みえないもののすがた
公園を散歩していると
木の上に大きな誰かがいる気配がある
太もものところがざわざわとする
しかし、そこにいるっていったって
きっと誰も何も悪さはしない
木の上にいる者は、基本的にじっと目を瞑って深く眠っている。
わたしは震える太ももにエールを贈る
大丈夫だ、しっかりしろって感じに
きっとみんな分からないものには
怯えを感じるものなんだ
そういう風に見えるんだ
だけど、私には気付いてないのかな
勢いよく振り向いてみる
ふりかえると大きな者はそこにはいない
代わりに百匹の雀が涙を流していた
そんな姿を見るのは初めてだったから
驚いて私は駆け出した
マフラーを落としてきてしまった
でも、あの雀はなんで泣いてたんだろう
なんで百匹とも涙していたんだろう
悲しいな
私まで悲しくなるや