野良カウンセラーに出会って、これなら自分の方がカウンセラーに向いてるんじゃと思った話
世の中には、〇〇カウンセラーみたいな人がたくさんいる。
ある日、なかなか前に進まず悩んでいて、ふと、スキルマッチングサイトのようなところに在籍していたカウンセラーに相談をしてみることにした。
自分もそんなに深刻な悩みではなかったし、ちょっと考えを整理して背中をおしてほしいなと思っていたので、「今すぐ」「お試し価格1000円」で話を聞いてもらえるカウンセラーに申し込んでみた。
今すぐできる人を選んだのは、もうさっさと考えを整理して前に進みたいと思ったからだ。思い立ったが吉日である。
申し込んだ後、その人から事前アンケートとして、いくつかの質問に答えてほしいと言うメッセージが来た。
ひとまず、そこに、今の悩みや問題点、自分の考察、そして目指しているゴールなどを書き込んでみた。書いているうちに、自分でもいろいろ気持ちが整理されてくる。そこを狙ったのか、このカウンセラー、なかなかできるやつ、と期待した。
セッションの時間になり、カウンセラーとズームで挨拶が始まった。通信環境が悪いのか、カウンセラーの顔がビットマップになっている。大丈夫だろうか。
聞こえますか?と聞かれたが、先生の方が心配ですと言いたかったがやめた。無駄な話をしているとどんどん時間になってしまう。
先生は、私が先ほど書いた事前アンケートをゆっくり読み始めた。セッションは1時間しかない。そんなもの先に読んでおいて欲しかった。そんな私のモヤモヤを横に、先生はなるほど、なるほどと本当に今知ったような感じで相槌を打っていた。
ほんと先に読んどいてくれよ。タイムイズMoneyだぜ。
その後先生の自己紹介が始まった。普段私はYouTubeやボイシーを倍速で聞いているのだが、普通のスピードで読まれるとなんて遅いんだろうと感じる。せめてもう少し早口でしゃべってくれたら。ただ、そんなのは私のわがままだ。
自己紹介のことを先生がアイスブレイクと呼んでいたが、アイスブレイクでセッション時間の半分は過ぎてしまった。ブレイクしすぎ。
じゃあセッションしますねということで始まった。30分でできるのだろうか。先生からの質問は10個あると言う話だったが、初っ端から先生は今日は時間がないので、4つまでですねと言い出した。
え!そうなの?
これって全講習の1回目とかそういうことだった?いや、そうではない。これで完結するようなことが売り文句には書いてある。
「思考を整理して、方向性を見つけよう!」
1時間でそれができるんじゃなかったのか!
セッションをなるべく巻きで進めたかったので、かなり早く答えた。
先生は1個1個の質問をそこまで深掘りして、もうほんとになんも出ないんですけどと言うレベルにまで丁寧に聞いてくる。早くしてくれ。
なんだかんだ、もう聞いても、ろくな答え出ねえよってところまで、先生がいろいろ聞いてくるので、セッションを完了させるための10の質問のうち、本当に4つで終わってしまった。
先生が今日は時間がないのでと言い出した。
途中で終わるんだったら、それを書いといて欲しかった。
セッション終了後、先生に言われた。
「いろいろ自分を深掘りしてみることが大切です。これからもぜひやってみてください。」
「先生、私は頭の中に今雑多な考えがたくさんありすぎて、それを思考整理して前に進みたいって最初のアンケートに書いたんですが。。」と私は言い返した。
先生は「あ、、」と気まずそうな顔をして、私の書いたアンケートを見て、そして、「ちょっと内容のマッチングがうまくいってなかったかなぁ。。でも返金がちょっとできなくて」と言ってきた。
私は別に返金がしたかったわけではなく、正直な感想を行っただけだったので、返金とかはどうでもいいです、と返した。先生の大事な時間をいただいたので、返金してほしいとは思っていない。しかも1000円だし。
先生と話していて、私がずいぶん頭に雑多な考えを散らかしていると言う事はわかってはもらえていた。先生は、途中「あまり考えずに、どんどん前に進んでしまう人の方が成功しやすい」と言っていた。私もその通りだと思った。
しかし、最後の最後に、感想はありますかと聞かれたので、私が「先生、私はこの雑多な考えをどうしたら良いのでしょうか?」と質問してみた。。
先生は答えた。「今日僕とやったみたいに、一つ一つの質問を深掘りして考えてみて欲しいです」と。
お前さっき「考えすぎるな」って言ったじゃねーか。
そんなモヤモヤを残し、カウンセリングは終わった。
でも、実はその日、もう1個申し込んでいた。もう一つもお試し価格だったので、1人の先生と会わなかった時に、もう一つ申し込んでいたのだった。時間の無駄かもしれないが、そのぐらい、他人に雑多な思考を整理してもらいたかったのだ。
もう1人の人とは、そういうセッションはなかった。
ほんとに雑談と言う感じだったのだが、私が自分の悩みと目指すゴールを伝えたところ、「じゃあ何がしたいんですか?」と聞かれた。
え、先生、私の悩みから感じ取ったり分析したりしてくれないの?
