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【感想】「三島由紀夫VS東大全共闘」

今回は本ではなくドキュメンタリー映画の感想になります。

個人的に三島由紀夫が好きなので、投稿いたしました。

左翼派の東大生たちと、東大駒場キャンパスで行われた討論の実録になります。

三島は熱く語り、討論は過激、そんなイメージを持っていたのですが、覆されました。改めて、三島に対する評価が上がりました。

父と子くらいの歳の差はあれど、同じ土俵で討論する以上、言葉を武器として戦うのだから、白熱するのは当たり前。そんな状況の中でも、三島の態度は立派でした。

何よりもすごかいと感じたのが、三島の討論の仕方です。

相手の懐に飛び込んでいくような、勇敢さと温かさを言葉の端々に感じました。対立していても、笑いを取りに行ったり、相手の言葉にしっかりと耳を傾けていました。

また、討論の初めから最後まで、一度たりとも相手を打ち負かすような語り口をしませんでした。東大生の質問の仕方や反論の中には、明らかに挑発。侮辱するような言葉がありましたが、それでも理性を失わず、対応していました。

私は、議論討論すると、どうしても相手を打ちまかしたいと思ってしまうときが出てきてしまいます。そういうときは、必ずと言っていいほど、双方納得する結果にはなりません。

自分の思想、行動に対して揺るがない信念がある人は、相手の意見がどれだけ鋭くても自分を保つことができます。それができる人はけっこういると思います。

しかし、それでいて相手を自分の方に振り向かせることまでできる人は、なかなかいないんじゃないかなとも思います。

圧倒的余裕があったとも考えられます。だからこそ、討論を楽しめたと三島は語っているのではないでしょうか。

討論の仕方について、非常に参考になる映画でした。

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