人に優しく
私は今年で一人暮らしを始めて5年目になりますが、最近初めてこの家で体調を崩しました。その時、一人で病院に足を運ぶ不安感や心細さを痛感しました。
普段の私は、23歳とまだ年齢的に若く、健康で体力があるので、日常の行動に不自由さを覚えることはありません。
しかし、高齢の方や、持病を抱えている方、心に傷を負った方、体調が悪い方、また悲しい出来事に遭遇した方、マイノリティの方など、世の中には見た目だけでは分からない、体の重さや不自由さを抱えている人がいます。
それを頭で分かっていても、私は自身にとっての日常、当たり前に不自由さを実感するまで、人の辛さや見えない部分について軽視してしまうことがあります。
ヘルプマークやマタニティマークがある方が困っている時には手を差し伸べますが、手を差し伸べるほどでなくても、社会の波に調和ができない時は誰にもあるはずです。
「人には優しくしなければならない。」と私は再認識させられました。
ただ単にお人好しになりたいのではなく、人生には様々なステージがあって、自分も誰かに支えてもらう時が必ず訪れるから、人の痛みにも優しくならなきゃと思うんです。
また、「優しさ」にはいろんな形があると思います。お節介や、ありがた迷惑な行動は優しさというよりもエゴイストっぽいし、その境目が難しいです。
他にも、ただやってあげる、例えばお金を貸してあげるなどは簡単ですが、相手のためにならない場合もあります。
一番難しいことは、相手にとって必要なことが何かを見極めることです。
私はそれを見極められる人というのは、様々な経験をし、様々な感情や状況を知っている人だと思います。自身の人生を通しての深さとともに、その人が必要なサポートを感じ取り、そしてそれを人に与える余裕が生まれるのではないかと思っています。
人に何かをすることを考える前に、自分が挑戦して、失敗して、反省して、その経験を通して出会う感情によって、人の気持ちも少しずつ感じ取れるようになるのかと思います。
自分のことばかりを考えて過ごしていた日々に、このような気づきを与えた体調不良は、起こるべくして起こったのかと思います。