モロッコ旅⑩ 〜フェズからメルズーガへ車で移動〜
【前回の記事】
12月30日、朝8時。ハッサンの運転する車に乗り込みフェズの街を後にする。アトラス山脈を横断し、最終目的地は砂漠の街メルズーガだ。
【今日はずーっと車移動】
朝8時、ではさっそく出発しよう。間も無く朝日が上がってきた。こんな綺麗な朝日が毎日見られるなんてなんと有難いことか、ドイツの冬は大体が曇り空。たった今、私が住む地域のお天気を検索してみた。
ご覧の通り、日本の梅雨の頃のお天気にそっくり。ちなみに昨今は地球温暖化の影響で気温がぐんと高くなっているそうだ。数年前は、この時期ならば終日氷点下が当たり前だったそう。特に私がドイツに来てからの去年と今年の二回の冬は暖冬らしく、ドイツに長く暮らす先輩方は安堵してらっしゃる。
・通年サマータイムを導入している。
冒頭で今は朝の8時だとお伝えしたが、朝日が登る時刻が遅いように感じないだろうか?ちなみに日本は初日の出の時刻が6時50分頃なので、およそ1時間も遅い。なぜならば18年よりモロッコは通年サマータイムを採用しているからなのだ。サマータイムは時刻を1時間時を早める、なので通常であれば朝7時に朝日が登っている事になる。
サマータイムなのに通年?と、なんだか軽い可笑しさを感じてしまうのだが、例外はラマダン時期で、5月ごろのこの1ヶ月は1時間は時を遅くするそうだ。
・ガーミンのランウォッチの話
そういえばこんな事があった。旦那と先輩はラン仲間でもある。レースになるとお互いをライバル視しているらしく、短距離では先輩が、長距離では旦那の方が早い、そんな関係でもある。
そしてランナーの必須アイテムの一つ、ガーミンのランウォッチを2人とも持っている。独身貴族である先輩は定期的に新しい物に変えていて、旦那のものとはモデルが違っていた。言うてもそのどちらも基本的な機能に大差はない。GPS機能が搭載されてて、走行距離やスピード、ピッチが記録される。時計の時間を合わせるのも電波時計なので、GPSで位置情報を取得すると自動で合うようになっている。
オチとしては、2人のガーミンに1時間の時差が発生したいうこと。たぶんなのだが、夫の方は古いせいかモロッコの位置情報を取得した際、18年から導入サマータイムの情報が入っていなかったのだと思う。私たち3人は全員iPhone利用者なのだが、全ての電子機器の中で旦那のガーミンだけが常に1時間遅い時刻を示していた。マラソンをするわけでもないのに時刻の狂ったガーミンを夫は付け続けていたが、それは癖なのかプライドなのか…笑
【イフランで小休憩】
(Google マップはフェズをフェスと書いてあるようだ。)
フェズを出て1時間半ほど走っただろうか。
モロッコ旅初日のこと、カサブランカから首都のラバトまでは海沿いを北東の方向に2時間ほど進んだ。この道のりでは大都市と小さな集落が断続的に見られた。海が近ければ交易も盛んだろうし、沢山の人が住んでいるって感じがした。
ラバトからは進路を東に変え内陸に進んで行き、メクネス、そしてフェズ とおよそ3時間、小高い丘や低い山が見え始めた。海側に比べると街の出現率はグッと減って行く。そして、今日はフェスから更に内陸へと進みアトラス山脈越えをする。今までの景色とはまた違って、自然感がどんどん強まっていく。
・フランス統治時代、避暑地としてさかえた。
徐々に高度が上がって行く。先輩のガーミンには高度計が付いていて、1,500メートル位まで登って来たらしい。するといきなりヨーロッパの様な建物が見えてきた。白い壁に鋭角の三角屋根、ここはイフラン、フランス統治時代に夏の避暑地として使われた街だそうだ。なので建物の建築方法は完璧にヨーロッパと同じである。Google マップではイフレンと書いてあるが、現地の発音はイフランの方が近かったのでそう呼ぶことにする。また今後も地名や名称でその他の情報と異にする場合もあると思うが、ご了承頂きたい。
