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不意に思いだされたこと

 MacBookのHDから移したデータが入ってる外付けHDの中を整理してて、7年前の今日の写真があって、それを眺めながらの話。
 そういえばってな話で恐縮なんだけど、先日24歳になりましてね。そんな私がまだけなげだった、19歳になったばっかの時に撮った写真ですね。今使ってるコンパクト1眼を買ったばっかで、嬉しくて何でもかんでも撮りまくってた頃のやつ。大学1年生の終わり、長野県民になって最初の1年が終わる頃。この日のことは、今でもよく覚えてる。
 1年目の大学の全日程を終え春休みに入り、住んでたところを引き払い、上田に移り住むための準備をしてた。バイトも辞め、することがなくなり、わずかな間だったけどヒマでブラブラできた時のこと。
 心の中は疲労と混乱というか、何とも言えない生き心地の悪さ。週7日のバイト生活と、1年目で過密だった講義で息つく間もない大学生活の果てに、ため息ばかりついてた。
 生活費いらないから。バイトで何とかするから。そう言って、何とかなるだろって始めた仕送りなしの大学生活だったけど、想像を絶するハードさだった。これがあと3年続くのか・・・その果てに何があるんだろう・・・何のためにここ(松本)に来たんだろうか・・・バイトして稼ぐためにここにいるんじゃない。そもそも、何で私は東京ではなくここにいるんだろう・・・その意味は?それに対する答が出なくて泣きたい気持ちだった。いや、実際1人の時に泣いたこともあったよ。そんな中、お天気のいい日に、住んでた浅間温泉の裏山、御殿山に登って眺めたアルプスの山々の写真。

 母は、少しは生活費を送るって言ってくれてはいたし、いつもお金は大丈夫?って心配してくれてた。でも、双子姉妹の片割れが授業料バカ高い私学に行ったし、私には首都圏の国立のどっかに行ってくれたら嬉しいというのが母の本音だったと思う。その母の願いに反して脱・都会を夢見て東京を離れたわけだし。シングルマザーの母の財産を食い潰すようにお金を送ってもらうのは何だか嫌だなって気分だった。加えて元来の変な慎重癖というか、一定の備えというか蓄えがないとって気持ちで、連日深夜までのバイト。土日は派遣登録して単発のバイト。バイト漬けだったわけです。おかげで1年で50万くらいの貯金はできたんだけど、その分「楽しい学生生活」とは無縁だったし、夢見てた田舎暮らしの楽しみなんて皆無だった。とにかく、心の疲労困憊と、こんなことしてて何が残るの?という自問に対する答はなく、何だかとても虚しい気分に襲われたわけで。まあ、表向きは頑張りガールだったけど、心の中はプチ病んでたんだと思う。アルプスの山々の眺めはこんなにも素敵なのに、私の心の中はちっとも晴れない。もやもやと、ざわざわと。そんな感じだった。
 あの頃に比べると、まあ、いろいろあって、上田に移ってからは生活のありようも見直して、いろんな人のお世話になったりしながら、日々の暮らしを味わえる今の境地に至れて、今はそれなりにシアワセなんだと思う。でも時々、あの頃の自分が「本当にそれで満足?」って問いかけてくる、そんな内面的な不意打ちを食らうこともある。あの頃の自分には、「まあまあてとこだよ」って曖昧に答えておくしかないけどね。


【台所日記 #040】
 昨日に続き、フィリピン食。朝はタプシログ(ビーフのピラフ)、お昼にまたパンシットカントンで、夜はパンガシログ。ガーリックライスとミルクフィッシュのマリネの揚げ焼きね。フィリピン料理のトロピカルな風味(酸味と甘味とほんの少しの辛味)、美味しいねえー。ごちそうさま。


【音楽室 #040】
 この作品というか、この人のセンスって日本人離れしてる。アイリッシュトラッドに通じるようなメロディーラインと歌唱。しなやかというか、伸びやかというか、そしてどことなく儚げでもある。素敵!

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