誕生日と命日
11月18日はミッキーマウスの誕生日で、今年ミッキーは95歳らしい。
そして11月18日は私の母の命日で、今年で35年になる。
娘たちが小さい頃にディズニーのビデオをいただいたのがきっかけで、
我が家はディズニー好きの家族になった。
中でも次女のミッキーマウス好きはすごくて、
「ミッチー、ミッチー」と、まだ語彙が少ない頃にもう
ミッキーマウスを呼ぶようになっていた。
そんなに好きなミッチーの誕生日を知った時、
「あらまあ」と私は思った。
母の命日と同じだったので。
私が結婚する数年前に亡くなった母の命日というのは、
娘たちが小さかった頃の私にとって、まだまだ年数が浅くて、まだまだ特別な日だった。
だから、11月18日になると「ミッキーの誕生日だね!」と幼い娘たちと楽しく盛り上がる反面で「ああ、お母さんの命日だ」と心の中で呟く重みが、割と重かった。
でも、命日の特別感というのは、やがて重いものから穏やかなものへと移り変わっていく。
ミッキーが75歳になった頃には、『おばあちゃんの命日』という意味を娘たちとも共有できるようになっていて、11月18日は『一緒に先祖への感謝を祈る日』と形が変わった。
さらにもっとミッキーが年齢を重ねるにつれて、娘たちにとっては、ミッチーの誕生日も母の命日もそれぞれの年中行事の中に埋もれていったから、11月18日は私の中だけで思い起こす記念日へと、自然に移り変わった。
11月18日が特別な日だったことが懐かしい。
そういう気持ちになるのが、ここ数年の11月18日。
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