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お茶の水大学名誉教授の外山滋比古先生は、戦後アメリカから日本に入ってきた映画の「ゴーイングマイウェイ」(我が道を行く)という言葉が印象に残り、それを座右の銘にして努力されたそうです。

外山先生はこれを、「他人のやることに付和雷同しない」と解釈して心に刻まれました。

我が道というのは、常識、流行、体制といった多くの人がいるところにはないそうです。

一人で運命を切りひらいていく覚悟を持ち、孤独に耐えて歩んでいく者がつくっていくものであると仰っています。

しかし、50を半ばに過ぎた頃、人生の目的の終着点が見えなくて、どうしたものかと悩んでいた時に、こんな言葉に巡り合ったそうです。

🍀 浜までは海女(あま)も蓑着る
    時雨(しぐれ)かな


詠んだのは江戸時代の俳人、滝瓢水だそうです。

これから海に潜る海女が、雨を避けるために蓑を着て浜に向かう。

どうせ海に入れば濡れてしまうのに、なぜ蓑を着る必要があるのか。

浜までは濡れずに行きたい、というのが海女の気持ちなのです。

つまり人間は、少しでも自分を愛おしみ、
最後まで努力を重ねていかなければならないという意味がこめられているのです。

雨が降れば傘をさし、日差しが強ければ日傘をさす。

そうして自分を慈しみながら、死を迎える直前まで、ひたむきに努力を重ねて行くべきなのだと解釈されたのだそうです。

浜を人生の終着点と考えるところが、とても深いなぁと改めて感じます。

今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。


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