キャー、この本、おもしろすぎる!「君のクイズ」
ついついお気に入りのいつもの作家さんの本を選びがちで、なかなか冒険出きない私の読書。でも、本屋大賞にノミネートされた作品ならばきっと面白いに違いない。と、手に取ったのがこの本。
電子レンジでチンして下茹でした枝豆と珈琲を片手に、ページを開く。
1ページ目から、なになにどういうこと?この人は何者?ここはどこ?
と、どんどん物語の世界に引き込まれてしまい、気がついたら一気に本を読み終わっていた。
大好きな枝豆もそのまま。珈琲もとっくに冷めてしまっている。
こんなに一冊の本に夢中になったのは、早見和真『イノセント・デイズ』以来だ。
是非読んでいただきたい1冊なので、あまりストーリーをお話ししたくはないのだが、やっぱり語りたいので少しだけ。
ここはどこ?と、おもったのは、クイズ番組Q-1グランプリの生放送が行われている会場。賞金1000万円が懸った最終問題が出題される直前。
現在6-6、この問題で優勝者が決まるという瞬間から物語が始まる。
主人公は、この優勝決定戦で解答席に立つ今日絶好調のファイナリスト。
全く負ける気がしないほど、頭が回っている。
しかし、最終問題でMCが、
「問題」と言った次の瞬間に対戦相手がピンポンを押し、正解を答えて優勝してしまうのだ。
まだ、問題は一文字も読まれていないのに。
しかも、答えは
「ママ、クリーニング小野寺よ」というなんじゃそりゃ、という見たことも聞いたこともない答えで、主人公はあっけにとられてしまう。
どうしてもどう考えても納得がいかない主人公は、これはやらせだったのか?そうでなければ、どうして対戦相手が解答することが出来たのかを探るというストーリー。
クイズの頭の中や、クイズ番組の面白さが堪能できる作品。最後まで読み進めるとなるほど納得の結末が待っていて、本当におもしろい。
本を読んでいる間中、本の主人公は私の頭の中で東大王の伊沢くんに変換されていたのだが、参考文献に伊沢君の書籍が書かれていることからこちらも納得。
暑い夏の日の、どこへも出かけたくない日におすすめの1冊。
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