問題解決力対決「子どもvs.大人」
写真は「おままごと」の食卓。
小学校教育でプログラミングが始まり、問題解決能力が注目されています。そこで青空自主保育時代にメンバーが揉め事を解決したエピソードを二つ、ご紹介します。
太郎のやり方
青空自主保育では、子どもたちのケンカに大人は介入しない決まりです。兄弟ゲンカと思って放っておくのが原則。大人が「はい、仲直りして。握手して終わりね」というやり取りはありません。
しかし絶対にダメというわけでもないので、たまには割って入ることもあります。その日は2歳から6歳まで全員が参加する日で、私が見守りの当番でした。
ふと見ると2歳の男の子が二人、落ちていた枝の取り合いをしています。しばらく見守っていましたが、なかなか決着がつかない。二人とも顔を真っ赤にして棒切れを全力で引っ張り合っています。
(このままでは先に進めない。困ったな・・・)
そこへ年長さんのリーダー(5歳)が一人で歩いて来ます。思わず「あ、太郎(仮名)」と呼びとめ、二人を指さして「ねえ、アレどうにかできない?」と頼んでみました。
太郎君、目配せしてスーっと二人の方へ歩いて行きました。見るとチビさん二人、青ざめてその場に立ち尽くしているではありませんか。(3歳年上は、かなり恐い)
すると太郎はヒョイと二人から棒を取り上げ、
「バキッ」
と膝で棒を真っ二つに折って、それぞれに渡して立ち去りました。茫然と棒を受け取るチビさん。
「あ、ありがとう(^O^;」と私。(はんぶんこ・・・)
その間、30秒ほどでしょうか。終始一言も発しませんでした。5歳にしては鮮やかな捌きではなかったでしょうか。
これが子どもの問題解決です。次は大人。
じいじのやり方
メンバーのおじいちゃんが鎌倉に遊びに来ていて、活動に同行した事がありました。その日も私が当番でご一緒することに。春の良い季節で、ノンビリと山歩きしながら花を摘んだりして過ごしていました。
ふと見ると、子どもが一人泣いています。(おや?)
「手にトゲが刺さったんだ」誰かが言います。「Eが押したからだぞ」「そう、押したからだ」「Eが悪いんだぞ」(嫌な雰囲気・・・)
群集心理が働いて、そのうち合唱が始まります「Eが悪い、Eが悪い」(どうしよう・・・)迷っていると、じいじが呟きました。「Eちゃん、悪くないよ」そして一言、
「あ、わかった! トゲが悪い」(木を指さす)
「そうそう、トゲが悪い!」すかさず乗っかる私。(助かった・・・)
子ども達「・・・」
騒いでいた子達は勢いを削がれて、散らばっていきました。
さて、判定は
これが私の印象に残った揉め事解決エピソードです。「子どもvs.大人」みなさんはどちらに軍配を上げるでしょうか?
無言であっさり解決した太郎と、トンチで全員を煙に巻いたじいじ。誰も威圧しなかった分、大人の勝ちでしょうか。でも、子ども達も上手に問題解決していますよね。
もうすぐ再度の緊急事態宣言が発令される見通しとか。一人をみんなで責め始めた子ども達同様、前回はギスギスしたやり取りも見られました。できればじいじを見習って穏やかにいきたいものです。
「誰も悪くないよ。コロナが悪い」
何でもケロッと忘れてしまう子ども時代、本当にあっという間ですよね。