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映画『ボレロ 永遠の旋律』を見て

公開中のフランス映画『ボレロ 永遠の旋律』を見ました。

時間があったので久々に映画を見たいなと思い、ふらっと映画館に入りました。

ハリウッド映画のように途中の盛り上がりやハッピーエンドはなく、また見終わったあとの爽快感はなく、考えさせられる映画でした。

曲名や作曲者を知らなくても誰もが聞いたことのある曲『ボレロ』を作曲したモーリス・ラヴェルの生涯を描いた作品です。

音楽を愛し続け、何度もコンクールに挑戦したが、それでも周囲に認められなかった悔しさ。
愛する母親に期待されつつも期待に応えられなかった悲しさ。
生涯愛する女性が既婚者で、お互いが惹かれ合っているにも関わらず、音楽以上の愛を注ぎきれなかった切なさ。
大作を期待されて一小節も生み出せなかった苦悩の日々。
それらの苦しみを経て『ボレロ』は世に出されました。

『ボレロ』が大好評を得てもなお、今度は『ボレロ』に苦しまされます。
その旋律が頭から離れられなくなるのです。
そこからもラヴェルの苦悩は続きます。

この映画を見終わって、ラヴェルは果たして幸せだったのだろうか、と考えました。
ラヴェルは、『ひまわり』の名画を残したゴッホの生涯と重なる部分があるのではないか、と感じました。
偉大なる芸術家は闇の部分が大きく、それゆえに名作を生み出していくのか、と思いました。

これだけ多くの人々に愛される作品を作ったのだから、天国で誇らしく幸せに感じてほしいなと、心から思いました。

最後までお読み頂きありがとうございます!



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