部活日記。第16話 初めての吹奏楽コンクール【後編】

前編はこちら👇https://note.com/yuneko_neko/n/n4651e87f413e
☆前回までのあらすじ☆
吹奏楽部に入部した花蝶美香(かちょうみか)は幼なじみのトロンボーン担当、音崎琴音(おとざきことね)とトランペット担当、高橋美璃(たかはしみり)と部活に励んでいる。現在は吹奏楽コンクールに向けて美香の先輩、チューバ担当、斎藤理羅(さいとうりら)先輩と猛練習中。今日はいよいよ吹奏楽コンクール。全力出すぞ💪🔥では、前回の楽器搬入の続きからどうぞ✨

ー協力楽器搬入ー
荷物を置いたあと、楽器搬入へ。トラックが到着するのは1階の楽器搬入口。そこから楽器を出す。出す順番は、打楽器→大型管楽器(チューバ、バスクラ)→その他の管楽器。
私はティンパニを運ぶのを手伝った。ティンパニを運ぶのは初めてで、パーカッションの先輩に持ち方を教えてもらい、中くらいの26インチのティンパニを運んだ。重い…。まだ楽器吹く前なのにこれは体力使うぞ…。やらなきゃ良かった…と少し思ってしまった。すると、後ろから理羅先輩が来た。
理羅:「えっ、大丈夫?」
美香:「大丈夫です!」
理羅:「場所変わろうか?」
美香:「えっ…?」
理羅先輩は場所を代わってくれた。すると、ものすごい力でティンパニを押した。「ガガガガ…」というような大きな音を立てて連絡通路にある坂を登り終えた。さすが先輩…👏
理羅:「あとは行けそう?」
美香:「あっ、はい🙋ありがとうございます。」

ーゆったり昼食ー
全ての楽器を展示ホールBに搬入し終えた。その後、各パートごとにまとまり控え室へ。 
理羅:「疲れたぁっ!」
そう言って椅子に座り込んだ。
美香:「疲れた…。」
理羅:「これから楽器吹ける気がしない…」
美香:「本番これからなのに。」
理羅:「っていうか、もう昼飯食べていいの?」
美香:「食べていいってさっき顧問が…」
理羅:「じゃあ食べよう😋」
弁当箱をリュックから出したあと、席に着席。理羅先輩はまさかの2段弁当。
美香&理羅:「いただきます🙇‍♀️」


ー2人の自由時間ー
12:25。いよいよ自由時間!なんと、私達Bassパート、11:30から食べ始め、現在時刻は12:25なので、約1時間かけて昼食を食べていた笑
理羅:「自由時間!」
美香:「あと1時間もあるけど何するんですか」
理羅:「何って…なんかする。1時間なんてあっという間だよ!」
美香:「他のパートのところに行っちゃダメなんですよね…。」
理羅:「あっ、そうだっけ?」
美香:「そうです。」
理羅:「オワタ\(^ω^)/」

この会話をしているうちに時が過ぎていった。

ーいざ、チューニング室へ!ー
13:39。展示ホール到着。自分の楽器ケースを見つけて、楽器を出す。金色のユーフォニアム、今日もよろしくお願いします。と心の中でつぶやいた。マウスピースをつけて楽器ケースをしまい、ユーフォを持ってその場で待機。理羅先輩はチューバを出している途中だった。


14:00。チューニング室へ移動。緊張感がにじみ出ていた。チューニング室に入ったあと、合奏体型に並び、その場にあった椅子に座った。そして、チューニングスタート。
すると、理羅先輩が私の肩を優しく叩いて呼ばれた。
理羅:「チューニング、しよっ!」
美香:「はい…」
先輩にチューナーでチューニングしてもらった。高いと言われたので先輩はチューニング管を抜いた。チューニング管っていうのは、チューニングの時に抜き差しする管のこと。
理羅:「おっけーい!」
その時私は心臓が波打っていたためものすごく緊張していた。
理羅:「緊張しないで。リラックスだよー😌大丈夫だからね☺️」
私の緊張に気づいてくれた理羅先輩はそう言ってくれた。

ーいよいよ本番の時。ー
14:40。約40分間の合奏が終わったあと、誘導員に従いいよいよステージ裏へ移動。緊張が収まらない😳💦
ステージ裏到着。合奏体型に並び替えると私はホルンの後ろ。理羅先輩の隣だった。ステージを見ると余計緊張するので見ないようにしていたが、ステージを見ていなくても緊張が収まることがなかった。

理羅:「緊張するね」
美香:「はっ…。」
私は突然の理羅先輩の声にびっくりした。でも理羅先輩が話しかけているのは私ではなく、トランペット担当の石井優杏(いしいゆあ)先輩だった。
理羅:「あぁごめんごめん笑びっくりさせちゃったね笑」
美香:「そんなことないです笑びっくりしたァ…。」

