【ボストン研修16日目:MORE THAN WORDS 研修より~NPOのコーディネートとファンドレイジング~】
研修16日目は、終日「MORE THAN WORDS」(言葉以上)という団体での視察と研修でした。
◆MORE THAN WORDSの基本情報
MORE THAN WORDSは設立2004年。
一見普通の本屋さん兼雑貨屋さんに見えますが、バックヤードやその運営には、16歳から24歳の若者が関わっています。若者の多くは、にいたり、裁判に巻き込まれたり(犯罪などにより)、ホームレスになったり、学校からいなくなったり、若年で子育てをしていたり、精神保健省に関わったりしているそうです。ほぼ全員が低所得者であり、この貧困が多くの根源だと代表の方がお話をされていました。犯罪者になりたくてなる人はいない。
若者たちは実際に信頼される人たちの中で自尊心を回復しながら働き、自分のことを諦めない人たちとの中で自分の可能性について信じることができるようになっていくそうです。実際の業務は、
・本棚や服の棚の整理(ほとんど寄付で集まったもの)
・オンラインでの販売(本・雑貨・服)
・撮影(オンライン販売用)
・寄付であつまったものの仕分け 等、
物流、販売という機能に加えて、それらの仕組みが本当に機能しているか働きやすいかのフィードバックもスタッフにするということにも関わっているそうです。
◆コーディネート機能
この若者たちが関われるよう、スタッフが丁寧なコーディネーションをしています。コーディネートも単なる仕事のサポートだけでなく、
・ゴール設定をし、それが達成できるような「習慣」を教える
・自分のことを好きな人たちと出会う
・心底信頼してくれる人たちと出会う
というこの3つのことを大事にしていることが分かりました。
特筆すべき点は、一日に関わるメンバーが多い時は60人、コロナ後は減らしたとは言えども、入ってくるタイミングも抱えている事情も全員違うためとにかくコーディネートが大変!!!!!!ということ。
その中でいかにコーディネートする人の「力量」に委ねるのではなく、すべてをデータベースに入れて、人ごとに誰にどんなタイミングで声をかけるべきか、マネージャーが一緒に考える必要がある人にはアラートが出たりと、人の記憶や感性に頼りすぎず、チームで取り組めるように仕組み化されていることでした。
これは、こまちぷらすも2016年-2018年の間でから理念からセオリーオブチェンジをつくり、それに基づいたKPIをつくって、データベースをつくりはじめましたが最初はなかなか大変で慣れるまで1年半以上かかりました。今もマネージャーを中心として毎月の入力が大変ではないといえばウソになります。どのようにデータを活かすか、より楽になるデータベースの使い方を考えないといけないなと思いました。
◆トランポリンと壁
NPOの活動はトランポリンと壁のようだという話もありました。
壁を超えられるように、トランポリンを置く。でも、そもそものその壁を壊すことを忘れてしまう。トランポリンを置くだけではなく、それを飛べるようになるように、応援したり支えたりするだけでなく、その壁を低くしたりなくすようなこともしないといけない。
その壁のYoutubeもありましたので、ご参考までに。
◆ファンドレイジングについて
ファンドレイジングチームが5人います。4割売り上げ4割寄付(助成金等も含め)15%行政という予算構成です。
その担当者からのレクチャーもありました。
・ファンドレイジングはこのビジョンミッションへ共感してくれる人との関係性をつくるということ
・若者にどれだけ支援を届けられたかということを伝えるだけだとそこに向けてパッションをもって動ている職員が見えなくなる。そこのメッセージをどう伝えていけるかが重要(non-profit employee erasure という言葉があるそうです)
それ以外にもたくさんポイントがありましたが今日もまた長くなってきたのでここまでにて!