【追悼】小澤征爾＆新日本フィルハーモニー交響楽団／小澤征爾conducts世界の国歌
今年の2月に逝去された小澤征爾さんの追悼の思いをこめて、思い出のCD、DVD紹介。
ソフト化されていない（つまりソフト化してほしい）コンサートの映像が２つ続きました。今回はＣＤです。そして小澤さんの追悼特集の最後となります。
曲目と演奏者
日本／大韓民国／朝鮮民主主義人民共和国／中華人民共和国／モンゴル／トルコ／キプロス／イスラエル／イラン／インド／ロシア／ベラルーシ／ウクライナ／モルドバ／グルジア／アルメニア／アゼルバイジャン／カザフスタン／ウズベキスタン／キルギスタン／エストニア／ラトビア／リトアニア／ポーランド／チェコ／スロバキア／ハンガリー／ルーマニア／ユーゴスラビア／スロベニア／クロアチア／ボスニア・ヘルツェゴビナ／マケドニア／ブルガリア／ギリシャ／ドイツ／フランス／イギリス／オランダ／ベルギー／ルクセンブルク／オーストリア／イタリア／スペイン／ポルトガル／ノルウェー／スウェーデン／デンマーク／フィンランド／スイス／リヒテンシュタイン／アンドラ／モナコ／アイルランド／アイスランド／アルジェリア／南アフリカ／カナダ／アメリカ合衆国／メキシコ／コスタリカ／ジャマイカ／ブラジル／チリ／アルゼンチン／オーストラリア／ニュージーランド
編曲総監督：池辺晋一郎
指揮：小澤征爾
新日本フィルハーモニー交響楽団
1997年6月2,3,9,16日 すみだトリフォニーホール
1998年2月 長野オリンピック
このＣＤは、1998年2月に開かれた長野オリンピックの表彰式と選手村入村式の音楽として録音された音源を、再編集して発売されたものです。
ここに収められている国歌は、長野オリンピックに参加した国々の国家です。
この音源については、「長野オリンピック参加国の国歌を、オーケストラできちんと録音してＣＤにまとめよう」という小澤自身の提案に基づいて製作されたということです。
演奏時間は、国歌なので交響曲のように長くはないのですが、最も長いのが南アフリカ共和国の国歌で2分19秒。最も短いのはフィンランドの国歌で33秒。日本の国歌は短いと思っていたのですが、59秒でほぼ真ん中へん。40秒台と1分前半の国歌が多いです。
編曲もよく、音だけのＣＤなのですが、聴いていると国歌で演奏されている国々の自然の様子や人々の暮らしの様子が目の前に浮かんでくるような感じがします。
小澤の小品集はあまり商品化されていないように思いますが、1分から2分ほどの演奏時間でそれぞれの国の雰囲気を表現するのは、解釈･演奏ともにとても高度な技です。
小澤の小品のうまさ
すぐ前に記したように、小澤が指揮する小品集はそんなに多くありません。ですが、小澤の師匠だったヘルベルト・フォン・カラヤンやレナード・バーンスタインは小品の演奏を得意としていました。
小澤が指揮するこの「世界の国歌集」からは、小澤が師匠の薫陶をしっかりと受け継いでいること、どんな音楽であっても敬意をはらってていねいに取り組んでいることが聴き取れます。
やはり小澤征爾は、偉大なマエストロだったことが偲ばれるＣＤです。
ＣＤやビデオで５点、実際に私が聴いた演奏会で１点、小澤征爾さんの演奏を紹介してきました。
まだまだ紹介すべき小澤さんの演奏は多く、私が聴いていない小澤さんの名演も多いこと思います。小澤さんの追悼特集はこれで一区切りとして、またいつか小澤さんの名演奏を紹介していきたいと思います。