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【晩夏のゾーッとするクラシック・12】大野雄二:映画「犬神家の一族」サウンドトラック【佐清!仮面を取っておやり!】
本邦初のサウンドトラック
これは厳密に言えばクラシック音楽ではないのですが、私としては「ゾーッとする音楽」ではこれははずせません。角川映画の第1作。その完成度の高さからいまだに語りぐさとなっている「犬神家の一族」。
音楽はジャズ・ピアニストの第一人者・大野雄二。
この音盤は日本における映画のサウンドトラック盤の最初のもので、この音盤のヒットを機に、「映画のサウンドトラックも売れる」という概念を生んだとされています。
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紙ジャケCDの表
<収録曲>
愛のバラード 怨念 呪い住みし館 仮面 終焉
愁いのプロローグ 憎しみのテーマ 瞑想 湖影 祈り
受難の血 幻想 孤独
大野雄二/プロジェクト
愛のバラード
通して聴くと「あ、これはあの場面の音楽」という箇所がところどころにあり、「犬神家の一族」の場面場面が、順不同ですが走馬燈のように表れます。
でもやはりインパクトが強いのは1曲目に配置されている「愛のバラード」。横溝正史の推理小説に色濃く投影されている因習、悲劇、愛憎が3分あまりのテーマ曲にこめられています。
「犬神家の一族」といえば、重要人物の一人である「仮面の佐清」と凄惨な殺人現場の強烈な印象もあって「怖い」「気持ち悪い」という声が強いですが、この作品は「愛」がテーマ。もっと言えば「愛がもたらす悲劇」がテーマ。ただの怖がらせやスプラッターだけでは、公開(1976年)から50年近くがたった今でも「名作」と評価されるはずがありません。
テーマ曲を「悲劇のテーマ」や「呪いのテーマ」ではなく、「愛のテーマ」と名付けたのは作曲者・大野雄二かプロデューサーの角川春樹か。どちらにしても卓見です。
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紙ジャケCDの裏
この映画、映画館で見たかった!
偉そうなことを書いていますが、実は私この映画を映画館で見ていません。初公開時、私は小学校6年生で、私の小学校は「学校が許可する映画以外は見てはいけない」という恐るべききまりがあったため、映画館で見ることが叶わなかったのです。なので、原作の小説から横溝正史の世界に入りました。小学校6年生であの原作に触れてしまう方が恐ろしい気もしますが・・・・
ついでに言えば、翌1977年に鳥取県日野郡がロケ地となった「八つ墓村」も公開されましたが、この時に在学していた中学校も「学校が許可する映画以外は見てはいけない」というとんでもないきまりがあったため、やはり映画館で見ることは叶いませんでした。 ☆「八つ墓村」を見に行ったことがバレて職員室に呼ばれた友人がいました。
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呪いの遺言状 開封
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ヒロイン野々宮珠世(島田陽子)と金田一耕助(石坂浩二)
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仮面の佐清(西郷輝彦)と松子夫人(高峰三枝子)
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有名なあのシーン
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ポスター
これから「犬神家の一族」のビデオを見ます。
金田一耕助や仮面の佐清、野々宮珠世や有名なあのシーンは、いつかぜひ、自作フィギュアで作ってみたいと思っています。
<次回予告>
【晩夏のゾーッとするクラシック・13】ノルドグレン:小泉八雲の怪談によるバラード/舘野泉【フィンランドの作曲家が描くあやかしの世界】
長らくお読みいただきありがとうございました。「晩夏のゾーッとするクラシック」シリーズ、次回でひとまず最終回になります。