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ワクチンの理由


猛烈に自分の機嫌が悪いのがわかっていて、もちろん原因も、しかしどうすることもできなかった。

訳あって一つ授業がなくなって早く帰れたことだけは救いで、しかし、そんなものは当然でトントンって気がする。

特別に打ちたいわけでもないのだが明日の夜にワクチンの予約を入れていて、だから今日から解熱剤や経口補水液を飲んだ方がいい、明後日に熱が出たりしてどこにも行けなくなるかもしれないから食べるものなどの準備を、とか。

いったいどうしたらいいのかわからないそういうすべてが面倒で、イライラしているのだと思う。

予約の際、当然のように自分の「休み」の前日に接種日を設定し、遠方(訳あって)の接種会場に仕事の後でも間に合うようにと夜の時間を選択したこと……にもうんざりしている。

私は真面目でよくできるし、できすぎている。

それでワクチンによって発熱し、寝込んでフイにした場合の私の「休み」は?

もとから時間に余裕のある生活ではあるけれど、それは私の時間を無自覚にあげてもいいという意味ではない、ということを自分でわかっていなければいけないのだと思う。

ワクチンが無料なのは当然だけど、その副作用には自分で耐えてねよろしくねって、普通におかしいだろ。

選ぶというほどの選択肢も無いなかで決めた会場が、単に「遠方」というだけで街でもないことにも、いよいよ腹が立ってくる。

本屋もスタバもないじゃないか。

(川はあります!)

前日から解熱剤を飲んでおきなさいと言われるまでもなく、すでに私は本日昼ごろから頭痛でイブを飲んでいる。雨が降るからでしょうかね!

だいたい、昨日は生理痛で激しくお腹が痛く、イブが手放せなかった。

そのイブはいったい誰が買ってくれるんだよ。私だよ!

それでも、2日前に生理になった時、ワクチンの日と生理が重ならなくてよかった……と自然に思った自分の真面目さと人のよさを、せめて自分だけでも愛したいと思う。

身体中の血が流れ出た実感と貧血の事実と、もう知ってるけど別に認めたわけではないからなという心身の不調違和感を、1ヶ月の間に1週間も味わってるのって永遠に何の罰ゲームだよ。ということは定期的にキレて言っていかないといけないと思っている。

月にいた時に罪でも犯したのかしら…(かぐや姫ぶる)。

それに加えてワクチンの?副作用??!いったい!どこまで!いためつければ!気が済むわけ!?!?

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(ちょっと休憩☕️)


何が本当に正しくて・何を本当にすべきなのか? 

誰にも、まったくわからないこの時代に、一応「ワクチンを打つ」ことに決めて「予約」までして、日常の流れを滞らせずに生きながら、通常の生理があり、ワクチンで「ヤラレル」かもしれないから備えなければいけないという経験談や処世術を聞き、それでも欠勤しなくて済むように自分の休みを捧げている私……。ふざけんなばか!

ということで、めっぽう真面目で人がよく、できすぎる自分に腹を立てているのかもしれない。

いったい何だってワクチンなんか打たなきゃならないんだよむかつく!!!!!

ということを、きっと私はもっとずっと何回も延々と言わなきゃいけなかったのだ。本当は。本当にすべきことはそれだったんだ。

ずっとジタバタしていたい。ずっとジタバタしていない!

きっとそれが足りていない。だからくすぶっている。

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実は、ワクチンについては、明日になってみないと本当に打つのかどうかわからないということにしていた。

ところが、今日人と話していて、ふいに、打つための納得できる理由が見つかったから、本当に打つことにした。

その人は外国人で、先週二度目の接種をして重い頭痛になったらしい。

私は自分が打つかどうか迷っていることや、異物を体内に入れたくないこと、毎年インフルエンザのワクチンも打たないことを話すと、相手も‟だいたい同意“といった雰囲気だったから、

「じゃあなんで打ったの?」と聞いたら、「移動したいから」と言う。

たしかに前に話した時、「長く住んだけど、来年は日本を出て別の国に行きたい」と言っていた。

なるほどなるほど。

ワクチンを打つこと。そのことは、日本だけでなく世界中で求められる「証明」であるようだということは、テレビも新聞もほとんど見ない私でも何となく知っていた。

つまり、打たなければどこにも行けないのだ。それならしかたがなかった。

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私は少し前に、外国に行きたいとふと思ったのだった。

「証明」が国際的にスタンダードなのであれば、打つしかないのだろう。

ハイハイ。わかりました。

テレビも新聞もインターネットも、今まで誰も私に納得できる理由を言ってくれなかったけど、「移動したいから」というのは不思議と胸にすとんと落ちた。

言った人とその人生や行動がそのまま一致していたからかもしれない。

いい人に、いい話を聞いたなと思った。それも、いいタイミングで。

「打ったらシール貼ってくれるよ」と笑って言っていた。まあ、そうね。

いつでも移動できるようにじゃあ私もワクチンを打とうか。


こんなふうにしか納得することができないし、納得しないと動くことができない。それでもこの世界で生きていくなら「折り合い」を見つけなければならない時がある。それがこうしてタイミングよくやってきたのは、とてもありがたかったのだと思う🌞

薬を飲んだが頭は相変わらず痛い。

でも、人の意見によってワクチンの理由が見つかり、「短歌ゲーム」のカードで遊んだら自分の力以上の短歌が誕生した。

そんなことでいいのかもしれない。全部自分の力じゃなくていい。

ワクチンの理由も、短歌も、他力本願で。

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