検査はしなかった
10月21日(月)
体調不良から回復まで二週間かかっている。
38℃台の熱も出た。なんか知らんけど下がらなかった。
コロナもインフルも検査しなかった。
たとえ陽性でも陰性でも治療法は変わらない、と医師が言ったので。
病院に行く前は、数千円を払って検査するかどうか多少迷った時間もあったので、それを聞いて、なんじゃそらって感じで気が抜けた。
まだ対処療法なの? 何なの?
(コロナに関しては治療薬が出たって聞いた気がしたぞと思ったが、後から落ち着いて思い出したところ、『5千円ぐらいするらしい』と妹の夫が言っていたのだった。もちろん彼も買わなかった。)
ともかく腹が立つ。
喉の不調に気付いてすぐに薬を飲んで対応したのに治らない。コロナ以降、ただの風邪がすぐに重症化するようになってしまった。すべての症状を一巡し、激しい咳と声が出なくなる最終段階までいかないと気が済まないらしい。
怒るしかないじゃん。
一回自分をなだめて安静にして寝てみる……とかはとっくに、しかも何回もやったから!
毎回「治る!」と純粋に信じて挑戦していて、お気楽な人間だと思う。
自分がコロナかインフルか、いったい何なのかについては興味があったが、治るわけでもないのに好奇心を満たすためだけの検査に数千円を払う余裕はなかった。
先生が、「ま、やめときましょか!」と言って、検査しないことが決まり、私は決めてくれたことに感謝した。
キラキラネームのこの若い女性医師のことを私はけっこう好きで、指名する患者が少ないのか(街のクリニックのわりに指名予約制で、老人率の高い患者たちはみんな、おじさん医師&おじい院長が好き)、待ち時間が短い。とくに、咳喘息で薬が切れてどうしようもない時など、私の訴えにそって過去の履歴からさくさく大量の薬を出してくれるので話が早かった。
それでも、検査しないことを最終決定する直前、一瞬、「学校にお勤めなら、『発症後何日間は登校禁止』とか、規定が厳しいのでは……?」と聞かれて怯んだが、私は休まないし、体調について何も言わなきゃいいのだし、万が一聞かれたら「検査した。陰性だった」と言えばいい。とにかく、今年は休むと無給の雇用形態なので、まずは自分の体調と経済を第一に考えて。何の保障もないのにこちらが気遣いすぎても、返ってくるものは何もないのだ。誰にも移しませんから。
というわけで、「検査をしない」という実績を作った、自分の歴史の中で。つまり自由。
けど、かなりの時間一人で、誰かに助けてもらえると思ってなさすぎだよ私は。
10月22日火曜日
結局治らなかった二週間のうち、近所の内科に二回行った。
熱はひいても咳が残り、悪化して、痰を含むものすごい轟音かつ異音の咳が出て、授業中生徒にも心配と呆れが半々ってかんじで「大丈夫? 休んだら?」と言われた。
だよね。普通そう思うよ。生徒に移る恐怖と不安を与えたら悪いと思って、授業中無理やり我慢したら胸か肺の辺りに痰が溜まり、息をするとゼーゼーと嫌な音がした。
二回目に行って症状を訴えたら、キラキラネーム医師はちょっとだけ焦った様子でレントゲンを撮ったけど肺に異常はなくてよかった。
遠慮なく抗生剤を出してもらい、強めの咳止めと喘息の吸入と漢方とあらゆる薬をバーン! と出してもらって、よく寝てひたすら寝て、そして少しずつ治っていった。
咳がピークの折、授業中におこなったあるテスト中、カンニングする人を発見して捕まえ、報告していたら疲れすぎてゲボが出そうになった。
しゃべるとゲボか咳が出そうなコンディションの中、休まず授業をした。よく頑張った。
週末に死んでいたので、友達との約束をキャンセルしてしまった。しゃべりたいことがたくさんあったのに。
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