実写キングダムはキャスティングが神がかっている
7月28日。情報が出た瞬間に「この日休みくださいこの世の全てを敵に回しても休み欲しいです」と申告し、1週間前からコミックを読み返し、満を持して観に行ったキングダムⅢ。
観てからこの1週間、脳の8割をキングダムが占拠していて、仕事に支障を来たすレベルで狂っていたので、感情の整理をつけるために書く。
漫画の実写化は本当に難しいと思う。作品の名を借りた別物だった作品も少なくない。
るろ剣やデスノート、銀魂は大成功の部類。個人的にデトロイトメタルシティも良かったと思うし、亜人も面白かった。
そしてキングダム。最初に実写化と聞いたときは不安しかなかったけれど、キャストのビジュアルを見たときに「本気だ」と確信した。
王騎(大沢たかおさん)がものすごく王騎だったし、楊端和(長澤まさみさん)は圧倒的「美」だったし、1作目でいちばん完璧だと思ったのは成蟜(本郷奏多さん)。あの成蟜をここまで完璧に再現できるものかと。表情から所作まで、憎たらしい王弟を見事に演じていた。役への理解が引くほど深い。
Ⅱではヒロイン羌瘣(清野菜名さん)はじめ秦国の将軍・麃公(豊川悦司さん)、千人将の縛虎申(渋川清彦さん)、魏国の将軍・呉慶(小沢征悦さん)、秦王・嬴政の前に立ちはだかる呂不韋(佐藤浩市さん)、昌平君(玉木宏さん)、蒙武(平山祐介さん)と錚々たる顔ぶれが参戦。のちの飛信隊の中心メンバーとなる面々も。
キングダムのすごいところは、最初「イメージちがうな〜」と思っても、実際に映像を見るとこのキャスト以外に考えられなくなるところ。
麃公さん、豊川悦司さんは線が細すぎるのでは…と思っていたけれど、いざ騎馬して戦場を駆ける姿を見たら「麃公将軍!」と拳を突き上げたくなる。「酒じゃあ〜」なんてあんな笑顔で言われたら断れない。
Ⅱは縛虎申が良かった。最初の印象最悪だったけど、最後に評価が爆上がりする縛虎申。この人の下で戦うのは嫌だけど笑、こういうタイプの将がいるから戦況を変えることができるんだろうね。熱い漢。
そしてⅢ。
キングダム序盤の山場とも言える馬陽の戦いと、趙国の王都・邯鄲で暮らしていた嬴政が趙を脱出し秦国へ帰還する話を軸に、飛信隊の誕生と新たな強敵の出現を描いた今作。
蒙武やば!!!
小学生でももっとまともな感想書けるわ。
蒙武、この先秦国の武の顔として台頭していく破壊力が強みの将軍。ステータスを武力に全振りしたようなキャラなんだけど、平山祐介さん、圧倒的蒙武だった。この蒙武なら、楚の巨人・汗明の頭を叩き潰しても納得。実写キングダムの中でわたしの好きな武将ランキング堂々の1位。
平山さんご自身もキングダムの大ファンだそうで、いちばん好きな武将は王騎だとか。
嬴政を脱出させる手助けをする闇商人・紫夏(杏さん)も良かった。ビジュアルからしてもうぴったりなんだけど、「殺させない!」と追手に矢を射るシーンは震えた。役になりきる、というレベルを超越している。キャラの存在感に説得力が増して、より魅力的になっていた。
そういう意味でも、キングダムはキャスティングがハマりすぎている。作品の纏う熱量がすごい。
山﨑賢人さんの殺陣の練習シーンを動画で見たけれど、人間ってこんなに動けるんかとびっくりした。彼はもう、信の人生を生きている。
馬陽の戦局を完全にひっくり返し秦国に大ダメージを与える趙の李牧が小栗旬さんとは......やられた。キャスト予想に名前が上がっていたけれど、初登場時の胡散臭い感じと軽いノリが完全に李牧。鎌倉で暗躍した面倒な奴が敵チームにログインしたぜ。秦国民からしたら大迷惑の極み。
頭脳の李牧とならび秦国に立ちはだかる武力担当・龐煖は吉川晃司さん。
正直、龐煖みたいな「我、武神なり」とか言っちゃう人外の50代男性を演じられる役者さんがひとりも思い浮かばず。顔が映るまで「誰だ......?」ってワクワクしていた。
顔を見た瞬間の気持ちは、鬼滅の無限列車編で猗窩座が「いい刀だ」と言った瞬間と同じ。
こんな龐煖、勝てる気がしない。勝つけどね。
次作ではおそらく、王騎と龐煖の戦いをメインに、李牧の正体も明かされて......みたいな展開になるんだろうな。
今回は飛信隊に絡まなかった趙軍の李白や渉孟、公孫龍が潔くカットされていたけれど、出て来るんだろうか。渉孟は王騎の強さを表すための踏み台として必要なキャラなんだけれども。
王騎将軍の副官・騰(要潤さん)の活躍も楽しみだし、今回出てなかった軍長の録鳴未、次こそは出てきて騰にイジられてほしい。ひたすら敵を粉砕していく蒙武も楽しみ。
それにしても、実写キングダムはいつまで続くんだろうね。合従軍までは最低でも見たいなと思っているけど、20年くらいかかりそう。
書くだけ書いてスッキリするかと思いきや、また蒙武に会いたくてたまらなくなってきたので近いうちに2回目を観に行く。もはや蒙武に恋している。(昌平君推しはどこへ......?)
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