第三章 手続き編①
一人暮らしの独身の弟が意識不明で入院した。その時、家族は何を、どんな順序で、どのように手続きしていけばいいのか。遠方に住む場合はどうすべきか。そんな時の手引き。(家族が意識不明で入院した時しなければならないこと~倒れた弟は遠方で一人暮らし、独身、会社員~第4回)
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◆一人で抱え込まずとにかく相談
救急患者を受け入れている大きな病院にはソーシャルワーカーがいることが多く、遠慮せずに相談されたい。
私の場合は、ソーシャルワーカーから電話を頂いた。専門家に家庭事情、経済問題、地理的なことなど、入院に関して困っている現状について話すだけでも、精神的に全く違う。
必要に応じて、行政の窓口などを紹介されるので、遠慮せずどんどん問い合わせすれば、受けられる行政サービスや手続きの仕方を教えてもらえる。自治体によって、受けられる制度や申請できる時期、必要書類は異なる。さらに行政のホームページは大抵の場合、情報量が多すぎる上、専門用語が難解であったり、そもそもどれが自分に当てはまるのかわからないことが多いので、窓口に行く前に電話で問い合わせた方が確実だ。
どの担当者の方も本当に親身になって話を聞いてくれ、色々な情報をくれた。専門家である彼らに話を聞いてもらっているうちに、問題点が整理され、手続きすべき行政サービスは何か、スケジュール感などもつかめるようになってきた。
安心して相談できるのは、入院先の病院のソーシャルワーカー、患者が在住している自治体の福祉窓口や行政のケースワーカー、行政の無料の法律相談、患者が加入している健康保険組合などだ。
行政以外についても、解約などでわからないことが出てきたら、ためらわずに手続きしているサービスの連絡先に電話で問い合わせよう。書類やカードに書かれている電話番号にかければよい。最初に自動音声が流れていても、最終的には必ずオペレーターと話が出来る。もし問い合わせ先が違っていても、転送してくれるか、正しい番号を教えてもらえる。長々と検索している時間が無駄だし、回線が混んでいても10分も待てば担当者に繋がる。
ただし、携帯電話会社だけはどんな時間帯でも30分以上待たなければ電話が担当者に繋がらない。また、プロバイダーも携帯電話会社ほどではないが、繋がりにくい。チャットボットに誘導されるが、残念ながら満足な回答が得られないので、充分時間のある時に、辛抱強く電話するしかない。
問合せ窓口の担当者はみんな親切で、事情を正直に伝え、疑問点を相談すれば丁寧に答えてくれるだけでなく、本当に色々な会社のオペレーターの方から何度も励ましていただいた。
避けた方がいいのは、ネットなどで検索してヒットするよくわからないホームページで情報を得ること。情報が古かったり、ローンへ誘導するサイトもかなり多い。
◆書類を保管
本人の家にある書類、特に郵便物はできるだけ保管する。行政、会社、金融期間、クレジットカード会社、ライフライン、定期購入など請求が発生しそうな郵便物は捨てないで確認する。不要かなと思っていた書類が後になって役に立つことが何度もあった。
◆証明写真を保管
本人の証明写真があったら、捨てずに保管しよう。もし証明写真がなくとも、写真のついた身分証明書、社員証、学生証などはきちんと保管しよう。弟の障害者手帳を申請時に証明写真が必要で、今どきプライベート写真は携帯にあるが開けられなくて困ってしまった。苦肉の策として写真付きの証明書から写真を切り取って使用した。
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