🇨🇺”もう旅するな”と言われた話【旅と逃走、自己との闘争】

こんにちは、ゆもです！お久しぶりです♪
今回は最近ずっと思っていたことを呟きます。

この秋、約4ヶ月にわたる世界一周から帰国し、腹を括って大学を復学した。実はその旅の最中、ある大切な友から「もう旅するな」と一喝された出来事がありました。今回はその前後の話と帰国して2ヶ月経った今、考えることを話します。

キューバ逃走恋物語🇨🇺

🇯🇵×🇨🇺

事は、私がキューバの男の子と恋に落ちたことから始まります。
これが本当の運命だったのか。
まだずっと、自分に問いかけてる。

というのもこの恋物語を、自分に軸が無いから、流された結果なんじゃないかとその友に指摘されたんですね。

経緯をざっくり話すと、彼は自分がハバナで滞在したカサの長男。実はこの世界一周旅に出る前、きっぱり当時の彼とはお別れしていました。それで本当に文字通りほぼ直感で行きたかった念願のキューバに転がり込んだわけです。

以前のキューバ投稿を読んでもらえばわかると思うのですが、このホストマザーのお家にたどり着いたのも、本当に偶然でした。
このカサにはピアノがあって、実は滞在する決め手にしたのは、破格の値段もそうだけど、結構そのピアノが決め手だったんですね笑。

部屋にいたある晩、そのピアノを誰かが下手くそに弾いてるのが聞こえる。その弾いてる曲が、私が唯一弾ける”エリーゼのために”だったり、大好きなBillieのlovelyだったり、超マイナーなお気に入りのcartoonの主題歌だった。最初誰が弾いてるのか知らなくて、それが毎朝家のドアを開けるのに手こずる私を助けてくれる彼だと知ったのは後からでした。その時めちゃくちゃ運命感じちゃったんですね笑
すっかり私が吸い寄せられ、交際開始。現在も遠距離で続いてます。

このノロケ話の論点はというと、
当時の私の旅の動機の不安定さと、
そのために恋に逃走しただけだったのではないかという点です。
これを大切な友たちが、当時の私に日本から悲鳴まじりで説得を試みてくれた。
どうしてか、その話をしたい。

自分探しの旅の盲点

旅、観光、自分探しの旅

よく”旅”というと、「観光」や「自分探しの旅」と混同されるかと思います。
以前に「旅」と「観光」の違いについては話したことがあるので、今回は「自分探しの旅」について呟きたい。

リュック一つで世界に出るバックパッカーは、剥き出しの自分を旅先に晒して、「自分を変えたい」とか「自分を知りたい」っていう意図が何らかの形であるのかなと思います。少なくとも、私にはある。
ただ旅先の建造物やグルメを楽しみたいのであれば、それは「観光」になる。
一方で現地の文化を知りたいという動機は、己がもつ文化との比較になるため、無意識でも自己分析の「旅」となる。言ってしまえば、バックパッカー旅は宙を描くようなやみくもさがあり、混沌に近いと思うんです。

自分探しの旅は自分を見失うだけか

「旅して何か変わるの？」とよく訊かれます。
私的は否で、旅をしても別に人は変わらないと思います。

自分探しの旅は、
新しい自分に出会えるわけじゃない。
でも自分を相対的に違った側面から見れる、
というのはあると思います。

私は旅しながらいつも思うのは、私は私から逃げられないんだなあってこと。
どんなに地球の裏側に行っても、私は私の身体をメンテナンスして旅を続けなければならない。どんなに現地の文化に溶け込もうと頑張っても、私は私で、生まれ育った環境とか、見た目、価値観は変えられない。

全く新しい自分を見つけるのが”旅”なのだと目を輝かせて旅に出る人がいる。
私は否定はしないけど、あまりそれはうまくいかないんじゃないかなあって思います。なぜなら、何処にゆこうとも自分は自分の入れ物から逃げ切れることはできず、旅は当人の想うような完全な自己逃避にはならないわけです。常に自分は今何をするかやこれから何をするかといった選択を迫られるわけです。

私の居場所はいずこ

夕陽と私、自分について考えた。

コミュニティの模索

私が旅する理由、それは自分が所属すべきコミュニティの模索が原点であったと考えています。高校生の時、大人になっていく自分の体にショックを受けて、大学生になってからは自分の居場所について悩むようになった。

大学生になったら全部終わると思って、死に物狂いで勉強した3年前。
合格して念願の大学に行けたとて、不安定な自分は何にも変わらなかった。
やわやわな自分の輪郭は自分で固めろというのに尽きるわけである。

不登校状態から無理くり大学進学。
そこで感じたのは周りとのギャップ。
自分の立ち位置を真剣に考えさせられた。
そして自分がやるべきことが何なのか、路頭に迷い始めた。

大学に少しずつ感じる違和感。
勉強はものすごく楽しいのに、自分がここに合ってるのかいつも不安だった。
元々学校システムが苦手というのもあるけど、
次第にバーなんかで働いてる時間のほうが長くなってった。

