2023年12月議会 一般質問① 学級閉鎖における児童受入れ対応について
こんにちは、高槻市議会議員の西村ゆみです。
2023年12月議会より学級閉鎖における児童受け入れ対応について一般質問をしております。
1つ目 学級閉鎖における児童受入れ対応について
<私の質問>
高槻市には2023年10月以降、インフルエンザによる学級閉鎖が相次いで発生しました。
高槻市では学級閉鎖の目安を設けており、コロナの場合、1クラスに15%以上、インフルエンザの場合、1クラス20%以上となっています。
事前に保健給食課でお聞きした情報では、10月は46クラスの小学校が学級閉鎖、11月は104クラス、12月8日の地点で36クラスの学級閉鎖が発生しています。
学級閉鎖になりますと、突然、「明日から3日間閉鎖となります」とメールが学校から送ら れてきます。
子供を感染症から守る措置ではあると理解することはできますが、インフルエンザなどに罹患していないお子さんに対して、休校時の対応に悩む共働き世帯、シングルマザーやファーザー、障害児を育てている家族などの悲痛の声が届いています。
ある小学校に通っている複数人のお母さんにアンケートを取った結果、以下のようなコメントがありました。
A さん:私はシングルマザーで時給勤務の仕事をしています。学級閉鎖の際は、同居してい る母が仕事から帰ってくるまでの時間を、別の人にお願いをしたため、経済的に大打撃でし た。現在補償制度はあるものの現実問題補償に対するハードルが高い。とはいえ、まだ 1 人 で家に居させる不安は尽きません。
B さん:私は美容関係の仕事をしています。そのため学級閉鎖になるとお客様に予約の変更 をお願いしています。快く変更して下さる方ばかりではなく、お断りされることもあります。 近くに祖父母はいますが祖父母も仕事をしています。小さい赤ちゃんの時は病児保育がありましたが、小学校にはありません。仕事の確保と育児のバランスに焦る気持ちとの闘いです。
Cさん: 私の子供は発達障害があります。先日の学級閉鎖の際、私が頼まれていた大事なプレゼンをせねばならず絶対に会社に行かねばなりませんでした。娘は障害があり、長時間一人で留守番が難しく、ママ友に頼めません。結果、泣く泣く会社に連れていきました。幸い、周りは理解がありましたが一部の社員から迷惑がられてしまいました。結局外出しているのであれば、感染症予防も何もないと思います。
D さん: 私は要介護認定を受けている義父の在宅介護をしています。身体的にも精神的に も負担が大きいです。突然の学級閉鎖に伴い、朝から介護をしながら、もしかしたらクラス ではやっている感染症がこれから発症するかもしれない娘と義父と同じ空間にいてはいけ ないと、まだ小1の娘を隔離せねばなりません。最低限しか部屋からでることができない 娘の対応に疲労困憊でした。
などアンケートをお願いしたところ「経済的打撃」や「代替性が不可」の方々から複数の意 見をもらいました。
学童に預けている親御さんの属性を大きく分けると①正規雇用、②非正規雇用、③雇用関係がない自営業や個人事業主、または家族介護や妊婦さんと分類することができます。
複数の学童に伺ったところエリアにより誤差はあるため推定となりますが、①の正規雇用は約60%②の非正規が30%④の雇用関係のないは割合は10%です。
アンケート内で、特に、学童保育を切望されている方々は、非正規雇用と雇用関係のない40パーセントの方々でした。
非正規の方々は、子育中により戦力外とみなされ、次回の契約更新では雇用を打ち切られるかもしれない不安や、日々の生活費を稼ぐので精一杯と生活不安が大きい現状があります。
ママさんの中には、どうしても仕事にいかねばならず、小学校1年生の子供を一人残して仕事へ行く事があった。子供は泣いてベランダで叫んでいたとの声もあり、強く学童保育を希望しています。
雇用関係のない方々は、休むと国からの補償はないことに加え、顧客との信頼関係を損なうことにもなりかねない。介護されている方々は身体的にも肉体的にも打撃が大きい、前日にヘルパー手配は不可能とし、強く学童保育を希望しています。
高槻の学童に預けているお子さんの数は3794人います。非正規・雇用関係のない方々の人数は推定1515人います。
これだけ困っている方々がいる中でも、我が子がどれだけ元気な状態であったとしても高槻では学童も、放課後デイサービスも預けることはできません。
他を頼りたくても、祖父母は遠方、ベビーシッターは費用面で諦めざるを得ない家庭も多く、小学生までを対象とした保育サービス提供している民間の会社も非常に少ないのが実態です。さらに障害児に関しては「ケアの方法が分からない」と断られてしまいます。
これから寒い季節に突入することから、さらに予期せぬ学級閉鎖が続く可能性も考えられ ます。私には目が見えない障害のある娘がいます。もしも学級閉鎖が起こった当日、議会で採決する大事な日に、娘がり患していなくても、私は欠席しなければならないのでしょうか?
そこで質問です。
学級閉鎖が起こった際、保育を希望する人、経済的に困る親や家庭、障害児を持つ家庭、自宅介護をしている家庭など自宅で隔離できない家庭に対して、例えば陰性証明があれば、学童開放など預かってくれるような環境を高槻市で提供することはできないのでしょうか?
