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第27回 顔のシミを消す方法

2024年

健康と美容、栄養、ウェルエイジングを専門としている内科美容皮膚科医 中島由美です。

気づいたら顔のこんなところにシミが…という体験ありませんか?
徐々にできてくるシミ、急に現れてくるシミ。シミにも色々な種類があります。
今回はシミの種類やその対応方法についてお話ししようと思います。

①老人性色素斑
シミの中で最も多いのが「老人性色素斑」です。紫外線が原因であることから「日光性色素斑」とも呼ばれます。色は薄褐色~濃褐色で、境界明瞭、米粒大~数cmのものまであります。「老人性」という病名がついていますが、30代~60代に多く見られ、早い方では20代からもみられることがあります。紫外線が原因のため、顔の中でも紫外線を受けやすい頬骨あたりに見られることが多いです。
対策はまず紫外線予防です。
1年中日焼け止めをしっかり塗ることが大切です。(冬でも、曇りの日でも)SPF50がお勧めですが、肌の弱い方はSPF30でも良いので毎日日焼け止めを塗りましょう。
紫外線の強い夏では、塗る日焼け止めを塗り直ししたり、飲む日焼け止めを併用するなど紫外線対策を強化しましょう。
できてしまったシミは早いうちにクリニックで相談されることをおすすめします。ハイドロキノン(美白塗り薬)でメラニンを産生するメラノサイトの数を減らしたり、レチノイン酸で肌のターンオーバーを促していくこともあります。肝斑がなければ光治療(フォト)、レーザー治療などその方に合わせた治療を選んでくれると思います。

②そばかす(雀卵斑)
「そばかす」は茶色の小さな斑点が鼻、頬周り、肩、腕にいくつも見られます。このタイプは遺伝性のことが多く幼少期から発生しますが、紫外線で悪化し春~夏に色が濃くなることがあります。思春期に濃くなり、50代以降に薄くなることが多いと言われています。
対策は、やはり紫外線予防です。日焼けしないように日頃から気をつけましょう。
クリニックでは光治療(フォト)、レーザー治療などが適応となります。

③肝斑
「肝斑」は、30代~50代の女性に多く見られ、薄褐色~濃褐色で境界がはっきりせずモヤモヤと広がるシミです。頬だけでなく、鼻の下、額、口周りにまで左右対称に見られることもあります。女性ホルモンと関係していますので、更年期、妊娠中、ピルを内服していると発症します。閉経後は目立たなくなることが多いです。また、紫外線や摩擦(洗顔やスキンケア時)が悪化要因であることがわかっています。
対策は、紫外線と摩擦を極力避けること、保湿、美白内服薬です。美白内服薬はいくつかありますが代表的なものをご紹介します。「トラネキサム酸」は、シミの原因になるメラニン色素の生成を抑え、炎症を抑えて色素沈着を防ぐ作用があります。「ビタミンC」は、抗酸化作用とメラニン生成抑制による美白効果や、コラーゲン生成により肌にハリ・ツヤを与えることができます。「ユベラ」はビタミンEで、血行促進作用によりお肌のターンオーバーが促進され、メラニン色素が排出されることでシミが薄くなります。当院ではこの3種類を併用して1日3回内服するようお勧めしています。早い方で4週間から効果が現れますが、内服を中止すると肝斑が再発するので注意が必要です。

④ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
「ADM」は、頬骨を中心に褐色または青みがかった色をしており、あざのようなシミです。他のシミよりもメラノサイトが皮膚の深いところ(真皮)にあるのでやや青みがかって見えます。(刺青も真皮内に色素を入れるので青みがかっていますね)
発症のメカニズムはまだはっきりとはわかっていません。
対策は他のシミと同様、紫外線予防、摩擦を避ける、保湿となります。真皮の治療となるのでクリニックではレーザー治療となります。

シミで悩んでいる方は、実際には種類の異なるシミを併発していることが多いです。自己判断でケアを行い、間違ったケア方法によってシミが悪化してしまうことがあります。本格的にシミ治療をしたい場合はクリニックで医師に相談すると良いでしょう。


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