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Wi-Fiを知らなかった私が、オンラインでピアノを教えるまで4 (レッスン編)

いよいよレッスン開始!

さあ、レッスン開始です。やっとここまで辿りつきました。
私の場合、最初は上手く行かないこともあるので、生徒さんにお願いして2回ほど無料で練習台になって頂きました。

案の定、画面の切り替えが上手く行かなかったり、カメラのアングルが悪くてよく見えなかったりと課題が色々出て来たので、完全移行する前に修正しました。リハーサルは、最低一度はやっておくことをおすすめします。

開始の手順
1. タブレットでZoomミーティングを開催する
2. スマホから参加する(生徒さんも参加してくる)
3. 参加承認する
4. ミーティングのロック

1. タブレットでZoomミーティングを開催する

・生徒さんに招待メールを送り、参加してもらいます。
・自分のスマホ(スマートフォン)宛てにも招待メールを送ります。

手順は↓のリンクをご覧ください(マイカさん、ありがとうございます)

2. スマホから参加する
先ほど自分で送った招待メールのリンクをタップし、ミーティングに参加します。

手順は↓のリンクをご覧ください

スマホは、設定を以下のようにしてください。

・ビデオはON
・オーディオはOFF

・「ビデオの開始」マークをタップしてONに
・「オーディオに接続」(ヘッドフォンのマーク)は触らずにそのままにしておく


これでOKです。

マイクをOFFにする理由は「ハウリング」を防ぐためです。レッスン中に端末同士が近くに置かれていると、「ピーッ」とか「ホワンホワン」のような不快音が鳴ります。「ハウリング」と呼ばれる現象ですが、どちらかの端末の音声を切っておけば、防げます。

3. 参加承認する
生徒さんと自分のスマホが参加承認を求めてきます。承認ボタンを押して会議に参加してもらいます。

4. ミーティングのロック
全員入ってきたら、ミーティングにロックをかけます。こうすると招待者以外の人は、会議に入れなくなります。

画面下の

詳細(・・・マーク)→セキュリティ→ミーティングのロック(下写真一番上)をON

これでロックがかかりました。まずは「こんにちは(^^)」とあいさつしながら音声をチェック。音がちゃんと聞こえたら、そのままレッスンに入ります。

うまく行かない時は↓のリンクをご覧ください

楽譜上で位置を示す

さて、生徒さんがピアノを弾き始めました。

(あれ、音が違うな・・・)「ちょっとストップ」

楽譜上で「ここ」と場所を指す時にはどうしたらよいでしょうか。

対面レッスンでは譜面を指させば済みますが、離れているとできません。そういう時は合唱の先生がやるように「上から2段目の左から3小節目」などと口頭で伝えます。そのために、お互い同じ楽譜を手元に用意しておきます。

楽譜のユニバーサルな仕様には感心します。離れていても場所を数字で正確に伝えられるのですから。オンライン時代でも問題なく機能しています。

ただし、生徒さんがよく弾けた時に「2段目左から3小節目の3拍目がよかった」という褒め方は喜ばれません。こういう時は後から「さっきのトゥララー♪の所がよかったよ!」などとメロディーで伝えた方が良いですね。

ちなみに、オンラインでは相手に音声が届くまで1秒程度のタイムラグが生じます。そのため演奏中に「オーケー!」などと声かけをすると変な所で声が届いてしまい、生徒さんがビックリして手を止めてしまうことがあります。

そういう時は、良い感じで弾いているなと思ったら少し早めに

「そーーーうです!」

とやや長めに声かけをしてタイミングを合わせたりしています。

スマホを使って鍵盤を見せる

「そこは♭ソと♭シ」

生徒さんがどの鍵盤を押さえるのか分からない時や聴音の答え合わせをする時。鍵盤上でキーの位置を見せたいですね。

そういう時は「スポットライトビデオ」機能を使って、スマホの画面に切り替えます。

Zoomは、誰かがしゃべると自動的に話者の画面に切り替わります。音が出ている人の画面を映すようになっているのです。

けれども「スポットライトビデオ」機能を使うと、特定の画面を固定で表示できます。鍵盤の画面に固定すれば、生徒さんと同じ画面を一緒に見ながら話ができるのです。
手順は

参加者→参加者名をタップ→ビデオをスポットライト(下写真:上から3行目)→閉じる


生徒さんからはこんな風に見えます

スマホを動かして手を見せる

手の形を見せたい時は、スマホをホルダーから外して手元を映すこともできます。

オンライン・レッスンではできないこと

伴奏付の歌は難しいです。先ほども言いましたが、相手に音声が届くまで1秒程度のタイムラグがありますから、先生のピアノ伴奏に合わせて生徒さんが歌うとズレてしまいます。

伴奏の音源がある教本ならCDや音声データをお買い求めいただき、生徒さんの自宅で再生しながら歌ってもらう必要があります。

今は感染対策もあり、対面レッスン時も歌をお休みにして代わりに聴音やリズム打ちをやっています。短期間なら、歌は休みでもよいと思います。

レッスン後のフォロー

これでレッスン終了。お疲れさまでした!