<役所側からの回答>
学級閉鎖に関するご質問にお答えします。市立小中学校における学級閉鎖につきましては、学校保健安全法に基づき、感染症特有の潜伏機関を考慮し、学校内における感染拡大防止のため実施しております。そのような趣旨のもと、閉鎖期間中の児童生徒におきましては発症の有無と問わず家庭内で安静に過ごしながら健康観察をするようお願いしているところであり、一時的に学校内でお預かりすることは感染防止の観点から困難であると認識しております。
<2回目の質問>
感染拡大防止の観点から困難であるとのことですが、他市では学級閉鎖中でも、罹患していないお子さんを預かる自治体が増えています。お隣の枚方市にお聞きした際、小学生であれば有償でファミリーサポートサービスセンターが預かってくれます。東京都23区では図書室、学童は 解放され受け皿になっています。「子供を家に閉じ込めておかなくてよかった」と声があがっています。高槻市の子育て支援として整備をしてくれませんか?
<役所側からの回答>
2問目のご質問に答弁いたします。ファミリーサポートセンターをご利用の場合、依頼会員として登録されている方であれば利用可能となっております。 また、学童保育につきましては、学校保健安全法に基づく学級閉鎖の趣旨を踏まえると、学校と同様に、発症の有無を問わず学級閉鎖期間中の児童をお預かりすることは、感染拡大防止の観点から困難であると認識しております。
<最後の要望・意見>
ありがとうございます。高槻ファミリーサポートセンターでは罹患していないお子さんの預かりが利用可能であることを初めて知りました。今回のアンケートで複数人のお母さんに聞きましたがみな、ファミリーサポートセンターは知っていますが、そのセンターが学級閉鎖で罹患していないお子さんの対応をしてくれる受け皿があることを誰も知りませんでした。そのため多くの市民は知らないと思います。ぜひ高槻市でもっと告知の周知徹底をしてください。ニーズの高いサービスなため、もう一歩踏み込んだ施策を求めます。
感染症まん延防止の観点から学級閉鎖の制度の必要性は子どもの安全のためには必要であることは理解しています。
しかしこの学級閉鎖の制度は明治の時代から始まっています。時代的に、学級閉鎖しても専業主婦が主流の時代では、生活に大きな影響はなかったと思います。
厚生労働省が2019年に発表した「国民生活基礎調査」において、18歳未満の子供を育てるワーキングマザーの割合は72.4%です。その内訳は正規職員が37.8%、非正規が26.2%、その他8.5%です。
これだけ共働きで働いている人が増えているにも関わらず、学級閉鎖による子どもの在宅看護を前日夕方に通知されても、今後の仕事に一切影響がなく経済的負担がないという社会では、このような課題は発生しないでしょう。 しかしその社会の整備には長期間かかるでしょう。
共働き世帯の「学級閉鎖」と「仕事の両立」というのは、今、目の前の課題なのです。 COVID19のまん延で、どれだけの家庭が仕事に影響がありましたか?失職した人も多くいませんか?母親が「安心して働けること」に不安がある高槻市で本当にいいのでしょうか? 現在高槻市は、令和2年度の10月1日現在の国勢調査によると、12歳未満を育てる世帯が2万1千528世帯と大変多くの子育て世帯が住んでいます。
そんな子育て世帯が多い高槻市にて、「学校と同様に困難である」と高槻市の見解を聞いて、高槻市で第二子、第三子を産もう、子供をもうけたいと思うのでしょうか?
または、これから結婚する若者が、同じ職場で働いて大変そうな働くお母さんたちを見て、「私も生みたい」と思うのでしょうか? 私は高槻市における学級閉鎖に対する「整備するのは難しい」という答えは、まるでチャイルドペナルティであると感じます。
チャイルドペナルティとは、子どもを持つことによって生じる社会的・経済的に不利な状況を指します。別名「マザーフッドペナルティ」とも呼ばれ、母親がこうした状況に陥る可能性が高いこと示しています。日本では「子育て罰」とも訳され、広い概念で子育て世代に「罰」を与えるかのような社会の価値観、政策、企業慣行等を含む場合もあります。
学級閉鎖は仕方がないことなのだ、家族で見ることであると、この問題を「仕方がないこと」であり、家族で見ることは「平等」なのだという考えこそ、経済的な問題に直面するお母さんお父さんや代替性不可側の仕事をしている立場の方々にとって、まるで「罰」であるかのように感じます。 チャイルドペナルティを感じるような街のままで、高槻は本当にいいのでしょうか? これが高槻市の少子化の原因の1つと思いませんか?もっと生みたい、子供がたくさんいても住みやすい街にならなければ、高槻市が次世代の住みやすい街に発展するのは難しいのではないでしょうか?
ぜひ考えていただけるようお願い申し上げます。
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以下は述べていないのですが・・・最後に言いたかった言葉です
これは教育委員会だけの問題ではありません。これは子育て支援です。 市として全体的に取り組む課題ではないでしょうか。 最初から完璧な支援はありません。できるところから始めて下さい。そして、できない理由を考えるのではなく、できる方法を考える高槻市であってほしいです。 宜しくお願い申し上げます。
ご意見やご質問等ありましたら公式ラインよりぜひお問い合わせください