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【2017.01.22】大雨、ALDI、スコセッシの沈黙(1,682)

起床時間も遅かった為、食事の支度と風呂掃除以外の事にやる気が起きず、優先的に片付けないとならない一仕事を終えてから、サンリオのチャンネルで烈子なんかを適当に見ていたら、午前中がアッと言う間に過ぎてしまったが、日曜はこんなもんか。

もっとも、雨の降りが終日、激しかったので、お昼を摂ってから、家から3マイル(約5km)の場所にある「ALDI」というスーパーへ。

ここは支店がLAの南東側に集中しているので、私が過去に住んでいたエリアではほとんど見なかったが、ウチの近所も例に漏れず、どの支店も評判が良いので試しに寄ってみたら、確かに新鮮な商品を手頃な値段で扱っている上に、レジのスピードも早かった。おまけに巨大なプラザ内にあるので、駐車もラク。

ウチの近所にあるスーパーはこれで一通り寄ってみたが、アルディはその中でも、優先順位的に上になるだろうな。

しかし長年、自炊をしていると、コッチでの肉の値段の相場がほとんど頭に入ってしまう。たとえば鶏のモモ肉はポンド(約450g)平均$1.49ぐらい、豚のロースは$1.99を超えると高い、赤味90%の牛挽肉はポンド$3.99なら買い処、との具合に。

コッチの肉類はそれこそ3~4ポンド、日本だと1kgを余裕で超える量をパッキングして売っているので、それらを買ってきたらまず食べる分だけを切り取って、残りは冷凍、というやり方に自然となってくる。

一番使い勝手が良いのが、豚のロース肉。生姜焼きやニンニク炒め、トンカツと、あらゆるレシピに対応できる。次点は、唐揚げ作りに適していることから、鶏のモモ肉。

大雨ゆえに何か良い時間潰しは無いかと考え、アルディと同じプラザ内のAMCのラインナップを眺めたらその中にスコセッシ版遠藤周作「沈黙」があったので、そういえば隣人が昨日、これを見て感想を長々書いていたし、3時間近い長さでも丁度良いと思い、せっかくだから観ておく。

派手なBGMも劇的な場面展開も無く(バチカンのラジオでスコセッシ監督が語っているが、劇伴では無く自然の音を前面に出したのは、作品名とリンクさせるため)、セリフだけで淡々と話しが進んで行くが、まあスコセッシらしさも満載で、前触れなく飛び出す拷問シーンや残虐シーン(文字通り首チョンパ)にはやたらと気合いが入っており、小説や歴史の教科書の中でしかこれまで知る事が出来なかった、当時の日本の、隠れキリシタンへの無残な仕打ちが、圧倒的な説得力を持った画で、真正面から迫ってくる。

アメージングなピーター・パーカーのイメージを打ち消す勢いで苦悶の表情に終始するアンドリュー・ガーフィールドの視点から、日本のダークサイドをここぞとばかりに見せつけられ、ある意味で観客も水責め気分を味わえる、重い長編だった。確かにこれは、アメリカ人客に紛れて日本人が観に行くと、とても居心地が悪い。

また、カイロ・レン役で一般層への人気が爆発したアダム・ドライバーはここでも、登場回数は少ないが印象強く、美味しい役所を演じていた。この人の、モディリアーニの絵画みたいな細長い顔が、17世紀の日本という世界観に妙にハマってる。彼が主演で、現在限定公開の「Paterson」も、パサデナのインディ系シアターで丁度いまラインナップに組まれているから、月末に郵便を取りに行く際にでも、観ておくか。リーアム・ニーソンはまあ、いつもの「あの御方は」役。

スコセッシの作品群を学生の頃から沢山観ている身としては、宮崎監督とたった1歳違いの今の彼がいかにも撮りそうな、年齢相応の円熟味に溢れた面白さを堪能できたし、それこそ今作との比較対象は、過去作を踏襲しつつ深く潜り込む所は潜り込み、若い視聴者をビビらせる刺激に溢れたものを今の時代でも投げてこられる意味で、バーホーベン監督の「Elle」だろうな。

アカデミー賞候補になりそうな作品であと観ていないのは、イザベル・ユーパートのもう一つの主演作「Things to Come(L'avenir)」ぐらいか。24日の火曜日に候補が発表されるので、そっちの方も注目したところ

思いついた事をあれこれ書いているうちに適度な文章量になってきたので、ここで今日は〆。