(イフランの中心地の様子)
ここの高度は1500メートルを超えていて気温はかなり低い。氷点下まで下がっているのかも、花壇には霜が降りていた。この日は快晴あったが、イフランの冬は雪が積もることもあるそうだ。
イフランではトイレ休憩だけだったので、滞在は15分程度の予定だった。トイレはカフェのものをお借りした。日本人のバスツアーの団体さんとも鉢合わせしたため、2つしかない女子トイレは長蛇の列。ちなみにここのトイレは無料だったが、順番を待ってる間にウエイターさんから、コーヒー?と聞かれ断れず頼んでしまった。
結局、トイレに入るまで15分は並んでいたので、先に済ませた旦那たちはゆっくりとコーヒーブレイクしていた。
ここイフランにはカフェの他にレストランや小さなお土産屋さんもあり、それはちょうど小さなドライブインってところだ。
・ライオンの石像の意味すること。
ここには有名なライオンの石像があり、フォトスポットになっていた。旦那はライオンが好きなので大興奮。ライオンの像がここある意味は後に分かったことなのだが、かつてこの辺りにはアトラスライオンが住んでいたそうだ。しかし、フランスの入植者たちの狩猟によって絶滅まで追いやられてしまう。ところが…。続きはこちらでどうぞ!
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お土産見て、トイレを待って、写真撮っていたら結局30分も経ってしまった。
【ミデルトでランチ】
再び車で走り出す我らはミデルトという街を目指し、イフランから2時間強の道のり。ミデルトはベルベル語で中心の意味、メクネスやフェズの辺りの大きな都市とエルフードなどの砂漠エリアの中間の場所を意味する地名だそうだ。ミデルトの高度はイフランと大体同じくらいで1500メートル程。
・小さな街ミデルト
車で走っているとちらほら建物が見えてきた。大きな道沿い2.3キロ程度に広がる小さな街だ。止まらず走ったら5分ほどで抜けてしまうのではないかな。
・綺麗なレストラン
まさにアラビアンな雰囲気の建物で内装もとても綺麗だった。
暖炉もある。
お料理はこちら。
豆とスパゲティーが入ったスープ。
メインはマスのホイル焼き。レモンを絞ってサッパリといただいた。少し魚の匂いが気になったが、テーブルにガランマサラの様なカレー風味のスパイスがあり、かけて食べたら美味しかった!このレストランではモロッコのビールを頼む事ができた。写真の中央あたりに写っているのが緑のビール瓶、味は軽めのバイツェンだと思う。銘柄はフラッグ スペシャル。
このようにモロッコでもお酒が飲めるレストランがしばしばあった。私たちがツアー中に立ち寄るレストランは基本的に観光客向けのものだと思うのだが、大体半分くらいの確率でお酒を頼むことができた。
フェズでガイドをしてくれたアビさん曰く、メディナ(旧市街)の中でお酒が飲めるレストランはまずない。大きなホテルかニュータウンの観光客向けのレストランなら置いてある可能性があるとのことだ。フェズで泊まっていたリヤドでもお酒は無かったが、アビさんがニュータウンのスーパーマーケットに連れて行ってくれたおかげで夜に酒盛りをする事ができた。外国人が持ち込むぶんには問題ないのだ。
モロッコの国民は宗教上の理由で禁酒をしているが、モロッコ産のビールもワインもある。特にサハラワインはなかなか評判が良いので飲んでみてはいかがだろう。
(ちなみに去年行ったエジプトでは、観光客向けのレストランではほぼお酒を頼めた気がする。)
ミデルトでは一切の観光は無し。こちらのレストランでランチとトイレを済まし、エルフードへ向けて再び出発した。
(つづく)