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【3,008】12.14.2016:歯医者の予約、ダイエット・シリア、ブラッド・マウンテン

今年の歯科保険が切れる前に、歯医者に行ってデンタル・クリーニングをしてきなさいと、妻から命令される。

まるで母親に叱られる子供みたいな気分だったが、そういえば行くのをすっかり忘れていた。

妻が加入している歯科保険に私も、結婚している事から入れさせてもらっているが、年内中に歯医者に行かないと、毎月$20ほど家族名義で余分に払っている額が無駄になる、との事。

なので、10amの開業時間を待ってから、すぐに電話を入れる。

ダウンタウン隣の中華街にある、妻が行きつけの歯医者なので、電話で妻の名前を言ったら、向こうの手配も早かった。来週水曜の朝が最速の空きだったので、そこに入れてもらうこと。

というか、中国人経営にも関わらず、レセプションが綺麗な英語を話して、私の生年月日や氏名をもきちんとメモしてくれた事に驚いた。この手の移民が経営している医者はレセプションがまともに英語を話せない、というのも少なくないし、さらに私の氏名にはSとTとUが入っていて、これがまたアメリカ人相手にロクに苗字を発音してもらえないものだから、それをしっかり発音されたのは、地味に嬉しかった。

正直、私は自分の苗字が嫌いなので、仕事相手以外ならば、他人を呼ぶ時も常に下の名前だし、逆にその方が、若い生徒さんたちから親しまれやすかったりもする。その話しは長くなるので、ひとまず置いておいて。

午後から外出をすべく、午前中の間に、押し寄せてきた仕事をひとつづつ淡々と片付ける。

作業中は基本、意識をそっちに集中させるようにするが、意識が途切れるとつい、別のウェブブラウザに目をやってしまったりするもので、こういう時ほど「(1)Twitter」がある意味で目に猛毒なのを思い知る。別に急いで「1件の新着ツイートを表示」を押さなくとも、とは思いつつも、すぐ手の届く場所に未知の情報が、と言う妙な焦燥感を煽られるからか。

午後から外出したいと思ったのは、明日と明後日は雨が派手に降ると聞いており、その程度がトップニュースになるのが、年がら年中日照りなロサンゼルス近郊という気がせんでもないが、でも雨の日は心理的に外出したくなくなる事もあるから。

冷蔵庫の中を見たら、卵がもう1個しか残ってないし、長ネギも切らしたし、タマネギやニンジンなども足りない。

よってお昼から外出。出かけに、フォロワーの1人がオンラインに投げ込んでいた「What's happening in Syria?」という記事が丁度のタイミングで目に入ったので、それを印刷して、電車の中で読む。

あの国の内紛は正直、誰が何で戦ってどこに巻き込まれているのかがいまひとつ把握できてなかったので、「How did it all start?」や「Who are the rebel fighters?」のように短い見出しとセンテンスで纏め上げたBBCのこの記事は、非常に分かり易い。もうそれこそ、個人的な教材として使えると思った程。ってか、やたら難しく書かれている日本語の記事を懸命に読むよりも、コッチ読んだ方が理解が早いよ。

シリアを扱ったギリギリのギャグだと、以前ジョン・オリヴァがトルコを形容したときに「a.k.a. Diet Syria」と言っていて、まあ確かに今のトルコはクーデターが起こったりa medieval cult of assassinsがペンシルヴェニアに亡命していたりと、でもシリアほどの紛争地帯では無いから、まあカロリー抜きのダイエッてかロゴの再限度、やべぇ

またBGM用に、そういえばシリアに語感が近いだけで国自体がそもそも違うシベリアからあれこれ連想して「Siberian Divide」って好きな曲があったなと思い出し、えらく久々にマストドン(Mastodon)の「Blood Mountain」をiPodに放り込む。聞くの、何年ぶりだ!?

