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エッセイ#168 - 庭の草刈り

草が生い茂っていた庭を、最近シルバーの草刈りのおじさんが来てきれいにしてくれた。ものの数時間でこれだけスッキリするんだから、プロってすごいなぁと思う。母曰く、もう何度もお世話になっているおじさんだそうだ。今回は3人でやって来て、そのベテランのおじさんをリーダーに作業をしてくれたらしい。

作業に来る前に、草を捨てるためのゴミ袋を用意しておくように言われて、母は10枚入りの大きなゴミ袋を3つも買ってきた。母は何かにつけて心配性なのだ。当日、そのゴミ袋とペットボトルのドリンク類を置いて母は用事があって出掛けていたのだけど、おじさん達の作業中に帰宅した。心配性の母は、刈った草の山を見て「ゴミ袋は足りますか?」とそこにいたおじさんに聞いたらしい。初めて見る、新人のおじさんだった。その新人のおじさんが、「うーん足りんかもなぁ……」と曖昧な返事をしたので、途中で足りなくなったら困ると思って母はさらにもう10枚、ゴミ袋を買ってきた。でも、戻ってくると事の顛末を聞いたリーダーのおじさんに、全然足りると言われたそうだ。わざわざ買いに行ってくれて、申し訳なかったとリーダーのおじさんは母に謝った。新人のおじさんは、それを見てバツの悪そうな顔をしていたと母は私に笑って話す。

いや、新人が謝れ、そもそも不明な時点でリーダーに聞いて答えろ、と私も笑ってしまったが、まぁいちいち目くじらを立てる程の事ではないだろう。どうせ余ったゴミ袋はこれからも使えるし。私は寝て起きたら庭がすっかりきれいになっているのだから、感謝するだけだ。

草が生い茂って隠れていた辺りの壁に、みのむしを見つけた。家の周りを一周したら、10匹くらいいた。安全だと思って隠れていただろうに、急に丸見えにされたみのみしをちょっと気の毒に思った。でも、人間にとっては大いに快適な庭になった。

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