「宙を走る路面電車」 in 岐阜市
1.宙を走る路面電車私は、岐阜市の駅前を散歩していた。その日は、暑かった。できるだけ日光にあたらぬよう、日陰を探しながら歩いた。それでも、横断歩道を渡るときには、どうしても強い日差しが、頭上から降りかかる。強い日差しを甘んじて受け止め、ようやく次の日陰に辿りつく。日陰に辿りついてもなお、体はほてっていた。日陰から日向を眺め、日向を見下ろしている太陽に目をやった。ギラギラと黄色の強い光を放っている。長く日光を見すぎたのか、目がチカチカして、視界が奪われてしまった。日陰の宙に視点