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4Cups®心育てメソッド教育実践コラム:4Cups式幼稚園『なかよしブダペスト』のお話

この記事は、「4Cups®心育てメソッド」開発者の佐野友美(さのゆみ)さんが「理想の教育を実現する場」として設立した4Cups®式幼稚園『なかよしブダペスト』で働いていたの先生へのインタビューをまとめた記事です。

ゲスト:中野明日香さん
福岡県出身、ハンガリー在住20年以上。なかよしプロジェクト設立の幼稚園【なかよしブダペスト】での勤務を経て、現在はブダペストにあるインターナショナル幼稚園で大人気の先生として活躍中。

聞き手:ましまかなこ

佐野友美(さのゆみ)さんとの出会い

――今回はハンガリーからゲストをお迎えしています。簡単に自己紹介をよろしくお願いいたします。

中野明日香(なかのあすか)です。ハンガリー人夫と息子の三人家族で、出身は福岡県です。1999年に日本を出て、オーストラリアに1年半滞在し、オーストラリアで夫と知り合い、ハンガリーの首都ブダペストに移住しました。

――明日香さんが佐野友美(さのゆみ)さん【なかよしプロジェクト代表】と出会ったのは、いつごろのことですか?

2003年、ハンガリーに移住した後のことです。当時、私が働いていたブダペスト日本人学校の一室で友美先生が子育て講座を開いていらして、そこで初めてご挨拶をしました。
当時、友美先生は、ブダペストで日本人のための幼稚園『なかよしブダペスト(通称:なかよし幼稚園)』を開校しており、その様子が『ハンガリージャーナル』という雑誌で、特集されていました。

その後、私は息子を出産し、日本人学校には戻らず『なかよし幼稚園』で働かせていただくこととなりました。今思えば、本当に楽しい思い出ばかりです。

ブダペスト、ドナウ河に佇む国会議事堂

ーー『なかよし幼稚園』は、どんなところでしたか?

『なかよし幼稚園』は、ブダペスト老舗のインターナショナル幼稚園と提携して運営しており、「保育室の中では日本語で日本の教育ができ、外遊びや特別活動では、英語で現地のクラスとの触れ合いができる」のが特徴でした。
ですから、友美先生を含めた数名の日本人スタッフの他に、ハンガリー人ダンサーが毎週金曜日のダンス体操を担当したり、毎日の午後の活動では欧米人の先生方が英語やアート、スイミングをしたりと、さまざまな国籍の先生が携わっていました。スタッフの数がとても多く「チームで育てる」を大切にしていました。
通っていた子どもは満3歳から就学前の子どもの「縦割り混合クラス」でした。

保育室入口には、ひとりでもすぐ遊べる小さなおもちゃが。それは、緊張している子も居場所を感じられる、ちょっとした工夫。

『なかよし幼稚園』は、駐在や大使館関係でハンガリーに来た方が通っていました。内容が良いということで人気の園で、ウェイティングリストにはたくさん名前が入っていたので、すぐに入園できるような幼稚園ではありませんでした。

――友美さんの教えが、本当に良かったということですよね。

まず、そこにいる子たちの目の輝きが違いました

―ー親御さんも友美さんの影響を受けて穏やかになったりするのですか?

子どもが異国の地に来て環境が変わると、いろいろな面で落ち着かなくなります。海外に住み始めると、大人でも精神的に不安定な状態になってしまいますし、これまで問題行動がなかった子でも、急に問題を起こすこともあります。ときには、お母さんが心配しすぎることもあります。

でも、友美先生が「大丈夫」といえば、本当に大丈夫になるのです!ですから、安心して送り出すことができますし、お子さまも喜んで幼稚園に行くようになります。私から見て、自分の子どもが変わっていく姿を見ていくお父さん、お母さんの友美先生に対する信頼度は絶大なもので、不満を聞いたことは一度もありませんでした。(入園初日にしてびっくりの変化❗️園児のまっちゃんのお話はこちら👇)

友美先生の素晴らしいところは、子どもを子どもとして扱わないところです。
最初はいやいや登園しても「今日はそういう気分じゃないのね」「明日は来れるかな?明日来てね。すごく待っているからね」などと、慈愛に満ちた言葉で語りかけるのです。
子ども達も「気にかけてもらえている」という気持ちを得ると同時に、「信じてもらえている」いう思いを抱いていた様に思いました。
そういう姿を横で眺めながら、友美先生の凛とした、ぶれない姿勢や信念を感じていました。

『3匹のやぎのがらがらどん』の橋を渡る遊びをするあすか先生。ゆみせんせい手作りの「なかよし」の看板や木の家具が、温かい雰囲気ですね!


――噂を聞いて入るような、人気の幼稚園だったのですね。聞いている限りでは、子どもをひとりの人間として、大人も子どもも変わらない位置で見ている姿を思い浮かべました。この当時も、すでに4Cups®の理論も実践されていたのですか?

