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頭の中の整理棚

一番下の息子の夢を見た。

朝気付くと、なんとお風呂のふたの上で寝ている。

「まあ、そんなとこで寝よったの〜?」と言うと寝ぼけ眼にゆっくりと起き上がって、眼をこすりながらトコトコこっちへ歩いてきた。

そこで目が覚めた。

20年以上も前の息子だった。それは実際にあったできごとではないけれど、そういうことをしそうな息子だった。たとえば4歳か5歳だったある日の夜中に突然ベランダから歌声が聞こえたことがあった。

「お〜ほしさーまー、き〜らきらーーーー♪」少し間を置いて、「あれはおつきさま!」と自分でツッコミを入れている。2階の部屋で寝ているはずであったのが、勝手にベランダへ行って歌っていたのだった。

私の母は過去ばかり振り返って嘆く人で、私はそれをいつも心の中で馬鹿にしていた。実際私は「昔はよかった」などという言葉が大嫌いだ。常に前を向いて、これからどうすればよいのか、と考えることに決めている。子ども達が小さい頃のことを思い出して感傷に浸るようなことも、なるべくしないでいようと思っている。

それなのに、たまーに、突然「ぽわん」と現れてくる感情がある。なつかしいような、苦しいような、悲しいような。

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