わかっているようで、あいまいなもの
頭の中の考えごと。
自分のことだから、分かっているように思いがちだけど、案外分かっていないこともあります。そのままにしておくと、なんとなく、もわもわっと、頭の中にあって、また別の思考が浮かんできて。
その思考を言葉にしてみる。そして書いてみると、だんだんと自分がどんな風に感じて、何を思っているのかが見えてきます。言葉で書くと、なんだかさらっとしてしまうけど、自分のことが分かってきます。
独り言を言ってみても良いのかもしれないけれど、私は、書いて、目で見て確認できるようにすることで、より頭の中が整理しやすく、分かりやすくなると感じています。
Self love kids®という、自己肯定感について学び、親子で自己肯定感を育む講座を2年前に受けたとき、「自分を知る」作業をたくさんしました。その中のひとつが日記を書くことでした。良かったことも、良くなかったことも書いてみる。出来事だけではなく、感じたことも。
それまで、私は、日記をつけたり、自分の思いや考え事を紙に書き出したことは、あまりしてきませんでした。小学生のころ宿題で日記を書いたのと、就職活動のときに自己分析をしたくらい。
特に就職活動のときの自己分析の記憶があるからか、自分を知るのは怖いイメージがありました。
「自分の強みは?」「弱みは?」「自分にできることは?」
就職するためにやっていたから、「入社させてもらう価値のある人間です。」とアピールするために、ちょっと大きめに自分を見せたり、できないところを見つけたら、自分はダメだと責めてしまったり。きっと正しいやり方をしていたらマイナスなイメージは付かなかったのだとは思いますが、あまり良い思い出はありません。
日記には怖さはないけれど、まだ幼かったからかな、自分を知るという感覚はありませんでした。自分の思いを書けることは楽しかった記憶はあるけれど。
就職活動から約20年後に出会った「自分を知る」方法は、全然怖いものではありませんでした。むしろ正反対で、自分を大きく見せる必要は全くないし、できないところがあっても大丈夫、って思えました。ありのままの自分を受けとめ、「できる、できない」が自分の価値を決めているわけではないと感じることができて、自分に対してとてもやさしい気持ちになりました。
これまでの自分の価値観が、いかに「できるできない」にあったかにも気付かされ、それによって自分自分を苦しめていることにも気付きました。
「自分を知る」ことは、自分を大切に扱うことにつながっています。大切にしたいものはそのままに、苦しさにつながっている価値観は手放すことも、自分を知ることから。
頭の中のことをそのまま書き出してみる。善し悪しのジャッジはせずに、そうなんだね、ってただただ受けとめる。