『なかよし幼稚園』は、友美先生が4Cups®の理論を日本の教育に導入する実践をされていた園で、子どもの心が元気になる「しかけ」がたくさんされていました。

例えば、「お絵かき」の活動。
みんなで同じ画用紙、同じクレヨンセットで、一緒にお絵描きをするのが当たり前の園が多い中、『なかよし幼稚園』では、さまざまな大きさの画用紙やいろいろな種類のペンや絵の具、色鉛筆を、保育室に常設していました。あえて選択肢を多くして、その中から子どもたちの意思で選べるように工夫していました。紙も上質の大きな色画用紙が豊富に準備されており、ペンも12色よりは24色、36色。
選択肢を広げることで、子どもの自由な発想を引き出し、考える力も育ってくるのではないかと思います。

子どもの可能性・創造性は、小さな枠には収まらない!子どもの自由な発想を引き出すための「しかけ」が緻密にほどこされています。


――自分で考えて、自分で選ぶという感じですね。

想像力もつきます。画用紙イコールこのサイズ、ではないのです。大きな絵を描きたい日もあれば、小さい絵を描きたい日もあります。それを、日々子どもたちが自分で選択できるようにしています。
小さいものよりは、大きいものを準備していました。大きいものを用意しておけば、小さいものを作ろうとした時に、「切ればいい」「折ればいい」などの選択肢が発生します。子どもたちが工夫できるようになります。
発想を転換させるということですよね。
そんな風に、お絵描きという活動ひとつとっても、子どもがどんどん伸びるようなしかけをしていました。

みんなで昆虫の世界を共同創造中。文字通り「なかよし」ですね。


――子どものいい部分を伸ばしていくことが得意なのですね。正解、不正解ではなく、それぞれの伸ばせるところを伸ばしてあげたい、というように感じました。

なかよし幼稚園に行った初日に、片付けをきちんとやってる子ども達をみて、「すごいな、えらいな」と思ったんです。でもゆみ先生は「当たり前の事だよ!」って言っていました。子どもが主体的に自由に生活できる場では、「片付けしなさい」と言われなくても、子どもが自分で考えて、主体的に動けるようになるのだと。

一見「自由」に見える保育の中には、友美先生の計画があり、子どもの力が伸びるような「しかけ」が、たくさんされていたと思います。

お正月はカルタづくり。自分やお友達が登場する面白いカルタづくりを通して、自然にひらがなを覚え、字も絵も読み上げも上手になっていきます
オリジナルカルタ誕生〜❗️ひとり一枚もらって色塗りしながら「たっくんタコと踊ってる」って、🎶覚えちゃいすね!


――『なかよし幼稚園』が一般的な幼・保育園と違うところがあったら、ぜひ教えてください。

例えば、『なかよし幼稚園』ならではの行事があり、一般の幼保育園には当たり前にあるのに『なかよし幼稚園』にはない行事がありました。

『なかよし幼稚園』で一番印象的だったのは、お誕生日会

『なかよし幼稚園』一番印象的だったのは、お誕生日会です。
『なかよし幼稚園』では、「お誕生日の子どもが欲しいものをみんなで手作りしてあげる」という、心のこもった行事がありました。

例えば、ぬいぐるみが欲しい子には、完成図をあらかじめ描いてもらい、その絵にそっくりなぬいぐるみになるよう、子どもと一緒に心を込めて手作りしました。布や綿を買ってきて、全員で少しずつ役割分担をしてみんなで作るのです。

欲しいと願って描いたものが、みんなの力で現実になる体験です✨自信や希望、愛されているという感覚で満たされます
プレゼント作りを通して、ミシンなどの新しいことへも挑戦✨可能性は無限大に広がるのです
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心を込めてお友達の顔を描くプレゼントも!《心の4大栄養素》がどんどんたまるしくみです


誕生日当日は、お父さんやお母さんに来てもらい、その子の誕生ストーリーを語っていただきます。その時の、子どもたちの嬉しそうな顔が印象的でした。誕生日は自分が主役。そのために家族がわざわざ来てくれるわけです。

また、誕生日会では必ず、その子のリクエストの「お料理」をしました。クッキーを作りたいといったら、みんなでクッキーを作ります。ワッフル、巻き寿司、べっこう飴…。誕生児のリクエストがどんどん叶えられていきました。

Sくんは「海の生物クッキー」をリクエスト。「みたらし団子」「自分でトッピングできるワッフル」も人気でした!

