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河合薫氏が「肩書」についてこう述べています。

『定年後、孤軍奮闘した「古戦場」を訪れたり、その界隈をさまよう人は実に多い、と。

長年の間、慣れ親しんだ場所への懐かしさに加え、かつての人間関係の中に居場所を確認しようと心が無意識に動く。

人間にはアイデンティティー(自己の存在証明、存在意義)を探索する欲求があるため、楽しかった過去の人間関係に安寧を求めるのだという。

ところが現実は、全く逆なのです。

「昔の肩書にしがみつく元上司」
「元部下に仕事の指示をしてうるさがられる役職定年社員」などを見るにつけ、
「あんなふうになったらおしまいだ」と心の中で感じる人も多いと思う。

それなのに、過去の人間関係に居場所を求めようと、肩書を忘れられない人も多い。

人間関係は、定年になってから、「さあ、今からつくりましょう」ということにはなりませんね。

40代や50代から培った人間関係が60代、70代にジワジワ効いてくるのです。

40代、50代、もっというなら30代から、どれだけ現在の会社以外の居場所を確保できているか、ということが大事なのです。

会社以外で、どれだけコミュニティに参加していたか、自宅や会社以外の、ほっとできる場所を持っているかが、定年後に大きく響いて来ます。

そこでは、肩書は関係なく、生の人間としての付き合いが求められるからです。

肩書がなくても、ほっとできる場(サードプレイス)を持てる人でいたいですね。

若い頃からそうした場を、模索した方がいいのかもしれません。

今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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