対談企画 第11回目 生き渋り、不登校、子どもを信じる親の会 フィーカ代表 吉田都さんと語る必要な支援について
こんにちは
高槻市議会議員の西村ゆみです。
ボイシーでいろんな方と対談をしております。
→こちら
発信しました内容、耳が不自由な方にも読んで頂きたいので、noteからも同時に発信しております。
※一部視覚で読みやすいように、表現を訂正しております。
西村:今日のゲストは、行き渋り、不登校、子供を信じる親の会、フィーカ代表の吉田都さんにお越しいただきましたよろしくお願いします。吉田さん自己紹介をお願いいたします。
吉田さん:行き渋り、不登校、子供を信じる親のフィーカ代表の吉田都です。フィーカは2021年の1月に元不登校の子の親と、渦中の親とで立ち上げたボランティア団体、親の会です。
西村:このボランティア団体を吉田さんが立ち上げようと思ったきっかけはありますか?
吉田さん:きっかけはですね、子供が3人いるんですが、3人ともみんな不登校の経験者です。まず長女が中三のときに急に学校に行けなくなりました。玄関先で泣いて動けなくなってってしまって・・・。
今長女は大学生なんですけど、長女が中三の時点で、不登校が社会的に取り上げられてたときでした。「学校に行きなさい」とか言ってはいけないなと思い、その日は休ませたんですけど、それが続くんですね・・・。
来る日も来る日も、やっぱり行けない状況が続いて、どうしようと思ったときに長女の幼稚園時代からのママ友に、今こんな状態になってるねん・・・という相談をしたら、知り合いで同じような状況の方々いて、そのまま繋いでもらって、すぐ話を聞きましょう!!という感じでその方が話を聞いてくださったんです。
一時間ぐらいずっとそれだけだったんですけど、だいぶ気持ちが救われました。その方のお子さんが不登校だったときに、親の会ではないけど同じ境遇の親同士でちょっと集まってやってたらしく、立ち上げてみようと思ったのがきっかけです。
西村:やはり・・親同士が話ができる場所は少ないですか?
吉田さん:専門家に相談できる場所は教育センターか、あとはカンガルーの部屋とかはあります。
ただ私は親同士、経験者同士、話をしたかった!
そうなると親の会かなと思うんですね。高槻には親の会などなかったので、立ち上げに当たってネットとかで調べました。大阪の南の阪南町で親の会があって、オンラインとかされていたので、先にちょっと繋がらせてもらって、2・3時間かけて実際お会いしに行きました。
堺市や豊中市のフリースクール、高槻市内のフリースクールをされているの保護者の会みたいなものにもいろいろ参加しました。
西村:子どもの事を考えると、できることは全部やらないと!と思って動きますよね。
吉田さん:そうですね。いろいろこうやったらいいよ、とか、みんなにいろいろアドバイスをいただいて、実際にフィーカを立ち上げました。
ちょうど2021年1月頃、コロナ真っ只中でした。
西村:そこから今ちょうど約3年経ち、皆さんどういうご相談が多いですか?
吉田さん:やっぱり・・・もうどう対応していいかわからないとか、あと学校とどう関わったらいいかとかが多いです。また、お家でどうしてるんですか?とか、お仕事とかどうされてますとか?が多いですね。
皆さん集まって、このしたらいいとよとか、ああいうふうにやってるのか、など、お互いお話していく中で発見とかがあります。
最初は軽く自己紹介から始めていくんですけど、ちょっと名札というか、名前も、ニックネームで呼ばれたい呼び方で札立ててみたいな感じです。
自己紹介で1間1時間とか経ってる時があります。
西村:すごく分かります。子供の将来がどうなるんだろうか?同じ状況の方じゃないとわからない事って多いと思います。
この時どうしてる?みたいな話は、聞きたいし、共有したいです。
同じ方に出会ったら、わかり合えたみたいな気持ちになり話は尽きないと思います。
吉田さん:最初はオンラインもやってるので、オンラインで顔出しをせずに耳だけ参加みたいな方も、実際はリアルで来られた方もいらっしゃっいます。無理なく、耳だけの参加でいいですよから、普通にみんな喋ってる!
西村:そうですよね・・・しかもとフィーカさんは月1回のオンライン対面の中でも、同じ立場の方だからこそ話し合える部分がたくさんあると思います。
次のチャプターでさらにお話を聞いていきたいと思います。
****************************
西村:高槻市の小・中学生は今2万9495人いまして、令和4年度の時点で、不登校の人数が714人でした。全体に見たら2.6%なんですけども714人の人数は平成30年と比べると2.3倍増加しています。小学校1年生から中学3年生までの不登校の人数も学年が上がるにつれてどんどん右肩上がりの状態になってまして、このような現状を踏まえてですね、吉田さんが思う必要な支援って何だと思いますか?
吉田さん:そうですね、やっぱり保護者支援や親支援が一番大事かなって思いますね。まずは自宅で安心して子供が過ごせるように・・・を思うと、親がその子供が不登校状態になって学校に行けていない状態にあるから不安だけになってると思います。親の不安を少しでも減らしてほしい。保護者が安心できる支援が一番大事なのかなと思います
西村:保護者が相談できる場所は少ないですか?
