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果てしなき想像力

長男の通う幼稚園は、遊んで遊んで遊びまくる幼稚園だ。
遊びまくるが、遊具は少ない。
砂場・屋根付き網ネット付き滑り台(もちろん階段もついている)・ブランコ・鉄棒・よくわからない、おそらくおままごと用の小さな小屋・大きな桜の木に括りつけられたロープブランコのみである。
なので、遊びまくるには子供たちと先生たちの想像力と制作力にかかっている。
教室の中を街に見立ててお店や病院、洞窟を作ったり、共有スペースの広めのテラスには寝台列車まで作ってしまう。(もちろん、発車ベルとマイク付きだ)
雨どいを繋げて繋げて水を流し、そこへ雑草を流す“流しそうめんごっこ”。
お泊り会では、砂場を掘って掘って掘りまくって、ブルーシートを被せてウォータースライダー付きの温泉まで作ってしまった。
巨大ピタゴラスイッチに、お手製なんちゃって自動販売機までも作る。
なんという想像力かと、毎回驚いてしまう。

そんな中でも1年中、いや、おそらく長年愛用されているものがある。

「段ボール電車」

である。

段ボールの底を開けただけの簡単なつくりだが、これはかなりの万能おもちゃである。
普段の遊びに取り入れられることは当たり前、ぐずったり、ヘソを曲げて頑なになった子も、これを使えばなんのその。
さっきまでのぐずりは何だったのかというくらい、すんなりと事が運ぶようになる。
しかも、底を抜かない、引張ひもがついた貨物タイプのものまであるため、もっとご機嫌に事が運ぶのだ。
この電車のために、幼稚園中の廊下にはガムテープで線路が作られ、100均で買ってきたであろうタッチライトにカラーフィルムを貼って、信号付きの踏切までも登場する。

こんな感じで、ほぼ毎日幼稚園の中が変わっていくため、保護者も職員室へ向かう事が楽しくなるのだ。

想像力がものを言う幼稚園で過ごす工作好きな長男は、かなり触発されているようで、作って作って作りまくり、他の子は学期末に1回持ち帰る量で済む工作量が、学期末を待たずに2~3回持ち帰って、家で盛大なお披露目パーティーをしてくれる。
もちろん、長男の工作力は留まることを知らず、家でも作りまくっている。

果てしなき想像力。

果てしなき工作力。

留まることを知らない、無限の素晴らしき世界である。




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