うそつきは真実を口にした
冗談のつもりで別れよう、なんていった。彼女は一瞬驚いたような顔をして、カレンダーを見てすぐに怒ったように頬を膨らませてぽかぽかと自分のことを殴り始めた。
「エイプリルフールだからって、ついちゃいけない嘘もあるでしょ!!」
「でも、エイプリルフールについた嘘は実現しないっていうよ?」
「それでもだめ!!」
そういう彼女の様子に、自分は二つ返事で軽く返したのだ。エイプリルフールについた嘘は実現しない。結局のところそれも迷信であったのだが。
「……」
目の前には一つの墓、墓に刻まれ