吉田さん:相談できる場所はあるにはあるんですが・・・先ほど話した教育センターやカンガルーの森とか、あと各学校にスクールカウンセラーさんも来られているんでそこで予約をして話すとかですが・・・・まず、そういう相談場所があること自体、自分で調べないと、行きつかないというか繋がらないっていう現状はありますね。
西村:なるほど。確かにもし私の子供が不登校になったら、まずどこに相談に行けばいいかとなると・・担任の先生くらいしか思いつかないのですが、その後どうしたらいいんのでしょうか?
吉田さん:担任の先生もあまりご存知ないかもしれません・・・。今はインターネットとかがあるんのでそれで調べてフィーカに繋がってくださる方もいます。だけど、なかなか学校からこういうとこに行かれてはみてはどうか?はないですね・・・・
西村:つまり・・親の情報収集力と行動力次第ということでしょうか?
吉田さん:はいそうです。情報収集できる方は繋がっていきますが、できない方はどんどん孤立してしまいます。学校とのやり取りだけで、かなり追い詰められてっていう方も、多いと思います・・・・
西村:そういう方はフィーカさんに相談に行かれてもいいですか?
吉田さん:もちろん繋がっていただけたらと思います。
お話をみんなで共有できます。けれど、中にはフィーカに相談へ行こうと思うまで1年かかりましたっていう人もいます。
情報は得ていたけれど、自分の気持ちが落ちすぎて辛くて、家でもずっと子供と泣いてしまった・・という方もいます
西村:そうなんですね・・フリースクールに通う、各中学校の心の教室に通う、エスペランサに通う方はすごく少なく、自宅でちょっと過ごしている方が圧倒的に多いです・・・
そうなると、ほとんど繋がってないけど、学習面も含めと考えると、何か支援があったらいいなと思います。例えば、勉強面というところだけ考えると、オンライン学習環境はやはり必要ですよね?
吉田さん:学校でも今のところ、オンライン授業をしますと動いて下さいますが、まず子供がそういう気持ちになるかどうかですよね。かなり・・・もうしんどい状態になって休んでいるので、その後の「なぜそうなったのか?」その状況の背景には、いじめとかもあるかもしれない。だから心のケアがすごく大事です。
西村:確かに大事ですね。子供の心のケアってどうしてるんですか?
吉田さん:子供が元気になるまで、子供を信じて親は見守るしかないと思います。
西村:ちょっと詳しく聞きたいので次のチャプターに移ります
***************************
西村:吉田さん、子供の心を守るために、社会ができることって何だと思いますか?
吉田さん:そうですね。私一番下の子供が、今小学校5年生でダウン症があって知的が最重度なんです。その子すら学校に行けなくなったんです。小学校3年生の終わり頃から、そのときにどこにも行く場所がなくなってしまって。デイサービスですがちょっとしんどくなってしいまいました。支援学校への編入なんかも考えたりもしたときがあったんですけど、それすらなんか編入もやっぱ難しいということで、ちょうどなんかそんな頃に高槻でインクルーシブ教育についての講演会がありまして参加しました。
そのインクルーシブ教育をお考える会に関わるようになって、インクルーシブ教育のいいところが、みんな一緒にちょっと支援を入れながら学ぶ、小さい頃からいろんな子が周りにいるのでみんなで助け合うそことを学んでいけることです。
西村;多分、今のインクルーシブ教育の文脈の中におそらく不登校のお子さんって入ってるのでしょうか?
障害のある・特性のある方とかも含めてのインクルーシブだと思います。
学校に行くことができない行きたくても行けない方も含めて考えていかないといけません。お互いが優しい社会になってほしいなと思うので、幼い頃からインクルーシブの場って大事ですよね。
では吉田さん、最後の質問になるんですけど、何を解決したら、最終的に何か優しい社会に繋がっていくと思いますか?
吉田さん;親も学校もみんな忙しすぎて他に構ってられないっていうか、本当に何か不登校になったとしても、割となんか他人事というか、全てにおいて何かいろんなことが自分事として考えられなくなってるぐらいみんな疲れてると感じます。なので、どうしたらいいんでしょうね。
西村;尼崎市さんに勉強会へ行きました。そちらに参加したときに、先生がおっしゃってた言葉が印象的でした。子供は大人の鏡であって、子供が生きづらい社会ってのは大人の生きづらいし、大人が生きづらい社会というのは、子どもも生きづらい。
今こうやって不登校が増えているのが現状である以上、やっぱり大人も含めて、生きづらさって今キーワードとして多くのメディアとかも取り上げています。これやったら解決する!みたいな正解は存在はしないとは思うので、これからも考え続けていきます。
最後に吉田さん何か言いたい事ありますか?
吉田さん;今のままだったら、不登校はもう、どんどんどんどん増えていく一方だと思うんです。教育の抜本的な改革がなされない限り、なかなか難しいと思うんです。不登校になってる親御さんから何かを声を上げられたら、既に何十万人にもいるので、みんなで何かできそうな気がするんですけどね。
西村;今、悩まれてる方がいらっしゃったらぜひフィーカさんに問い合わせをして繋がって頂きたいと思います!
本日はありがとうございました。
この記事関するお問合せはこちら