出版への道⑦ 私とフランス革命3
本を書き始めていくうちに、フランス革命への探求も進んでいった。
専門書を書こうと思っていたのだけれど
出版社の著者ミーティングの中での
SF小説を書いたら?というアドバイスにピピっときた私は、
今までとは違うマリー・アントワネット像とルイ16世像を
テーマにしようと、思い立った。
自分でも驚きの発想だったけれど、
書き進めるうちに、アイデアが膨らんでいった。
そして、フィクションなのだけれど、歴史考証は
やはり必要で、改めて資料を集め始めたら
「これは知らなかった~!」ということを、
次々と知ることになっていったのだった。
フランス革命での人権宣言は白人男性のためのもので
万人向けではなかったのだと知った時は、正直いってのけぞりそうになった。
自由・平等・博愛は、万人に対しての物じゃない。
それこそ、人類愛等という発想もなかったから、戦争ができたのだ。
人間の意識は、古代から高速で進化してきたわけじゃないのだと、
つくづく思った。
それなのにこの革命は、ある意味「美談」になっている。
それが常識だなんて、おかしいぞ!
そうなると更に知りたいことが出てくる。
現代のフランスで、自由恋愛度や女性の自立度が高いのは
フランス革命時代に、女性達が立ち位置の低さや不平等さに
声を上げ始めるきっかけにもなったのだともわかってきた。
それでも、女性の立ち位置の向上へと進んでいったのは
近代になってからなのだけれど。
パンを求めて約7000人の市民層の主婦らが行進したという
「ヴェルサイユ行進」にしても、影で煽ったのは、
オルレアン公だろうと言われている。市民女性は主役ではなかった。
「女性達に自由と平等を!という発想はなかったなんて!」
そんな男尊女卑がまかり通っていたからこそ、
アントワネットへのバッシングも激しかったわけだ、ともわかってくる。
自由を謳ったフランス革命の立役者と言われる革命家達も、
女性の参政権はもってのほかだと、思っていたのだ。
そんなことは、歴史の授業では習わない。
知れば知るほど、知らないことの多さに気が付いていく。
とにかく、常識ががらがらと崩れるようなことが
次々とわかってきて
そうか、18世紀の世界はパラレルワールドなのね
と、一人頷きながら、未知の世界を垣間見る日々が続いた。
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