『お手紙弁当』
今 子育てが一段落して
欲しかった自分時間が手に入ると
その事だけに満足してか
子育て落ち着いたら
あんな事しよう こんな事しようと
色々思いをめぐらせていたにも関わらず
全く やる気が起こらない。
気力が無いわけではないんだけど
行動に移すまでの
『やりたさゲージ』が上がらない。
私にとって 子育てって…
生きがい
大袈裟ではない
22年間子育てありきの生活をしてきた。
仕事も思いっきり させてもらったけど
仕事から離れると 頭の中は子ども達のこと
化粧品や服を買うなら 子ども達に
自分の物欲は全く無くなった。
子育ての中で1番大事にしてきたのは
お弁当作り
お弁当作りには 人一倍思いが詰まっている。
食べる者の気持ちに寄り添って
自分のお弁当に『お手紙弁当』と名付けて
毎朝 それぞれに綴るお手紙を作ってきた。
当初は勘違いして 映えも求めた時期もあったけど
年々 食べ手の気持ちに寄り添えるよう
成長してきたように思う。
作り置きはしない 必ず朝から作る。
なぜ そこまでして頑張るの?
そう尋ねられたことがある。
我が家は上に男女の双子
姉さんは主人 兄さんは私
それぞれにご贔屓がありまして
いつも抱っこするのは兄さんと決まっていた。
(家族でお出かけの時)
4歳空いて 次男ができた
これがまた 私にしか懐かなくて
他の人に抱っこされるのを嫌がった。
それでも 兄さんの手は離すまいと
胸に次男を抱きながら 手は兄さんの手を取る。
兄さんが小学校に入り しばらくして
もう小学生だからと
私から手を離してしまった。
私の手の温もりを求めたその小さな手を
それが 年齢的にも
当たり前だと思っていたから…
私のスカートを掴んだり
手を触りにきたり
毎度では無いけど 今は無理とその手を
握り返してやらなかった。
意識はなかったんだけど
今思えばそんな扱いをしていた。
ある日
「今日からママのこと 母さんって言う」
ママ卒業宣言をされた。
えっ……
その時気づいた
いつの間にか 私の手を求めなくなっていた。
しかも 6年生くらいになると
「 別に参観来んでもええで」
そんな事を言われるようになった。
人様のお宅は
もっと早くから言われていたようだけど
やはり ショック‼️
既に 兄さんの親離れは始まっていたのだ。
ただ どんな折も
「ママ いつも美味しいごはんありがとう」
そう 伝えてくれたのが救いだった。
あっ 『母さん』は3日坊主 全然続かなかった(笑)
中学に入学して お弁当生活が始まった時
自分に誓った。
どんな時も 自分の手でお弁当は作ろう
言わば お弁当は兄さんへの償いでもあった。
そんな思いを秘めたお弁当 今日も作った。
この春 次男と姉さんが巣立ち
今は兄さんと主人のお弁当だけになった。
早くに手を離した その時を埋めるように
今 しばらく 兄さんのお弁当に
母の思いを綴ろう 𓂃❁⃘𓈒𓏸
今日も美味しく召し上がれ。
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