これが10年前の音、という感じが全然しないが、それまでハードコアでアンダーグラウンドだったバンドが本気でメジャー進出すべく、広義的な意味でのロックの分野に踏み込んで、その遷移がとても巧く行った稀有な例として、今でも強く印象に残っている。物語性をきちんと持った世界観だからこそ、原始人の叫びみたいな歌声も、非常に活きていると私は思う。この辺の、生粋のアメリカ人による、アメリカ的な寓話の面白さは、2016年内に出たアルバムの中でも個人的に特に気に入ったコバルトに通ずるトコあるのよね。北欧のバイキング伝説みたいと言うか、野蛮な連中と大自然との闘い、みたいな。

マストドンはデビュー仕立てでいきなり、爆発力を伴ったゴリゴリの音を叩きつけてきたものだから、バンドメンバーの過去の経歴がそのままアップデートされている鮮烈な印象を、最初から受けたものだ。冒頭で飛び出すジュラシックパークからのサンプリングが、あまりにもハマりすぎ、というか。

続く2作目も、メルヴィルの白鯨を主要テーマにしたその名も「Leviathan」という、まあインパクトの強い作品だった。文学ハードコアを、文字通り、地で進んでいた感がある。

上記のブラッドマウンテンは、そのリバイアサンに続く3作目で、当時のオンライン・メディアもかなり好意的にプッシュしていたのをよく覚えているし、実際、幅広い認知を得たバンドの成長記録としては、鳴らしている音も含めて物凄くストレートな軌跡だと、今でも思う。

コンサートは正直、ドラムのひとが飛び抜けて巧かったのと、ボーカルの声がスタジオ録音よりも迫力に欠けていたのもあって、誰かの前座で30分程度を聞くにはいいかもしれない、という印象しか残らなかったが、私が観たのは9年ぐらい前だし、最近のこのバンドはスタジオ録音でもどんどんユルい演奏と楽曲になっているから、コンサートの方が逆に昔よりも面白いかもしれない

マストドンは一時期凄く好きなバンドだったのであれこれ余計な筆が走ってしまったが。

まあ彼らが影響を強く受けたバンドのひとつと言えば、最近メディア露出にもかなり精を出している、メタリカで。

そういえば仕事中に聞いていたKROQの朝のトーク番組で、彼らの隠れた傑作曲のひとつ「Don't Tread on Me」のイントロはウェストサイド・ストーリーの「America」のメロディをそのまま弾いている、というネタが語られていて、20年以上前に初めてこの曲を聞いた時から今に至るまで全く気付かなかった自分もマヌケだが、良く考えたらウェストサイド・ストーリーを通して観た事がまだ一度も無かったので(部分的に切り取られた映像は良く見た)、これを機会にフルで観ようと調べたら、1961年製作で152分もの長編との事から、まあ先送りになるだろうな。メタリカの曲の元ネタが今頃になって分かっただけ、ヨシとしたい。ってかその前に、今のウチの近所のコロラド・ブリッジが撮影場所に使われている事から、急に「La La Land」を観たくなったし、ミュージカルならそっち優先したい。

ってかララランドで検索かけたら、みんな同じ事を考えているのかロケ地を特定した記事がもうアップされていて、もうロサンゼルスの住民があれを視聴後に聖地巡礼しろやと言わんばかりだ。

本当に雑記状態で思いついたままに日本語を綴っていたら、ちょうど夕食時になったので(最近はこの文章を書き始めるのが6pm頃なので、夕食の支度を含めた7pmぐらいには、自分の頭の中にある事柄は吐き出せている)、LA Weeklyのライター視点による2016年度のホラー映画特集(それぞれの作品を観る視点と説明がユニークで面白い)と、昨晩のレイトショーのオープニングでチャーリー・ブラウンのクリスマスが1分程の短さでも器用に料理されていたのを最後に触れておき、文字カウントをして、後は「公開設定」ボタンからオンラインに投げ込む事にする。