勉強に専念しようと進学を決めたはずなのに、どうしてバイトをしてる時間の方が長くなるのか。どうして周りと同じように通えないのか。こんなにもバランスが悪いのか。
すごく悩んだ。そしてもやもやが止まらなくなって休学した。長期的な旅を決意した。

私が私であるが故にやるべきことは何か？
それが知りたかった。
そして自分が、ここだ！って思える
居場所が欲しかった。
人生を賭けれる運命の場所、
みたいのが欲しかった。

家族、学校を超えた先にあるもの

もうひとつ思っていたのは、自分の中に、家族や友人では埋められない何かが芽生えつつあったというもの。
今までは家族が自分にとって最高の理解者であり、全てを満たしてくれる絶対的存在だった。けれど次第に家族が知らない世界を自分が知るようになった。家族に守られる自分から、家族を守らないといけない自分へと思考がシフトチェンジした。

一方、今までの小中の友人というのは、同じ環境にいた子どもがかき集められて仲良くなった子達であったから、自分の生まれた環境と価値観にすごい差異が生じることがなかった。
そこから急に大学や外の世界との接触で、全く違うバックグラウンドの友達ができた。生まれ育った背景が違えば、考え方もその考え方の前提となる価値観も本当に違う。そうしたことにいちいち刺激され、大切にしたいと思う友達がぽろぽろと現れてから、それぞれの友達の異なる世界線に対し、自分の座標点が曖昧であることに困るようになった。

＊ぴったりくっつける人が欲しいって想った。
家族はすでに私のことを全ては知っていない。
私の背景は知っているけど、
展望は理解できずにいる。
一方で友人や大学のコミュニティは、
一種の点でしかない。
完全な理解者でも依存できる相手でもない。
じゃあ私はどう立てばいい？、
それがわからなかった＊

そのぴったり合うような誰かが欲しいという想いから、次第に恋人を探すようになった。それが恋人でも友人でも何でもよかった。でも生物学的な理由を考えれば、恋人のほうがいいのかも、なんて思った。
恥ずかしいけど、運命の人みたいのを本気で考えた。

正しい生き方なんて無いんじゃないか

夕陽と私と彼、地球の裏側で一緒にいた。

流された私、悪なのか？

旅を続けながらも、自分という輪郭と、これからやるべきことへの漠然とした不安に駆られていた私。バックパッカーの私は表面上はきらきらしていて、心の底から旅を楽しんでいるように見えるかもしれない。けれど実際は、旅先でいつも泣いていて、ふとした時に浮かび上がってくる自分のおぼろげな輪郭と無力さと、旅を終えてどうしようという呆然とした未来に思考を巡らせていた。

そこで不意に出会った彼。
色々尽くしてくれる彼を見て、めちゃくちゃ揺らいだ。思っていたより、2ヶ月強の旅で心身が疲弊していたみたい。
じっと私だけのことを見てくれた時。
もういいかなって思えて、全てを受け入れた。

キューバは女性の妊娠年齢が非常に若い。
18-20歳で妊娠するのが一般として認識されているレベルである。
愛に対して非常に奔放な国。
あと先考えない、今を生き抜くエネルギー。それに圧倒された。
彼と彼の家族、親戚友人、みんなが私のことを受け入れてくれた。元々多人種国家だからか、異邦人に対するハードルがびっくりするくらい低い。完全に願っていたような居場所ができてしまったわけである。もういいかって、また思った。
キューバは経済面社会面からもコミュニティの結束力が非常に強い。10代のお母さんが子どもを産んでも、家族親戚地域みんなで育てようとする精神が根づいています。本当に日本の経歴主義とか、核家族といった概念が通用しないわけです。

100%受け入れられたら、溶け込もうとしてしまうのが普通ではないでしょうか。
私は何だかその時人生がものすごく単純に見えてきて、同い年くらいの女の子が赤ん坊を抱えてるのを見ると、いいななんて思い始めたわけです。
自分の立ち位置は何処か、やるべきことは何かと悩んでいることが馬鹿らしく思えてきました。なぜなら、そうやって悩んでいる無力な素の私をそのまま、彼や彼の周りは全部受け入れてくれたから。

＊ある時彼が、「その時君のことを愛してくれる人がいたら、それ以上に何がいるの？」
と言ってきたことがあるんですね＊

確かに一理あるなって思った。今を生きるのが下手くそな私は、今を生きるのが上手な魅力的な男の子に惹きつけられたわけです。

しかしこれに真っ向から否定して、私の目を醒まそうとしてくれたのが、私の日本の友たち。
実は大学以外で知り合ったある心の友には、この恋を応援された。
でも大学つながりの大切な友たちには、紛叫されました笑。

私はそこでまた宙ぶらりん。議題の中心は特に妊娠だったんだけどね。
私の大学の大切な友というのは、自分の軸やキャリアを追いかけている子たち。
自分のために、外側の何かのために、奔走して、考えて、自分の軸を見つけつつある私の大切な友たち。彼女たちから見たら、私は単に自分を掴まえるのを放棄して、甘い方に逃げていった弱いやつだったんですね。
そのうちのひとりが私に一喝してくれました。

