読書の記録 3月

 月末がやってきました。3月末ということで2020年度も終わり、明日から新年度ですね!春休みなんてものはなく寧ろ緊急事態宣言が解けてお客様が多くて忙しい日々が続いている今日この頃です・・・。というわけで今月はなかなか読書が進まず、3冊でした。

①大作曲家たちの履歴書 上(2009年 三枝成彰著 中公文庫)

 先日北九州市の響ホールで金子三勇士さんのピアノリサイタルを聴きに行くにあたって、少しは勉強しておこうと思い読んでみました。ピアノを再開して初めて弾いたのが『エリーゼのために』だったし、去年生誕250周年という事もあってベートーベンのところは結構深く読みましたが、それにしてもどの人物も奇人変人揃いで・・・。失礼しました(笑)

 日本だと江戸時代の太平の世。それに比較するとヨーロッパは戦争なども起きており、時代時代の背景が音楽に色濃く投影されていることもよく分かりました。クラシックも私のレパートリーの取り入れられるとよいのですがなかなか難易度高いですね(泣)

②心淋し川(2020年 西條奈加著 集英社)

 先月の芥川賞作品に続き、第164回直木三十五賞受賞作品を読みました。歴史小説でべらんめえ調ながら現代小説のような感じです。私には『推し燃ゆ』よりこちらの方がもともと興味があった作品でした。心川(心淋し川)のそば、「心町」の人々の複雑な心情をうまく表現しているとは思いつつ、時間が進んだり戻ったりするので時系列を整理して読み直してみたいなあと思いつつという具合でした。差配さんと楡爺の話が好きでした。時代的には歴代の作曲家たちと同じころですね。何となく不思議です。

③君に読ませたいミステリがあるんだ(2020年 東川篤哉著 実業之日本社)

 『謎解きはディナーのあとで』の作家さんの新作だったことは読了の後に気付きました・・・。何となく表紙につられて久しぶりに読んだ推理小説でした。水崎アンナ第2文芸部長のキャラがどうにもあの涼宮ハルヒに重なる部分を感じずにはいられないのはさておき、アマチュア作家が書いてる前提とは言えトリックの複雑さとかはあまりなく気づいたら事件解決に至っているという印象でした。最後の事件は結構本格的に探偵らしく、捜査から推理までしっかりしていたのですが、最後の文芸部長のデレの空振りはちょっと可哀想だなと思いました。

 


 ここまで読んでいただいてありがとうございました。先々月読んだ『愛されても別に』が第42回吉川栄治文学新人賞を受賞しました。武田綾乃先生、おめでとうございます!世間的には作者の加藤シゲアキ先生がジャニーズアイドルであり、各書店的にも本屋大賞にノミネートされていることもあって『オルタネート』が話題になっていましたが、私的には『響け!ユーフォニアム』以来武田先生の作品に触れ続けてきたので、こちらの授賞の方が大ニュースでした。『オルタネート』も手元にあるので4月の第1冊として読みたいと思います。来月もお愉しみに!

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弓葉響(ゆみのはひびき)
面白いアニメ聖地があれば教えてください。読者様がお望みでしたら、どこでも駆けつけ取材したいと思います。