その66 ビール業界の縮小脱却からパチンコ業界も学ばねば
ビール業界の群雄割拠がおもしろい。
サントリーの”生ビール”が早くも2月にリニューアルとなる。昨年2023年4月に出たばかりなのに早くもだ。ビール業界の戦略が実に興味深い。
業界縮小というパチンコ屋と同じジレンマを抱えつつ、新しい価値を見つけて提供するやりかたは見習う術しかない。
アサヒのスマドリ、クリスタルドライ、マルエフ、今回のサントリーの生ビールリニューアル…。今後も目が離せない展開だ。
サントリーの戦略はズバリ若者の奪取。
具体的には20-40代をターゲットにしている。だから今回のリニューアルはよりそこへ絞った戦略となるそうだ。
具体的にはいくつかある。
まずデザインの削進。より見た目に興味が湧くようにパッケージの色調を明るくする。店舗で目立つためだ。
あとは味。飲んだ時の刺激感を増すために醸造方法を見直す。
私も過去この生ビールを飲んだことがある。だが合わずに一回でやめてしまった。プレモルにも同じことが言えるのだが甘ったるい。缶の後半は甘すぎて飽きてしまう。もっと苦くてシャープな物を求めたい。個人の意見だ。
業務用の提供も増やすそうだ。
ただ群雄割拠の業務用への転換はまさに修羅の道。ここの開拓が成功するかに掛かっているのではなかろうか。
ここは予想だがプレモルを提供している店からシフトしていくのだろう。新規開拓より営業がしやすい。さらに専用の『マグジョッキ』なるものをひっさげる。飲み口を広げ、よりのどごしを強く感じられるジョッキだそう。
気になる。過去はお口に合わなかったが、また変わるのだろうか。興味が湧いてくる。
2023年の販売は399万ケースにのぼるという。
目標は300万ケースだったというので目標は大幅に達成している。2024年は生産工場を倍に増やし600万ケースを目指す。それでもスーパードライの7100万ケース、キリン一番搾りの2900万ケースには遠く及ぼない。ここから覇権が取れるのか。とても興味深い。
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さて、翻ってパチンコ業界はどうだろう。
ビール業界のように新規開拓を狙った取り組みをしているだろうか。昨今、メーカーからの版権はおもしろい。
かぐやさまに告らせたい・炎々の消防隊・リゼロ・転スラ…
遊技性能はともあれ、若者が興味を惹きそうなコンテンツが並ぶ。4月には実写映画にもなったゴールデンカムイもスロットで誕生だ。気になるコンテンツを遊技機メーカーは提供してくれる。ホールもがんばらないといけない。
ホール側がやっているのは今いるお客さんをまた呼ぶ政策ばかりだ。パチンコをやらない人にもやるようにしていかないと、この業界の未来はないと危惧している。
目先の利益に走ってしまいがちな業界体質だ。なぜなら業界も経営が苦しい。多額の設備投資、高額な遊技台。7月には新紙幣に対応して、さらに設備投資が必要になる。お金をいただかないとやっていけない。2023年もパチンコ屋が684店舗が潰れている。明日は我が身だ。
それでも新規の開拓と既存客の遊技増しは両輪でやらなければならない。
今日の夕ご飯を食べるために稼ぎつつ、将来のために投資するようなもの。
片輪からの依存をなんとか脱却しないとなあ。
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