その後沈黙。
1000円を払ってしまった以上、1時間沈黙してるわけにもいかないので、逆に先生に今のカウンセラー生活をするまでの経緯などを聞いてみた。
先生は、若い頃、病気になり、目指していた仕事ができなくなってしまったという。
それで当時、流行り始めていたビジネスマッチングサイトなどを経由して、ウェブバナーなどを作ったりして収入を得ていたりしたのだが、そもそもウェブの仕事が好きじゃなく、人と話をしている方が好きと気づき、カウンセラーの勉強をして今の仕事に就いたのだと言う。
私は先生にいろいろ質問をしたのだが、先生は、あまりにも、質問と違う答えを返してくる。失礼だが、馬鹿なギャルと話してるような気持ちになった。でも先生は40歳だった。
先生は私のことを、「頭が良くて論理的に話せてすごいですね」と言ってきた。「私はそういうのを苦手で、感情的に話しちゃうんですよね」
私はふと思った。
自分は、仕事柄、企画を考えたり、それを説明したりしなければいけないので、ロジカルに話す訓練はしてきたつもりだ。いや、本当にロジカルに説明できる人にはかなわないけど、でもまぁある程度の事は論理的に説明はできるとは思っている。
でも、2番目の先生は、はっきり言って考え方が浅かった。
1番目の先生なんて、私の要望すら読み取れてなくて(というか読んでなかっただろうお前って感じだったけど。)よくそれで人の話聞こうと思うな・・・と思った。
これだったら、自分がお客さんの話を聞いてあげたほうがまだクオリティーが高いんじゃ?と思った。
でも、ふと思った。
この2人の頭の悪そうな先生は、それなりに評判を得ている。
良いレビューもたくさんあった。
じゃあ、質問する顧客が浅くて薄っぺらい答えに納得してしまうようなさらに薄っぺらい人だったのだろうか。
それもあるかもしれないが、1番は、そのクオリティーでも世にカウンセラーですと公表できる行動力が金を産んでいるのだ。
なるほど、なるほど。そう納得することにした。
1人目の先生が言っていた、何かをやるときはあんまり考えちゃいけない。
それこそが真理なのだ。
何か商品を提供するものにとって、それが顧客に正しい効果をもたらすかどうかと言うのは、問われない商品と言うのは割と多いなぁと思う。
例えば、何とかスクール。
スクールに通えば資格が取れたり、新たな仕事につながったりすると思われる。
でも、実際は、仕事を取るには、また別の要素も必要になってくる。
具体的に言うと、資格=商品に販売部門と営業部門をつけないと、ものと言うのは売れないからだ。
でも、世の中のスクールは商品さえあればうまくいくと言う中途半端な設計に基づいているので、その先は保証されていない。
他にも、問題、解決商品、例えば匂いを消しますみたいなものだって、消えないことだって多い。
これで痩せますと言う商品で、痩せた人はどれぐらい色だろう。
でも〇〇しますと言うキャッチフレーズに、人は夢を見る。
お客様に〇〇することが大事なわけではないのだ。
夢を見せることが大事なのだ。
ふと、そんなことを学んで、2000円払ってよかったなぁと思った私だった。
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