家計簿データの分析に使っている集計指標の紹介
データソリューション開発部、データエンジニアの yuni です
データソリューション開発部では家計簿サービスである Zaim が保有する家計簿データを分析し、購買トレンドや消費者のインサイトを提供しています
本記事ではそんな弊部署で使われている集計指標について紹介します
はじめに
家計簿データは消費者の購買に関するデータという側面があり、小売業界に向けた分析することも多いです。そのため小売業界で使用される指標について集計することが多々あります。理解するのにとまどった部分もあるのでそういった指標についていくつか紹介します
シェア・リフト値
シェアとは、あるブランドが全体に対してどれくらい占めているか。要するに割合のことを指します。リフト値とは、あるブランドに対して全体と比較したときの大きさの傾向を示す指標です
以下にサンプルデータを用いて具体的な数値を求めてみます
下の表は、あるブランド A、B の各カテゴリ 1、2 について売上の例を示しています。こちらの数値を素にシェアと、リフト値を計算していきます
カテゴリ 1 に関してシェアを計算すると
$$
Aのシェア = \frac{200}{200+150} \times 100= 57.1%
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$$
Bのシェア = \frac{100}{100+200} \times 100= 33.3%
$$
また、(カテゴリ 1、2 をあわせた)全体のシェアは以下のようになります
$$
全体のシェア = \frac{200+100}{100+200+150+200} \times 100= 46.2%
$$
このとき、カテゴリ 1 の各リフト値は以下のように求まります
$$
Aのリフト値 = \frac{Aのシェア}{全体のシェア} = 1.24
$$
$$
Bのリフト値 = \frac{Bのシェア}{全体のシェア} = 0.72
$$
この結果より、カテゴリ 1 の商品について、ブランド A は全体と比較して、1.24 倍購入されやすく、ブランド B は全体と比較して 0.72 倍購入されやすいといえます
表データからもブランド B のカテゴリ 1 は売上が低いことが読み解けますが、リフト値として比較することで、一目で傾向を把握できます
可視化するときはリフト値に 1 減じて 0 を基準として表示することもあります。例えば今回のサンプルデータの各リフト値は以下の図のように可視化されます。ブランド A はカテゴリ 1 に強く、ブランド B はカテゴリ 2 が強いということが視覚的にわかりやすくなります
PI 値(purchase Index)
来客数 1000 人あたりに商品が購入される度合いを表します。具体的には、購入金額や購買数などの数値を用いて計算します
例えば、来客数 2000 人のスーパーでアボカドの売上が 1000 円のとき、PI 値は 500。すなわち、1000 人集客するとアボカドの売上は 500 円増えるといえます
$$
金額のPI値 = \frac{購入金額}{全体の人数} \times 1000 = \frac{1000}{2000} \times 1000 = 500
$$
所感
わたし自身もそうですが部署に新たに加わったメンバーが集計指標の定義と理解に戸惑うことがあるため、これを機に改めてまとめてみました
当たり前の話ではありますが、対象となる業界が変わると軸となる切り口や名称も特有のものになります。とはいえ指標としては単純な四則演算ではあるので、集計定義を数式で覚えておき、どのような意思決定に使うのかを知っておくことで応用が効くようになると思います
また、集計定義や解説は web よりも関連業界の本の方が情報が豊富です。入門書的な書籍を読んでおくと理解が定着すると思います
参考文献
POS データ分析や例を参考にした
業界の用語や定義を参考にした
さいごに
こちらのマガジンにて、データを活用した分析記事が書かれています。同僚がかいてます!ぜひ読んでみてください!
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