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汚されるための清純じゃないわ

誰からどう思われてもいい、声を上げなくては、と思った。から書く。

殺意を抱いている男がこの世に1人だけ居るので、もし私が自死する事を決めたら、そいつ殺してから死のうかなって。

私は1度、精神的に死んだ。忘れもしない2015年の8月5日。21歳になる3日前だった。馬鹿みたいに暑い日。中野駅から徒歩5分、弊社所有の、マンションの1室。
上司であり社長。元々は私が通っていた専門学校の講師。既婚者、当時5歳くらいになる娘さんも居てさ。良く言えばガタイが良い、悪く言えばデブ。どうやら、学生時代はラグビーをやってたそうで。美醜的には醜い方なんじゃないですかね。少なくとも私のタイプではない。熊みたいな人だった。柳真努加(敬称略)って人なんですけどね。早稲田大卒で頭が良くて、人としては尊敬していたけど、男性としては全く意識していなかったし、別に私から性的に誘惑するような事も一切してなかったと思う。
それまでも何回か身体を求められる事はあったんだけど、何故だかそれはプライベートの域だと割り切れた。知らない世界を見せてあげると言われて連れて行かれた場所は新宿のハプニングバーと呼ばれる場所だったり、休憩と称してバリアンというラブホなのかコンセプトホテルなのかよう分からん所に連れて行かれたり、証拠さえあれば、今ならちゃんと訴えたら勝てるような事も散々されたけど、なぜかそれまでは許容出来たんだ。

真夏日、私は当時働いていた会社が所有するマンションの1室を掃除していた。Airbnbが流行り始めていて、まだ定義が曖昧でグレーゾーンだった時。個人じゃなく会社でAirbnbやってたんすよ。
宿泊客が帰って、午後2時くらいだったかな、私は1人で部屋の掃除やらベッドメイキングやらをしてたの。ワンルームだけど、ちょっと広めな部屋だからさ、女1人だと結構な重労働で。上司に進捗報告して、「俺もこれから行けそうだから手伝うよ」って。程なくして上司は車で到着した。
まぁ途中までは2人で普通に片付けしてたんです。ゴミまとめて、シーツ類替えて、掃除機かけて。
もう何がキッカケになったかも分からないし、思い出したくもないんだけど、気付いたらそういう雰囲気になってて。ベッドは綺麗にしたばかりだったとかで、床で致したんですよ。
職務中に行為を迫られる、ずっと"女"として見られていたという屈辱と、でも上司だし何も言えない自分の弱さと、床の硬さや痛さが、全部全部相まって、最中本気で涙が出そうになった。でも絶対にこの場では泣いてやるものか。お前は和姦だと思って出し入れしてんだろうよ、こちとらの受け取り方は間違いなくこれは強姦で、悔しさで涙が溢れそうで、下唇思いっきり噛んで、絶対に泣くものかと我慢しながら受け入れてたんだ。死んでも忘れない、忘れてやらない。

しかもだ。上司は車で来ていたので、帰路が一緒の地点まで送ってもらったのだが、車内で言われた一言がさらに私の屈辱感を増長させた。
「これ、もしお前訴えたら勝てるよな笑」
ヘラヘラ笑いながらよ、そっちは冗談のつもりかもしれないがこっちは大真面目だぞ、訴えていいなら訴えたかった。もう6年も経ってしまって、何ひとつ証拠もないので泣き寝入りなんですけどね。日が翳り始めていた、あの西日と幹線道路の光景は忘れない。せめて社会的に死んでくれよな。

ちょうどその頃、超歌手の大森靖子ちゃんが「マジックミラー」という曲を出しましてね。
歌詞の全てに共感したのだが、特段、その時の私に刺さった歌詞が「汚されるための清純じゃないわ」というフレーズ。
家に帰って、近所迷惑も顧みず、わんわんと泣きながらマジックミラーを大熱唱した。私の清純は、お前みたいな性欲に忠実な猿に汚されるためのものではない、常々忘れてくれるなよ。
その後ね、すっごい自責した。女として産まれてきた自分の身体を呪った。私は女だから、穴を有しているから。犯される私が悪い。その上、私は顔も程々に可愛いし。上京してきたばかりで、隙だらけだったかもしれない。人間としてはその上司の事を尊敬していたから、「慕っています」オーラが勘違いさせてしまったかな、とかね。私は何ひとつ悪くないと今なら分かるけど、当時は本気で「自分のせいだ」と思っていた。

その上司が経験人数としては2人目だったの。1人目は高校生の時に付き合ってた当時の彼氏でさ。何回か致したけど、ずっと"気持ちいい"より"痛い"が勝る行為のまま、彼とは別れてしまった。痛かったよ、でもまあ優しかったし、合意の上だし、初体験をちゃんと好きな男と出来たのは良かった。
その次にした男がその上司でさ。そこで「セックス、全然気持ちよくも楽しくもないな、むしろ苦痛だわ」という認識を決定的にしてしまった。そこから私の貞操観念はぶっ壊れて、自分の体に価値を見出せなくて、来るもの拒まずで、セフレがいた時期もあったけど、なーんにも楽しくなかった。行為に慣れると痛さはあんまり無くなってきたんだけど、やっぱり気持ちいいって感覚は皆無で、でもなんか、私濡れやすいんですよね。キスだけで全然濡れる。多分これ、身体の防衛反応と言うか、これから棒が入ってくる事が分かりきってるから水分量多めにして備えてるんだと思う。私の場合は「快感=濡れる」ではないんですよ、でもまあ、事情を何も知らない男共には「エッチな子だねぇ」とか言われて、「あーはいはい、そうっすねー」って心の中で「こいつマジで言ってんのか、そんなに自分のテクに自信でもおありで?マジでウケますね〜」って、嘲笑ってた。
あのね、今まで私と致した事のある男性諸君、私の行為中の喘ぎ声とか、苦しいけど気持ちいいみたいな表情、あれ99%演技ですからね?勘違いなさらないように。動いてればそりゃ頬も上気しますし、とろんとした目も行為の雰囲気に酔っているだけです。行為中の私は、意識的にここの筋肉に力を入れようとか、次はこんな声を出そうだとか死ぬほど理性的に考えて立ち回っているの。全部演技よ、どうですか?割と女優じゃありませんでした?それとも演技って気付かれてたかしら。

すごく、話が下品な方向に寄りましたね。失敬。
こんな事、気のおけない友人や、恋人、ましてや両親になんて絶対に"直接"言えっこないでしょ。でもインターネットには吐き出せるの、不思議ね、インターネットは宇宙みたいで、日々ゴミみてぇな情報が莫大な量追加されていくから、こんな末端も末端、誰からも見られてないだろうし、良いかなって。でもTwitterで「この記事書いたよ」って共有しちゃうあたり、誰かしらには読んで、知って欲しいんでしょうね、私のドロドロとした心の内を。あーら、未熟で可愛いとこもあるのね、ゆみちゃんは。そろそろ、報われたいね。

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ゆみ
ニートなのでサポートして頂けたらご飯を買ったり家賃を払いたいと思います。