おかしあそび考古学者ヤミラ

お菓子を使って、難しいものと人をやわらかくつなぎます。 縄文・弥生・古墳など、考古学を中心に、ちょっと難しい内容をお菓子に変換して伝える活動をしています。 代表作品は土器片形クッキー「ドッキ―」。考古学の難しい世界をお菓子で伝えていきます。

おかしあそび考古学者ヤミラ

お菓子を使って、難しいものと人をやわらかくつなぎます。 縄文・弥生・古墳など、考古学を中心に、ちょっと難しい内容をお菓子に変換して伝える活動をしています。 代表作品は土器片形クッキー「ドッキ―」。考古学の難しい世界をお菓子で伝えていきます。

最近の記事

AIと作ったオータニサン・クッキー

わたしは、普段いろいろなクッキーを作っているのですが、ふと、AIにレシピを考えてもらったらどうだろう?と思いました。 そこで、話題のテーマの中から、 「大谷翔平選手をテーマにしたクッキーのレシピを考えてみて。」 と、ChatGPTにお願いしてみました。 そうしたところ、いくつかレシピ案を教えてくれました。 今回は、その中から「パワープロテインクッキー(AI命名)」というものを言われた通りに再現してみました。 以下、AIからの指示です。 「パワープロテインクッキー

    • 「土偶ワインボトル説」

      いきなり変わったタイトルをつけてしまいました。 これは、土偶をみんなで見てしゃべる「対話型鑑賞」から生まれた仮説です。 「対話型鑑賞」というのは、主に美術作品を対象とする手法で、複数人で作品を見て、互いに異なる意見を聴きあい、より深く作品を鑑賞していくというプログラムです。美術館を中心に行われています。 さて、今回鑑賞したのはこちらの作品。 作者はとある縄文時代人。 通称、上黒駒土偶といわれています。 (上黒駒というところから出土したものだから) これは何? 何を表

      • 竪穴式住居モンブランで弥生時代の集落をつくる

        史跡公園などにある、縄文時代や弥生時代の復元住居。 「なんかモンブランに似てるな?」 と思ったことがある人もいるでしょう。 そんな思いを表現したく、先日5月18日に、横浜市歴史博物館でこのお菓子を作る参加型のイベントを行いました。 参加者は、小学校中学年を中心にした子どもたちとその保護者、大人の女性の方で、全員で10名でした。 参加費は約3000円と、決して安くはないにも関わらず、たくさんの方が応募してくださいました。(抽選制) 1. こだわった住居構造 プログ

        • ステラおばさんのクッキーを全部食べくらべてみた

          毎月9の付く日は、量り売りクッキーが10枚590円ということで、ステラおばさんの量り売りクッキーを全部買ってきました。 実はずっと昔に一種類食べただけで、ステラおばさんのクッキーの全貌をよく知らなかったのですよね。 せっかくなので、スケッチとコメントを記録しながら実食しました。 以下、一枚ずつ写真入りでご紹介します。 1.オールドファッションシュガー 王道の間違いないバタークッキー。 ステラおばさんのクッキーは全体的にザクボリ系食感のものが多いですね。 2.オレン

          中学生と一緒に土器片クッキー「ドッキー」を本気で作ってみた

          「ドッキーワークショップ」とはなにか?わたしの代名詞的作品、土器片形クッキー「ドッキー」。土器片を模したクッキーのことで、かれこれ10年以上、ドッキーを作るワークショップを全国各地で実施させていただいています。 旧Twitterでバズり、それをきっかけに、博物館や埋蔵文化財センターでのワークショップへとつながっていきました。 バズった当初の流れは以下にまとまっています。 「どちらがホンモノ!? 横浜市歴史博物館でふるまわれた「土器型クッキー」のクオリティがすごい!」 ワ

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          毎日小学生新聞「あそんでたべよう」の連載を終えて

          2022年の4月から、「毎日小学生新聞」で月に一回連載をもたせていただいていただいていましたが、この3月で連載を終了することになりました。 見開きスペースで毎月楽しく企画・執筆をさせていただきました。読者の皆さん、編集部の皆さんに心よりお礼申し上げます。 はじまりはコロナ禍の「おうちじかん」 実は、この連載が始まるきっかけになったのは、実はコロナ禍の緊急事態宣言の、いわゆる「おうちじかん」なんです。 ご近所県域のコンビニやスーパーで手に入るお菓子を組み合わせて、作品を

