モロッコ旅⑧ 〜フェズのメディナはまさに迷路〜
【前回の記事】
https://note.com/yumiko_n/n/n4bb9c2b1c3ac
12月29日、ただいまフェズ観光中。現地ガイドのアビさんの案内でフェズのメディナへ。ブージュルード門はメディナの入り口、辺りは観光客やお土産屋の人たちで賑わっていた。さらに奥に進むとだんだんと人気が減り、住宅やリヤドが多くあるエリアについた。
【フェズのメディナ、迷宮都市】
アビさんは民族衣装について、食文化について、イスラム教について…歩きながら沢山の事を教えてくれる。アビさんはどうやら地元の有名人らしく、時々すれ違う人に話しかけられていた。
ところで、メディナへの入り口は14箇所あるそうだ。その全てを見たわけではないが、きっと入り口近くは商店街となっているのだろう。いくつかの商店街を歩いたのだが、左右にいくつもの横道があった。その横道の先にはさらに商店街続いている所や、モスクや学校など地元の方が集まる所、また住宅地のようになる所もあった。行き止まりになっているところもある。とにかく入り組んだ作りになっている事は容易に想像がつく。道もだんだんと細くなり一本道であっても曲がりくねったような場所も出てきた。メディナをアビさんについて歩くこと10分、もう1人では戻れないな…と確信した。
・この街は9世紀頃にフェズ川の周辺から出来ていった。
メディナを歩いていくと結構、坂や階段が多い事に気がつくが、アビさん曰くこの街は移住してきた民族が徐々にフェズ川(1番低い場所)周辺に住み始め、広がっていった街だからだそうだ。街はなだらかなすり鉢状になっているとのこと。
家探しの際にまずは水場を探すなんて感覚は全く無かったなと考えていた。現代の日本では川よりも駅から近い事の方が重要なのだが、この様な場所を旅すると人類として生きる事に直結する本当に大事な物に気付かされる。そういえばナスDがとある番組で、無人島に着いたらまずは、雨風が凌げて飲み水が近い平らな場所を探す的な事を言っていたなと思い出したりしていた。
・道はどんどん狭くなっていく。
私たちはとにかくアビさんについて歩いた。道はどんどん狭くなって、人気も少なくなってくる。
アビさんが特に細い所を案内してくれた。写真の道だがちょうど大人の肩幅位、この細さの道は30メートルほど続き、その先は左への曲がり角であった。曲がり角の先は道幅がまた広くなり、住宅のドアが3つほど見えた。行き止まりになりそうだったので先には進まなかったが、生き抜く為にこの様な形になっていったのだろうなと感じながらの散策はとても興奮した。
(不規則なに入り組んだ道だ。)
・スリに注意! 道案内をしてくる人にも気をつけて。
メディナはとにかく細い道が入り組んでいるが、この事を利用した犯罪が多発している。
1つ目はスリやひったくりだ。何かを盗まれた時に地理感がない観光客は、この迷路の中で犯人を捕まえることは不可能だ。
2つ目に道案内を装って多額のチップを要求されるケース、またはメディナの奥の方へ連れて行かれてしまうケースだ。全てが悪い人ではないだろうが、話しかけられてもついて行かない方が無難だろう。
【観光名所・皮なめし場 シディムーサ】
メディナのちょうど真ん中辺りにシディムーサはある。アビさんはNO.10という革製品のお店に連れて行ってくれた。このお店のテラスからサディムーサを見下ろす事ができる。
シディムーサの左手前の方では作業中の男性たちが見える。桶の大きさは大凡1メートル程、左奥の方は白濁した液が入っている。これは染液に入れる前の工程で、皮を柔らかくし色が入りやすくするものらしい。石灰と鳩のフンの溶液だそうだ。鳩のフン!?
手前は染色液の桶で様々な色が見てとれる。染料には茶色は杉の木、黄色はサフラン 、オレンジはヘナ、緑はミントが使われる。
非常に興味深い観光地なのだが…とにかく臭いがキツい!入り口で臭いを誤魔化す為のミントをもらえる、必須!慣れるまでは本当に吐き気がする程にキツいのでご注意を。
・戦利品
店内には壁中に商品が飾られていた。バック、バブーシュ(スリッパ)、ジャケット、クッション、財布、ベルト…あらゆる物があったが、私が買ったものはこちら。
ラクダの皮のバックパックだ。夫はブルーのツェードのジャンパーを買った。
・値段交渉は半額以下までを目標にする。
店員さんはとにかく色んな物を、日本のアパレル店員さんの10倍くらいの圧力で勧めてくる。自分が押しに弱い日本人であるこど実感しつつ、30分程かけて革製品2点の購入を決めた。だが、本当の戦いはここからで、いよいよ値段交渉が始まる。
去年は初めてのアフリカ旅行(エジプト)で、上手く値切れずに妥協した金額で買ってしまった事があった。1番の失敗は小さな商店で飴や水、お菓子、即席麺を買った際に28ドルを請求されて高いのは分かりつつ、(上から目線で申し訳ないが)寄付のつもりで払ってしまった。すぐにガイドに報告したら、現地の人にとっては6ドル程度の買い物だったらしく、申し訳ないと謝られた。(ガイドの知り合いのお店だったから)そして、払う前に言って欲しいとも言われた。ガイドの真意は、観光客からぼったくるといった商売は無くなって欲しいと願っているからで、私たちがエジプト旅行のリピーターになってもらうためちゃんとした商売を広めなければならないと考えているからだった。
この経験を踏まえて、今ではこちらも値段交渉はしっかりとやるべきだと考えていて、私からぼったくってみろ!という心構えでいる。
(色鮮やか店内、沢山欲しくなってしまう…)
・値段交渉の実績
私たちはまずバックパックを決めいくら?と尋ねたがはっきりと金額は教えてくれず、沢山買ったらディスカウントするから!と、次の部屋へとどんどん案内され、(元々、夫は買うつもりが無かったが)革ジャンも買うことにした。
私「2つでいくら?」
店(電卓をカチャカチャ)
「2つで4700ディルハム」※5万弱
私「NO〜!!!!Expensive!!」
店(電卓をカチャカチャ)
「4500ディルハム」
私「Price has not changed!」
店「4300!!」
こんなやりとりを数往復していると幾らか言ってくれと必ず聞かれる。そしたらひるまず、希望価格より低い金額を言うorこれ以上なら要らないという金額を提示する。
結論、私はバックパックを1000ディルハム、革ジャンを1500ディルハムで合計2500ディルハムを提示した。(約28,000円)
店員さんはそれは無理だー!と上げてこようとしたが、別にジャケットもバックパックも必要じゃないからこの金額じゃ無ければ買わないよ、と私は一歩も引かず早々とクレカを店員に渡してしまった。
交渉成立した後、店員さんはYou kill me.と言っていたが、顔は笑っていたので充分採算の取れる金額だったのであろう。私にとっても安いと思える金額だったので、良い買い物ができたなと思っている。夫もドイツに戻って来てから、出勤の際にブルーの革ジャンを気に入って着ている様だ。
そう言えば値段交渉している私を、夫は弱々しく傍観していたな…笑
※参考:法的最低賃金は月収2100ディルハムだそうだ。また、2000ディルハム程度の金額は、都市の中心地から少し外れた場所にある新築物件の家賃位とのこと。
長々とお読みいただきありがとうございます。次の記事からは、飛行機に乗り遅れた友人も合流した所から書きたいと思います。