そんな話をしているのはあっという間。そして、ステージ上へ行くことに。でも、まだ電灯は付いていない。私は暗いステージの上へ行った。看板には「百羽・林田・花澤地区大会」の文字。これを見てさらに緊張。やばい…。誘導員が譜面台の高さを調整してくれる。
誘導員:「これでいいですか?」
美香:「大丈夫です。」
誘導員:「あとは自分でいい高さに調節してください😊」
美香:「ありがとうございます🙇‍♀️」
そしてステージの電灯が突然付いてビビった。
アナウンス:「プログラム15番、百羽市立大生中学校、指揮は佐藤夏鈴です。」
パチパチパチパチ…(拍手)
拍手が聞こえた瞬間、私の緊張は一気に
解(ほど)けたような気がした。そしてクラリネットから始まるメロディ。
音源はこちら👇
https://music.youtube.com/watch?v=6yikg5HjziA&si=w4WRA_nxa-dUD6aB

でも、私は最後の音を上手く当てられず。
最後がいちばん美しい音なのに、台無しにしてしまった…。

時間はあっという間だった。すぐに終わった。

ーホワイエへ!ー
ホワイエで記念写真を撮る。私はホワイエに行く途中、次のような事を考えていた。

ーなんか、演奏、良くなかった気がする…。何かが物足りなかった気がする…。なんだろう?自分が音間違えたのはそうだけど、何か違かった気がする…。何が違うんだろう?どうしてそんなこと今考えるんだろう?ー

ホワイエ到着。まずは雛壇に上がり、集合写真を。その後、パートごとに写真を撮った。
理羅:「ポーズ何にする?」
美香:「ホルンみたいに、ベル被るとか?笑」
理羅:「チューバは無理よ?笑」
ポーズが思いつかないまま、写真を撮る所へ。
カメラマン:「まずは普通に楽器構えてー
チューバは構えないで、手は添えてねー」
パシャッ(撮る音📸)。
カメラマン:「次はポーズ!何にする?」
美香&理羅:「…。」
カメラマン:「じゃあ、楽器斜めに置いて2人は背中合わせに立って…。」
美香:(ん?背中合わせ?)
私は背中合わせが分からず、先輩と同じ方向を向いて立った。すると、
カメラマン:「背中合わせだよ笑」
美香:「あっ…」
理羅:「アンタ何してんの笑笑」
と璃羅先輩に言われ、肩を叩かれた。
美香:「えへへぇ❤☺️🤣」
理羅:(可愛い♡)

ー審査結果ー
展示ホールに戻り、楽器を片付けて楽器搬入のあと、各パートごと控え室へ戻る。
廊下にて。
理羅:「頑張ったね‼️偉いぞ🔥」
美香:「ありがとうございます😊でも、結構間違えましたね😅‪‪」
理羅:「えぇ!やば笑」

そして、控え室に到着。
美香:「到着ぅ⤴︎︎︎⤴︎︎︎」
理羅:「到着ぅ⤴︎︎︎⤴︎︎︎笑」
理羅先輩と私は同時に椅子に座った。
美香:「あとは結果待ち…。」
理羅:「また緊張するね!」
美香:「でも、満足出来ない演奏だったかも…。」
理羅:「んっ?」
美香:「なんか、満足出来ない..というか、何かが物足りなかった気がする…。」
理羅:「…なんでそんな事言うの?」
美香:「えっ…。」
すると、突然理羅先輩が立った。
理羅:「そんな事言わないでよ!賞取るんでしょ!」
美香:「はい…。」


16:00  いよいよ大ホールへ。

開会式が始まった。
審査員:「では…審査結果の発表です。審査結果はゴールド金賞、銀賞、銅賞の3つです」

審査員:「14番、矢野中学校  ゴールド金賞 」
会場に歓喜の声が上がった。
審査員:「15番、大生中学校…」


ーもしも楽器経験者だったならー
審査員:「銀賞」
美香:(えっ…嘘…)
1、2年生はみんな呆然としていた。あれだけやったのに…銀?やっぱり、私の言う通りだったかも…。何かが物足りなかったんだ…。
すると、前の席にいた3年生から泣き声が上がった。泣き声を1番にあげていたのはトランペットパートの阿部三玖(あべみく)先輩。
三玖:「悔しぃぃぃぃ!!!なんで…どうして!あんなに頑張って練習したのに!死ぬほど練習したのに!」

私は三玖先輩の言ったことに胸を打たれた。
でも、私が涙を流すことは無かった。3年生は来年ないのに、1、2年生だけは来年がある。そう思うと涙が出ない。
そして思った。


ー自分が楽器経験者だったら
                  そしたらこんなことに
                                  ならなかったはずー
ーもっと上手くなりたい。

                                                            ~完~

第17話      上手くなりたい
第17話と同時に、劇場版「初めての吹奏楽コンクール」を公開予定!
第16話、公開が遅くなってしまって申し訳ございません🙇‍♀️💦

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