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          \祝・北陸新幹線延伸/「ストーンパフェ」に小松の石の物語を詰め込む

          北陸新幹線小松駅開業! 2024年3月16日、北陸新幹線の金沢-敦賀駅間が開通した訳ですが、停車駅となった小松駅でも開業お祝いイベントが開催されました。 そこに私も呼んでいただき、小松市の歴史や文化をテーマにしたお菓子作りワークショップの講師として協力させていただきました。 石と小松は切っても切り離せない まずは小松市の弥生土器のかけらと、小松市が誇る重要な石材をお菓子にして展示。この「石」が今回のキーワードです。 実は小松市って様々な石材の産出地として有名で、特に

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          「ウルシングクッキー」で縄文の漆デザイナーになる

          先日、八戸市にある是川縄文館で、またまた考古学をテーマにしたお菓子作りワークショップを実施しました。 是川縄文館って? 是川縄文館についての説明は、以下の通り。 「八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館は、隣接する是川遺跡や風張1遺跡などを通して東北地方の優れた縄文文化を発信し、埋蔵文化財の積極的な公開活用と適切な保存管理を図る施設として建設されました。」(是川縄文館HPより) 主役は国宝「合掌土偶」だが… こちらの是川縄文館でまず外せないのは、風張1遺跡から出土した国

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          厚木の有孔鍔付ドッキー(土器クッキー)と博物館における対話型観察のその後

          2月27日、あつぎ郷土博物館の開館5周年記念イベントのひとつで、講師に呼んでいただきました。 内容は、私の恒例ワークショップ、土器クッキーの「ドッキー」づくりです。 1.厚木市林王子遺跡出土のふしぎ土器 モデルにしたのは、厚木市の林王子遺跡から出土した「有孔鍔付土器(ゆうこうつばつきどき)」(口の部分に穴と鍔のような突起がめぐっている土器)です。 この「有孔鍔付土器」、実はどのように使われたものなのか、研究者の間でも結論が出ていない 謎の土器 なのです。 今回の

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          「ほねっこどうぶつクッキー」をつくろう!〜初めての対話型観察をやってみた〜

          おかしあそび考古学、初めて「動物骨」のお菓子化に挑戦! いつもの「観察→真似する→食べる」を基本とするプログラムですが、今回の個人的な挑戦の目玉は、どう「対話型」の観察にしていくかでした。 結果は、対話型に関しては、あんまりうまくできなかったというのが結論です。 でも、好評いただけたので、失敗のポイントも含めて流れをここにまとめてみます。 実施日は、2023年12月23日。 場所は、沖縄県立博物館・美術館さんです。 わたしは講師として呼んでいただき、内容の企画と組み

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          1500年間の暮らしを詰め込んだ「貝層パフェ」

          青森県七戸町にある「二ツ森貝塚」というところに呼んでいただいて、パフェ作りのワークショップをしました。 二ツ森貝塚は、2021年にユネスコの世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」を構成する遺跡のひとつです。 この貝塚のすごいところは、貝の堆積を順番に観察すると、縄文時代前期〜中期の「海進・海退」という時期をまたがって利用されたことがはっきりわかるところ。 縄文時代には、気候が温暖化して、今よりもずっと内陸まで海が入り込んでいた時期があって、その後にまた寒

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          「チョコスポンジ葺き竪穴住居ケーキ」は燃えるとどうなるか

          お菓子作りを通してガチの考古学研究に触れてみよう!というシリーズの記事を書いてみます。(シリーズと言ってもこれが第一回目です。) 今回扱う論文はこちら。 村本周三・高田和徳・中村明央2006「岩手県御所野遺跡における竪穴住居火災実験」『考古学と自然科学』第53号 →オンラインアクセスはコチラ まずは、この一枚の図面から。 これは何かというと、発掘された縄文時代の竪穴住居跡(上は残っていないので、残存している基礎のみ)の断面図です。 1~3とかかれたところがいろいろな

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