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人気の球根付の花 さまざまな楽しみ方

これは今週のフラワー便に入れたお手紙です。先週の自宅レッスンでもご紹介しましたが、ぜひこちらで皆さんにもご紹介できたらとおもいます。

今週のフラワー便は「球根付きのお花」

魅力あふれる球根植物の世界

 「球根植物」とは、地下部分に肥大した器官(球根)をもつ植物の総称で、一年草、多年草、宿根草などに並ぶ園芸学的分類の一つで、バルバスプランツとも呼ばれます。(球根植物は宿根草のうちの一つだとされる場合もあります)

 今回皆さんにお届けした球根植物は、その中でも春に花を咲かせる「秋植え球根」と呼ばれるものです。ちなみに秋に咲く「春植え球根」はグラジオラスやアマリリス、ダリアなどがありますね。あと、園芸ではないけど、玉ねぎやニンニクも球根植物になります。
 球根はまるで小さなカプセル!
 球根自体にすでに花芽や葉などの器官や、またそれを生長させるための栄養が入っているので育てやすく、気軽に水耕栽培をして楽しむ人が増えています。

 今回は水耕栽培されてすでに花がついているタイプなので、切り花のように気軽に器にしつらえて楽しめ、さらに球根がついた姿は植物標本を観るような普通の切り花とは違う趣があります。
 気温の低いところであれば切り花よりも花もちもよく、少しだけ長い時間楽しむことができます。

長さ12cm、ミニチュア感がたまらない「アイリス・ピクシー」
小さく丸めたツルの上に。

観察する楽しみ

 私はまずその球根の形や根のでる感じを観察するのが好きです。
 たとえば、ヒアシンスは球根の表面の色と花の色が同じなので咲く前から花色が分かります。ヒアシンスは太くて長い根を出し、これから出てくる大きな茎や花を支えるために備えていることがうかがえます。
 小さな原種チューリップはその名の通りチューリップの祖先です。一見地味な小さな花ですが、開くと花弁の内側が鮮やかな別色だったりして、毎日の花弁の開閉をみるのが楽しくなります。

 球根の肌の様子をじーっと見てみる、花の香りをかいでみる、花は球根からどんなふうに出ているのか、。。。光のほうへ体をくねらせる小動物のような姿はどれだけ見ていても飽きません。


飾り方で大きく変わる

 これらをしつらえるためのおすすめの器を教えてください、とよく聞かれますが、水が入るものであればなんでも大丈夫。
 ただ、球根部分が見えたほうが美しいのでやっぱり透明のガラス器がおすすめです。ボウルや平たいものなど、植物が自立するのが難しい場合は石や枝、植物のつるを使って留めたりひっかけたりを作るとよいでしょう。野性的な雰囲気で枝や苔、石などの自然素材が合います。
 切り花より花もちが良い、といっても暖かい室内ではそう長くはないので、手持ちの花器やキッチンにあるものなどの雑器を利用して、ささっとさりげなく飾る感じがよいでしょう。同じ種類のものを多めにざっくり飾るとインテリアによく映えシックにまとまるし、多種の場合はカラフルでにぎやかなガーデンのようにもなりますね。
 ただし、あまり作りこみ過ぎず、見た目の清潔感は大切です。

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石を使って立たせるようにする。
一種類をたくさんまとめてシックに。
原種チューリップ「タルダ」
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苔や石、枝を使って小さな庭を
ヒアシンスと水仙
アイビーのつるを絡ませてその中に
ムスカリと原種チューリップ
小枝を利用するやり方。
留まるところさえ作ればどんな器でもしつらえることができる。

置く場所を工夫してみる

 春に咲く花は冬の中少しずつ生長し、春に目覚めて活動するので、室内の暖房がきいた暖かい所に置くと春が来たと感じて一気に咲き始め、温かさが続くとそのまま咲き終わってしまいます。
 でもだからといって、ずっと目の届かない屋外の寒いところでは楽しめませんよね。室内の中でも温度の低いところに置いたり、夜には外に出すなど少し工夫すると、花は長持ちします。
 また、昼間暗いところに置いておくと光を求めて全体が徒長してしまい茎が長くなります。
 でもこれらは知っておくだけでもいい。あくまでも切り花感覚なので、無理しない程度にして自分らしく楽しむことを優先しましょう。

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もちろんガラス器以外もよく合う
「クロッカス・ウィッグピック」

花が終わっても楽しめるのが「球根付き」

 もしガーデニングがお好きなら、花の終わった植物を土に埋めて来年咲かせてみましょう!産地からここまでの経緯で根が多少傷んだりしているので、絶対に来年芽が出るという保証はありませんが、出たらラッキー♪という気持ちでトライしてみるといいですね。
やり方はすごく簡単です。

① 花首だけをカットする。その他、葉や根っこはそのまま残します。
② 根を傷めないように土に植えます。球根の大きさの2~3倍の深さに埋めます。お庭でも鉢植えでも大丈夫。浅く植えても良いですが長く倒れやすいものは気を付けて。
③ 肥料分が足りないようなら周りの土の部分に肥料を入れます。(細く長く効く緩効性肥料がよい)

 このような肥料はお礼肥(おれいごえ)と呼ばれます。咲いてくれてありがとう来年もよろしくねという感じですね。
残った葉は光合成をして、根からは水分と肥料分を吸収し来年用に球根を肥大させていきます。枯れた花をいつまでも残しておくと子孫を残そうと種を作り始め、球根の肥大のためへのエネルギーが行きません。
 うまくいけば、来年の今頃グリーンの葉っぱが出てきます。花が咲くと本当にうれしいですよ。さらにそれぞれの球根植物の育て方自体を知りたい方はネットや本にたくさん載っていますので見てみてください。

 もちろん、必ず来年用にと土に埋めなくても大丈夫。ひと時楽しんだなら切り花のようにお別れしてもよいのです。最近は観賞用に球根ごとドライフラワーにする方もいるそうです。自分の好きな形で気軽に楽しみましょう。

小さなガラスに一つずつ。
ショットグラスなど小さな器を複数使っても。


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