Zoomでは3人以上での会議は、40分を越えると有料になります。(実際には2人でレッスンしていても、端末は3台つながっていますから3人以上の扱いになります)
レッスンは40分以内で終わらせるか、時間を超える時には一度終了して繋ぎ直してください。

レッスンが終わったら、その日の注意事項や宿題などを生徒さんにメールします。普段のレッスンではここまでしませんが、長期間会えない時には詳しいフォローが生徒さんの安心につながります。

お月謝、どうします?~金額設定、受け取り方法

レッスン料について
オンライン・レッスンを始めた当初、料金設定について悩みました。対面レッスンのように実際に手を取って教えることができないですし、機械の扱いも素人です。そこで、ピアノ講師のZoom飲み会(あるんです)で、同業の先輩に質問してみました。

結果、対面レッスンと同額頂くことにしました。理由は二つです。

理由1
この記事を全部読んでいただくと分かりますが、オンライン・レッスンは設備投資にお金と時間がかかります。また離れていても分かりやすい説明の仕方を事前に考えるなど下準備にいつも以上に手間をかけ、アフターフォローのメールを出すなど、普段より長時間働いています
また、オンラインには対面にない良さがあり、生徒さんも満足していただいています。

理由2
オンラインと対面で料金が違うと毎回請求額が変わってしまうので、お互い負担になります。こちらは事務作業が大変になりますし、保護者の方も毎月違う額を用意して月謝袋に入れるのは面倒です。
結果、オンラインと対面を自由に使い分けるのをためらうようになってしまいます。

お月謝制で何度オンラインを利用しても同じ金額にしておいた方が、お互いに「今日はZoomで」と言い出しやすいのです。


月謝の受け取り
緊急事態宣言の間、数か月生徒さんに会えませんでした。月謝の受け取りはどうしたかといいますと、いくつか方法がありました。

・後日まとめて受け取る 
うちはこの方法でした。「会えるようになってからで良いです」と言えば済むので簡単ですね。

・月謝だけ持ってきてもらう
「ピアノ講師Zoom飲み会」にいらした先生の一人は、教材の受け渡しを兼ねてお月謝の受け取りだけ対面でしていたそうです。生徒さんの様子も聞けるし、お互いに誰かと話せて気持ちが楽になったとか。

・カード払いにする
オンライン決済システムの「Paypal」でビジネスアカウントを作ると、カード決済ができます。

・銀行振り込み
インターネット経由での送金に抵抗がある方は、振り込みにします。

まとめ

写真:ぱくたそ

オンライン・レッスンの良さをまとめるとこんな感じです。

・生徒さんの練習環境が分かる
普段は見られない、生徒さんのピアノを見ることができます。椅子が高すぎる、低すぎる。メトロノームの調子がおかしい、など。本人が気付いていないポイントが案外見つかるものです。改善すれば上達につながりますから、迷わずアドバイスします。

視覚に訴えるレッスン
生徒さんが机で聴音や楽典の課題を解いている時に、答えを鍵盤上で見せながら解説できます。またピアノを弾く手をズームアップして打鍵の様子を見せるなど、対面では見せられないものも映像で見せられます

スケジュールの自由度が高い
送迎の必要がないので、保護者の方が割と気軽に時間の変更に応じてくれます。その分、スケジュール調整がしやすくなります。

また、ピアノしか画面に映らないので、こちらもレッスン前に家を片付けないで済みます。その分の時間をレッスンに回せます。

さらに、お母さんがケガや風邪で送迎できないなど、以前なら休まざるを得なかった生徒さんもレッスンに参加してくれます。お休みが減って、振替レッスンも減りました。

チャンスが増える
先日、他県の方から「子供が学校から帰ってくるまでのスキマ時間に、オンラインでレッスンしたい」という問い合わせが入りました。「空いた時間にちょっとだけ弾きたい」が実現します。

成人男性の方は今までは「自宅での個人レッスンなので」とお断りしていましたが、Zoomならお受けできますね。今までは教えられなかった人にもレッスンできるので、新しい経験ができるかも知れません。


以上、4回シリーズになってしまいましたが、これで完結です。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました(^^)

これは私のやり方ですので、もっとよい方法もあると思います。ご存じの方はぜひ教えてください_O_

緊急事態宣言が明けて対面レッスンが復活した時、生徒さんが練習を止めずに、ちゃんと進歩を見せてくれた事が何よりうれしかったです。

機械を発明するのは難しいですが、使うのは比較的簡単です。慣れれば誰でもできるように作られていますし、実際できます。初めは少し大変でしたが、やって良かったと思っています。

この記事がデジタルが苦手な、どなたかのお役に立ちましたら幸いです。

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