見出し画像

見て、食べて、聴いて ー22歳日々雑感ー

 東京の下町で生まれ育った18歳が、大学進学を機に山々に囲まれた信州に住むようになった。そして気づいてみたらもう5年目。ちょっとばかり思うところがあって、大学を卒業しても「就職」はせずに学生時代の延長のようなバイト暮らしをしてる。
 「思うところ」とは、やってみたい「小さな個人事業」のようなことがありましてねってとこ。一生住みたいなあと思えるようになったここ信州で、私らしいささやかなショップの開業。「信州らしく」と「私らしく」を重ねた何か。
 大学を出ても「何者にもなれていない」という現実は、多少は不安である。けど、今はいろんな意味で準備期間なんだよと、自分で自分に言い聞かせてる。お金と心の両方の準備期間ってこと。30歳くらいまでをめどに、いろんな場所や人と出会い、いろんなことを学び、必要な資金も貯めてって感じ。幸いなことに、親は「好きにやればいいよ」ときわめて寛容。あれこれ口を出してこないのがありがたい。たんなる放任かもしれないけど、笑。
 
 ということでして、この note はそんな私がざっくばらんに書き残していく雑記帳みたいなものです。
 ついこの間まで、別なところにそういうものを書き散らしてたけど、思うところあってリセット。日々の雑事を散漫に書き散らしてるだけではつまんない。ここでは、私が日々を他愛なく暮らす中でも、ささやかながらこだわり楽しんで3つのことたちを、感じたまま思ったままに書き残していくつもり。
 1つは「見たり、触れたりして感じたこと」。平凡な田舎暮らしの中で目にした風景、山や川、草花や木々、季節の移ろい、いわばささやかな「花鳥風月記」のようなもの。
 2つは「作って食べる」。元来食いしん坊で、美味しいものを作って食べることに労は惜しまない。外で食べて美味しいと思ったら自分でも作ってみないと気がすまなくなる。そんな性分の私の「台所日記」。
 3つ目は「聴く」。音楽を聴くこと。高校時代からハマってる決してメジャーでとは言えないジャンルの音楽のこと。
 この「見て」「食べて」「聴いて」という他愛のない3つのことを重ねながら、風来坊のような田舎暮らしの足跡を、未来の自分に向けて残すもの。そんな感じで書いていこと思ってる。

 ということで、以下は本日の「見て」「食べて」「聴いて」です。

 まずは、夕暮れ時の風景。
 秋らしい日没直後の空気の感触が少しは伝わるといいな〜って思う。
 いま住んでいるのは、千曲川の南側に広がる塩田平という場所。四方を山に囲まれた上田盆地の一角。夕陽は松本とここ上田を隔てる山塊の中に沈んでいく。真ん中あたりにちょこっとある山は、子檀嶺岳(こまゆみだけ)といって、お隣の青木村にある1000mちょいくらいの山。
 空気が澄んできて秋らしい夕景色。田んぼ道で自転車を止め、しばし見惚れてました。


【台所日記】
 今日の夕食はカツ丼。
 もともとが江戸っ子てか関東人。だからカツ丼といえばもっぱら甘辛い卵とじのカツ丼だった。だけど長野県に住み始めてからはソースカツ丼を食べることが多くなった。駒ヶ根の明治亭のソースカツ丼などはとっても美味。でもそんな中、一昨年に知って以来どハマりなのがこのカツ丼。新潟タレカツ丼。
 ソースではなく、醤油ベースのコクがあって出汁が効いてる甘いタレに浸したカツを熱々のご飯にのせる。新潟出身の友だちが教えてくれ、彼女が帰省した時に買ってきてくれたタレで作ってみたところ、すっごく美味しかった!以来、カツ丼はもっぱらコレ。トンカツだけでなく、サーモンやブリの切り身の魚フライでもなんでもイケる。てか、我が食卓では魚フライの方が多いかも。今日は安く買えたイナダで作った。青海苔も散らし、いい感じの香り。秋のうちにサーモンのタレカツ丼を作りたいね。
 このタレは、新潟県内のスーパーではどこでもふつうに売られてるらしい。けど、ご近所ではまったく見かけない。今日使ったのは、夏に海を見に上越市に行った時に買ってきたもの。近いうち自家製のタレの制作にも挑戦してみようかなあ。


【音楽室】
 内外のいろんな音楽を気の赴くまま聴き漁ってる。その中で、「このアーティスト最高!」ってのを1つあげてみろって言われれば、迷うことなくこの Sigur Rósだ。 アイスランドのポストロックバンド。このバンドに限らず、北欧のポストロックやエレクトロニカには目がない。音の清涼感とか空気感とかが極上なものが多いから。
 10年前のアンビエント色の強かったアルバム Valtari の冒頭曲。Ég anda、英訳すると I breathe、「私は息を吸う」。しっかりと呼吸するってイメージかな。 
 Sigur Rós の音楽全体に、どんな極限のような状態でも息づく「生命」の鼓動のようなものを感じるけど、この楽曲もそのひとつだ。

いいなと思ったら応援しよう!