こうして、心づくしでクラスみんなで誕生日をお祝いし、子どもや親の4Cups®(心の栄養素)を満たしながら、自分を出す「プレゼン能力」も、創造力も存分に育っていく。そんな会でした。

大好きなみんなの前で、大好きなお母さんが、ぼくの誕生ストーリーを語っている「自分の存在価値」をしみじみと感じられる✨


一般の幼稚園ではよくあるはずの「あれ」がない

一方、『なかよし幼稚園』では、お遊戯会を一切しません。
日本であれば、クリスマス会や発表会を必ずやります。お父さん、お母さんがいる時に、前に出ると急に緊張する子、嫌だと泣く子など出てきます。そんな時、「この前はできなかったけど、今回できてすばらしいね」となるのが、日本の幼稚園だと思います。

そんな中、友美先生は、“見せる目的で計画された発表会はしない。でも、子どもから「誰かに見せたい!」という気持ちが湧き出る活動ならば、親を招待して子どもの姿を見てもらう”という考えのもと、動いています。
お遊戯会とかそういうイベントって、どちらかと言うと親御さんのためだと思うのですが、ゆみ先生は常に「子どものため」を一番に考えていたのが、すごかったです。

――お遊戯会は気を遣いますよね。配役でもめたり、衣装は園の先生が総出で全員分作ったりしているのは、見ていて大変そうでした。そういうことよりも、誕生日はその子にとってのスペシャルな日なので、主役の子に寄り添って、やりたいことをみんなが全力でやろうというのは、とても素晴らしい試みですよね。

なかよし幼稚園にいたとき、無駄な日はゼロでした。友美先生が全てにおいてとにかく全力で取り組む方でした。これは、あたりまえのようでなかなかできないことです。

ブダペスト近郊の森で開いた小さな展覧会。森のどこかに自分の作品をみつけて、うれしそうに急いで親を呼ぶ子ども達

《心の4大栄養素》はあなたの人生にどのような影響を与えましたか?

――ぜひ、『なかよし幼稚園』の現場に行ってみたかったです。明日香さんは4Cups®学びが長いとのことですが、《心の4大栄養素》は、明日香さんの人生にどのような影響を与えましたか。

そもそも、友美先生と知り合えたご縁が一番です。人生においての師匠であり、目標というとおこがましいのですが、出会っていろいろな人に恵まれたなかで、友美先生は光る存在です。友美先生に出会えたから今につながっています。

10年以上前にも、ハンガリーで4Cups®のセミナーを受けさせてもらったことがあります。その時は自分の子どもが小さかったから、「こういう問題行動がある裏には、こういうことがあるな」と思いながらセミナーを受けていました。
今は、自分自身を見ながら「なるほど」と思っています。「こういうときにはこういうコップがたまっていない」「そういえば息子もそうだな」と、客観的に見ている自分がいます。

――いろいろな視点から見ることができるから、自分を客観視できると思いますが、いかがですか。

自分の生い立ちについても、「ここではこういう気持ちで満たされていた」という風に、いろいろな見方をすることができるようになりました。毎回、気づきの場になっています。4Cups®の講義は、「なるほどな」と、腑に落ちる状態になります。

――4Cups®の理論は、「子育て向け」と思われがちですが、現場の教師や会社員、スポーツの世界にまで幅広く使えますね。どこを切り取っても4つの栄養素として理論づけることができ、客観視することができるので、心に元気がないときのアプローチの仕方や、セルフコントロールのしかたなど、さまざまなシーンで使うことができるところがいいですよね。

4Cups®の理論は年齢に関係なく使えるので、子育てだけでなく、人間関係における全てにおいて、いろいろな場面を改めて俯瞰した目で見ることができ、「これは自分が悪かったかな」「そうだよね」ということを、その都度感じています。


自分次第で人生は変わる…どんどんチャレンジしてほしい

――あすかさん、ハンガリーでの豊富で貴重な経験談をお聞かせくださり、ありがとうございます!では最後に、皆様に向けて、ひとことメッセージをお願いします。

もし、4Cups®を学びたい、なかよしプロジェクトの仲間になりたいという方がいたら、ぜひそうしていただきたいと思います。損することは全くありません。経験や知識が絶対に糧(かて)になると思いますし、無駄なことは一切ありません。

4Cups®のコースを受けた際、腑に落ちたのは『The Creative Force』の「遺伝というレンガと環境というセメントで、どんな家を建てるのか」という部分でした。生まれ持ったものをどう使うかはその人次第ですし、どんな選択をするかで人は変わります。

そもそも幼少期の自分は消極的でおとなしく、いい子でいないと不安でした。幼い時に両親が離婚したのですが、当時は小学校のなかでお父さんがいないのは自分一人という状況でした。恥ずかしくて、悲しくて、引け目を感じながら育ち、周りが常にうらやましかったです。親には強がってかげで妹をいじめている子でした。

学生時代は陸上競技にうちこみ、進学して体育の免許を取りました。そこでもいい先生との出会いがあり、記録が伸び、全国大会にも出るところまでいきました。
20歳の時、右も左も何もわからない状態で海外に出たのも、後悔したくない気持ちが強くありました。そこでのいい出会いがありました。

子ども時代が不運だからだめだ、ということはありません。お母さんがいない子だったとしてもそれは彼らのせいではないし、その子次第でどうにでも変わります。だからどんどんチャレンジしてみて、合わなかったときにはやめればいいと思います。チャンスをつかまないのはもったいないですし、迷いがあるようなら、とりあえずやっておけばいいと思います!

――前向きなあすかさんのお話で、読んでいる方の心にも元気がたまりそうですね!今日はいろいろお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。
とても楽しかったです。

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