エジプト旅行記⑩ 〜カルナック神殿・後半 ヒエログリフ〜
今回は、エジプトの古代遺跡の壁やオベリスク、ファラオ像に刻まれている文字と絵について書いていこうと思います。
エジプトでは神官が使っていた神官文字(ヒエラティック)と民衆文字の(デモティック)、そして神殿等でよく見る神聖文字(ヒエログリフ)があります。こちらがヒエログリフです。
このヒエログリフを使ってファラオの名はこの様に書かれます。カルトゥーシュと呼ばれる楕円の中に刻まれます。⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎
1枚目がラムセス二世、2枚目がアレキサンダー大王のカルトゥーシュです。エジプトの言い伝えで、文字はオシリス神の神聖時代にトト神から教わったと言われているそうで、エジプト人は非常に古くから文字を用いていたことを物語っています。
文字に関わる偉大な発明の1つにパピルスがあります。今で言うところの紙です。パピルスとは繊維質の植物の名前で、その茎を繊維にそって細長く裂き水につけてふやかし縦横に並べて、平たく圧縮、脱水し乾燥させたものです。仕上げは象牙で表面を滑らかにこすりあげました。
現在のエジプトにも、お土産用のパピルス屋さんがありますので、立ち寄ってみて下さい。作り方の説明を受け、絵の意味を教えてもらい楽しい場所でした。ちなみに私たちが購入した柄はこちらです。
死者の書・最後の審判です。
右側、顔の緑色の男性がいますが、彼がオシリス神です。その向かいにいるのがホルス神で、ファラオをオシリス神に紹介している様子です。その後ろにいるのがトト神で、彼がエジプト 人に文字を教えた神です。
…話を戻しますと…
パピルスは第1王朝の遺跡からも発見されているそうで、紀元前3000年頃には使われていたと思われますが、パピルスが発明される以前、文字は石に刻ざみ色を塗るものでした。この文字はヒエログリフ(シエロス=神聖な、グリフ=刻まれたものの意味)と呼ばれていました。
しかし、パピルスが発明された事でインクが使われ始めると、簡潔で迅速に『書く』事が求められる様になり生まれたのがヒエラティックやデモティックです。書くという概念がここで生まれるわけですが、パピルスいわゆる紙ですよね、この発明は超偉大です。現代に置き換えるとパソコンやスマホが出来た事くらい世界を変えたと思います。
これらの古代エジプトの文字ですが、古代から現在に至るまで使われているわけではなく、長い間読み方や意味が解明されていませんでした。4世紀頃までは読める人が居たとか…
これらの文字の謎が再び解けたのは1822年、フランスの言語学者シャンポリオンがついに解読に成功します。そのきっかけとなったのがロゼッタストーン、詳細はwikiで…
エジプトの考古学博物館ではロゼッタストーンのレプリカを見ることができ、実物はロンドンの大英博物館にあります。この石が1つ見つかったことで、ファラオの名前や当時の生活、他国との関係などなど沢山の方が分かるようになりました。慣用句的に物事を解決するキッカケになる物事をロゼッタストーンと言ったりしますが、語源はここからでした。
カルナック神殿などの遺跡に行く際は、ファラオのカルトゥーシュ(名前)の資料を持っていかれると良いかと思います。ヒエログリフを覚えるのは不可能ですが、カルトゥーシュだけでも見分けられると楽しみ方が数段上がります!