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とりあえず「共感」しておくZ世代

こんにちは。
グラフィックファシリテーター(R)やまざきゆにこです。
(昨日配信したメルマガをこちらにもアップします)

共感の時代、共創の時代


「共感が大事」
という考え方がコロナ禍から一気に広がっている実感があるのですが、みなさんはどうですか? わたしは15年前から自己紹介で

「情報の共有」はされているけれど
「感情の共有」がされていない。


「そんな場に第三のコミュニケーションツールとして導入して頂いているのがグラフィックファシリテーションです」

と言っているのですが、自分から営業したことがないので、多くのクライアントさんはそんなことは知るわけもなく、以前の依頼の多くは

「みんな思ってることがバラバラだから絵にしてほしい」

といった「共通認識がつくれない」というお悩みでした。(「共通認識がつくれない」理由が、まさに「情報の共有」はされているけれど「感情の共有」がされていないからなんですけどね)

そしてワークショップの当日にグラフィックファシリテーションを体感してから「感情の共有って大事ですね」「共感って大事」という声が聞こえてくるという順番でした。

それが最近では、ご依頼の理由がこんな声に変わってきてるんです。

「ハラ落ちしてない」「想いを共有したい」
「モヤモヤしていること吐き出させたい」
「共感が足りてない」「共感力が求められている」
「説得してもダメ、共感してもらわないと」

などなど。

5年ほど前まではまだ、「共感」という言葉をあえて使うのは、対話や地域創生の専門家くらいで、マーケや組織開発のプロでも使っている人は少なかったという実感ですが、最近は、時代背景もあって加速してきている感じです。

「若い人たちが何を考えているか分からない」
「個人の多様な価値観を尊重しないと」
「一人一人の働き甲斐、生き甲斐が重要」
「若い世代にモノを売るにも、共感で人が集まる時代だから…」
「共創の時代に大事なのはビジョンに共感していること」
などなど

若い世代こそ「共感が大事」と思ってくれているおかげで、それが追い風になってるとすら思ってました。

Z世代の悩み


ところが!「若い世代こそ共感を大事にしている」という思い込みをガツーンと壊されたのが、今年3月に見たNHKの番組で。Z世代の男女4~5人が、会社やバイト先、プライベートでのコミュニケーションの悩みを打ち明けているのを聞いたときです。一人の男性が言いました。

「とりあえず『3つの言葉』さえ言っておけば、友達と会話は成り立つんで」

と。この『3つの言葉』って、なんだと思います?答えは
  :

  :

  :
  :
  :
  :
  :
「分かる~」
「確かに~」
「それな~」


「共感しておけば傷つけないし傷つかない」って言うんです!!!

え~~~~!!!

「共感しなくちゃいけない」と思ってる?!
「共感」が脅迫観念にすらなっている?!

「違う意見を言って配慮のないヤツと思われたくない」
「地雷を踏みたくない」
「何度も話せるチャンスもないから嫌われたくない」
「本当はじぶんの価値観と違うけど、それを言ってどう思われるか考えると言えない」


「共感」という言葉がそんな扱いをされていたとは!

「共感」と「同感」「同調」は違う。


ただ、そんな本音を語りあう中で聞こえてきた、次の言葉にホッっとしました。

「でも本当は、相手のこと深く知りたい」

本音で語り合いたいと思ってるのに、傷つけたくなくて、傷つきたくなくて、とりあえず共感している。でもそんな「うわべな共感」に、またみんなモヤモヤしていて、「モヤモヤ吐き出しの専門家」としては嬉しかったです。

「モヤモヤ吐き出し」から始まるグラフィックファシリテーションの現場では、自分と相手の感じ方が同じでも違っても、みんなめちゃくちゃ喜んでます。つい先日も入社3年目、4年目研修で、普段、職場でモヤモヤしているけれど言えてないこと(会社に対して、上司に対して、他部署に対して、自分に対して、モヤモヤしていること)を吐き出してもらったら、

「色んな人の考え方を知れてよかった」
「自分だけがそう感じていると思ってたけどみんなも同じことを思っていて安心した」
「工場の人がどう思ってるのか知れてよかった」