「そんなふうに簡単に旅先で流されるなら、もう旅はするな」

私は私に偏った人生でしかない

ぼんやりと痺れた気分。
今思うと何でっていうくらい当時思考が動いていないんですね。そのくらい、自分が未熟だった、そして嬉しかったんだと思います。路頭に迷いすぎてた自分。家族でも友人でも学校でもない、全く新しい居場所を”偶然”にも見つけて、受け入れられて、嬉しかった自分。けれど私の日本にいる大切な人たちは、この”偶然”を偶然ではなく私の”弱さと甘さから流された結果”であると突きつけようとしてくれた。
非常に悩みました。

その後、結局色々あった末に、早めに日本に帰国。彼とは「また後でね！」とキスして遠距離がスタート。

日本に帰ったら平手打ちされたみたいに何もかも夢で終わって、醒めてしまうのではと怖かった。でも実際はそうでもなく、私特有の中途半端に旅から吸収した、ぬるい状態に戻っただけだった。

結局何が正しいのか、悪いのか、わからないままだった。
でも今改めて思うのは、私は私でしかないということ。

20歳を過ぎてから、自分の限界を少しずつ感じるようになった。
子どもの頃、”将来の夢”と言ったら、それは無限だった。
子どもは無限です。宙をふたつの瞳で見上げて、ただ掴もうとしてる。
肉体や理性は精神のあとからついてくるもので、飛んでるみたいだった。
何でもできると本気で思っていた。

でも次第に、上ばかりじゃなく、
下も見るようになった。
自分が飛んでいるのがわかった。
飛ばされていた。

飛ぶにはエネルギーが必要で、
それは親の保護であり、
またこれからの自分の経済力や生命力だ。

宙まで行くのに、
自分のエネルギーが持たない気がした。
次第にどこで着地するか考えるようになった。
宙を見上げてただけなのが、
地上も意識するようになったのである。

伝わるかな笑
今度また図説しますね。

とにかく私が言いたいのは、私は私という入れ物に諦めがついてきたこと。女性としてついに成立した私のこの身体を受け入れる。無限に夢見るのを諦める。次世代のことを考える大人であることを受け入れる。”今”を受け入れなきゃいけない。
”置かれた場所で咲きなさい”じゃないけど、自分は自分の輪郭以上にはできなくて、やろうとしても空回りに終わっちゃうんだなあって。私は私であるが故に、私程度のことしかできないんだろうなあって。

価値観もそう。
みんな違う。ほんっとに考えていること、動作ひとつ、全部違う。
私は私に偏った球体の中にしか居なくて、それは家族も彼も友たちもみんなそう。食い違うし、全人に好かれることも、みんなを守り抜くこともできない。
大切なのは、そうやって誰かが私のことを考えてくれたこと。
彼らが私という存在を捉えてくれたこと、それに感謝しなきゃいけないなあって。
みんな違う人生だから、ないものねだりもできない。何がいいとかわるいとかない。最近はそんなふうに考えてる。

何だかそうやって諦めてから、ちょっぴりだけど、生きやすくなった。

安定か不安定か。

今なお続く闘争心

それでも。
なぜは私はこうやって呟いているのか？
それはまだ私が悩んでいるから。考えたいから。聞いてほしいから。

私はもう着地するべきなのか？
私のエネルギーはもう限界なのか？
我が子を抱え、同じところで日々を繰り返し、
愛に囲まれ愛を育むのか？

ふつふつしているわけです。
願っていた安定の居場所ができた私。おかげで自分の云々としたブレが少し収まった。しかし未だ思うのが宙への憧れ、まだ何か自分のやるべきことがあるんじゃないかと捨てきれない願い。不安定の、死にそうだけど生きてると思うあの感じ。

でも、彼の言葉も引っかかるんですね。
＊愛してくれる人以上に必要なものって何か？＊
私が彼の愛を蹴ってまで、遂に手に入れた第三の居場所を蹴ってまで、不安定なキャリアをひとりで突き進もうとするなら、
その意義とは何か？

偽善じゃないかって思うんですね。
エゴかなって。
これもまた自分の限界値から逃げてるだけじゃないかって。
私に一喝してくれた彼女たちの主張もわかる。
不安定に耐えきれなくて、甘いところに逃げてるだけじゃないかって。

安定と不安定の間で生きていけないか。私は、すべての私の大切な人たちを守れないのか。
考えているわけです。

本当にじっとできなくて笑
何かしたいが常にふつふつしてるんですね。

狭間で揺れる。
価値観に揺れる。宙と地の間で揺れる。
内側と世界の間で揺れる。
理想と現実に揺れる。
私と私の輪郭の間で揺れる。

結局、自分の軸が確立していないことに尽きるのかと。
私は私でしかないことは解った。
でもその私の輪郭が、まだ解らないのである。
相変わらず中途半端、ぼんやり、ぬるま湯の私です。
何かしたいを何ができるかに転換する時なのかなって思います。
挑戦は続けなきゃいけないのかなってね。

以上です（笑）
すみません、だらだらと長くなりました。
それでも書き切れてめっちゃすっきりー✨
読んでくれた皆さま、本当にありがとうございます。私の言葉を捉えてくれたひと。
全ての人に感謝。

〜完？〜