が忙しかったのでしょう。
ずーーーーっと記憶の糸をたどってみると、私がこれ以前にN響を聴いたのはずーーーーっと昔、1980年(昭和55)10月の鳥取市民会館以来でした。グィード・アイモーネ=マルサンという人の指揮で、プログラムのメインはベルリオーズの幻想交響曲だったことは覚えています。その日の演奏のことは・・・・覚えていません。すみません。。。
カミーユ・トマの繊細なドヴォルザーク チェロ・コンチェルト
プログラム2曲目のドヴォルザーク:チェロ・コンチェルト。独奏チェロのカミーユ・トマはパリ生まれの女性チェリスト。
とにかく背が高い!かかとの高いハイヒールを履いていたのですが、指揮の沼尻竜典(ぬまじり・りゅうすけ)よりも高そうでした。
ドヴォルザークのチェロ・コンチェルトは、これまで男性チェリストの演奏ばかりに接してきたこともあるのでしょうが、朗々と歌う曲というイメージがあったのですが、カミーユ・トマのチェロは、男性チェリストの演奏と比べると音が細く、繊細な印象を受けました。
この曲は、ドヴォルザークの昔の恋人(=夫人の姉)が重い病に見舞われた中で作曲されたそうなのですが、そんな憂いの気持ちを表そうとしていたのでしょうか。
カミーユ・トマはうっとりとした表情で弾いていました。独奏チェロの出番がないときは、にこやかな表情でオーケストラの各楽器を見渡している姿が印象的でした。でも時々、キッと鋭い目つきになることもありました。
ドヴォルザークとシューマンの関係
この日のプログラムの作曲者であるドヴォルザークとシューマンは、直接の面識はなかったのですが、分かりやすく図で表すとこんな関係がありました。
シューマン→激賞・支援→ブラームス→激賞・支援→ドヴォルザーク
ドヴォルザークとシューマンの関係を、歴史を遡るように演奏したと言えるのかもしれません。
晴朗なシューマン「春」
プログラムを締めくくるシューマンの交響曲第1番「春」。実は、シューマンの交響曲・管弦楽曲を実演で聴くのはこれが初めてです。
シューマンの交響曲は指揮者とオーケストラにとって、シューマンの管弦楽法の不備のためにオーケストラの鳴りが悪く、なかなか厄介なものらしいのですが、そうは感じられませんでした。素人には分からない、プロにだけ分かる難しさがあるのだと思いますが・・・・
沼尻竜典が指揮する「春」は晴れやかで伸びやかな演奏でした。春が来た喜びを歌うような第1楽章、うららかな春の午後を思わせるような第2楽章が時に印象的でした。
アンコールに、ドヴォルザークの「スラブ舞曲第2番 ホ短調」が演奏されました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?