「普段会っていても、こんな深い話はしないから刺激ももらった、またやりたい」
エトセトラエトセトラ

「共感」って、「同感」「同調」とは違うと思うんですよね。国語辞典に「共感」とは「他人の意見や感情などにそのとおりだと感じること」って書いてあるけど、ちょっと反論したいです。

グラフィックファシリテーションの現場では、他人のモヤモヤしていることを聞いて、「わかる~!」「え?!そうなの!?」の2つのリアクションがあるわけですが、どちらも盛り上がっていて、そのどちらも「共感」だと思うんです。ただ、わたしはそれを「共感」と言わず「感情の共有」と言っています。

しかも、単なる「感情の共有」ではなく、「モヤモヤ」の大半を占める「ネガティブな感情の共有」です。毎回、「深く知れて嬉しかった」「みんなの考えが聞けて安心した」という強い「共感」の言葉が出てくるのは、間違いなく「ネガティブな感情の共有」をしているからです。

「うわべの共感」なんて


Z世代の「本当は、相手のこと深く知りたい」という言葉にホッとしながらも、表面的に楽しい会話や前向きな議論をしていても、どこか、言いたいことが言えず「モヤモヤしている」のは、世代関係ないですね。

ただ、大きな声で言いたいのは、「本音は言わない・言えない」という防衛本能が、じつは「自分で自分を寂しくさせている」ことに気づいてほしい。

そして「本音は言わない・言えない」という人がモヤモヤしている相手にも、「本音を言ってもらえない寂しさ」が描けてくることも知ってほしい。被害者のようで、冷たい加害者にも見えてくる絵もあるんです。

モヤモヤを吐き出さずにいると、妄想と誤解の世界に一人閉じたままなので、いいことがありません。モヤモヤを吐き出してもらって描けた絵巻物を見てみると、よく分かります。

上司からの指示にモヤモヤしたまま無駄な業務をしてしまったり、他部署からの依頼にモヤモヤしながら仕事を受けてしまい残業につながっていたり、それがチリツモとなって、メンバーの他責・他人事な発言を引き起こしていたり、何より無意識のうちに精神的ストレスになっている。

でも、モヤモヤを吐き出すからこそ、データだけでは見えてこなかった働き方改革や業務変革の解決策が見えてきたり、バラバラだと思っていたけど共通の想いが見えてきたりするんです。モヤモヤに秘める可能性は無限大。人の違和感ってスゴイいんです。

最短で未来へみんなで進むにはポジの前にネガ、モヤモヤの共有を。誰も傷つけず、誰も悪者にもならず「ネガティブな感情の共有」はできます。「弱みをさらけ出す」なんて大げさなことを言わずとも、気づいたらモヤモヤを吐き出せて、「幸せなネガポジ曲線」を辿る体験を、もっと多くの人に味わってほしいです。

と、いつも鼻息荒くメールが長くなっちゃうので、年明けに、下記のようなプチセミナー&講座説明会を開催しようと思ってます。実は自主開催は人生初…  ※1/22、1/24 19:30~を予定してます。

本音を引き出し、本気に火をつけ、本来の成果につながる話し合いにするには、絵を描く前の「ワークショップの事前設計が9割!」。ということで、絵の描き方を学ぶ講座ではありません。[人財・組織開発][業務変革][新事業探索][商品サービス開発][生活者視点の価値づくり][まちづくり]など、どのテーマであっても、問題解決を支援する手段の1つにワークショップを使って、多様な人たちを1つにして前に進ませたい方のための講座です。

講座の中身は『ワークショップ実績500超に共通する[基本の技と型]を学び実務に生かす3カ月』講座(長っ!)の予定。絵心不要。ネガポジ実践【UNI道場】。改めてご連絡します。詳細を楽しみにして頂けるとうれしいです。 ※夏の終わりに「これまで封印してきた個人向け講座グラフィックファシリテーター入門を準備中」とお知らせしていたのですが、その後、かなりかなりかなりの(!)試行錯誤を重ね、このような形になりました。

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