一度と泊ってみたかった。国宝富貴寺の傍でリトリート。とってもおすすめ旅庵 蕗薹。
どこにも行けなかったこの夏。
夏休みで予約もいっぱいだし今年はじっとお家だなあと思っていたら、8月8日に日向灘をマグニチュード7.1の地震が発生。
気象庁が次の巨大地震に注意を呼びかける「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表したことから、お宿のキャンセルがでているとニュースが伝えている。
ずっと行きたかった国東市の富貴寺の旅庵蕗薹はどうかな?と調べたら、土曜日に1室空きがでている。すぐに予約。
リトリートすることにした。
リトリートというのは仕事や日常生活から離れて、疲れた体や心を過ごし方をすること。
この旅庵は地域活性化を目的に地元住民らが国の事業を使い2004年にオープン。国宝富貴寺大堂のすぐ傍にあり、朝7時から大堂の中でお勤めと座禅ができるのだ。楽しみ楽しみ。
大分空港に次女を迎えに行き、両子寺を散策してお蕎麦を食べていよいよ蕗薹へ。両子寺から車で20分くらい。
午後2時過ぎに到着。
チェックインには少し早い時間なのに、お部屋にいれてもらえた。
離れのお部屋は満室で予約できず、唯一空室だった宿泊棟のお部屋。
8畳の和室。トイレはついているけれど、お風呂は共同の温泉。
Wi―Fi(ワイファイ)を完備。おしゃれな照明やアウトドアチェアも置かれている。このチェア、素晴らしく座り心地がよい。
外が暑いので、少し休憩して温泉へ。
炭酸水素塩泉の温泉はお湯が熱いので、少しお水で適温にする。
のんびりのんびり。
6時から夕食。
下の食堂へ。
お料理がすばらしい。新鮮な野菜が中心の盛りだくさんの農家料理がこれでもか、これでもかと登場する。前菜から感動するおいしさ。
お酒のメニューも大分の地酒を取り揃えてある。
豊後大野市の完全手造りという鷹来屋の日本酒を冷酒で頼む。おいしい。
ご飯をいただいた後にでてくるお蕎麦が絶品。
口に入れるとお蕎麦の香りが広がり、こしがあって本当においしい。
地元の食材で作る最高のお料理。 久しぶりに戻ってきた親戚に、できるだけの料理でもてなそうとする、旧家の主人の心を映した料理だあと紹介されているけれど、本当に心がこもったおいしい料理を堪能できる。
ごちそうの数々に幸せな気持ちを感じる。
再び温泉をいただいておやすみなさい。
朝は、7時からお勤めなので早めに就寝。
翌朝、6時起床。
温泉に入って、着替えて少しお化粧。
7時5分前にロビー集合。
ざぶとんを取っていざ富貴寺大堂へ。
富貴寺本堂は現在、建立から約300年が経過しており、経年劣化による建物全体の傷みなどが進んでいるため、平成30年度から全解体による大規模な保存修理工事を行っている。
こちらの国宝・富貴寺大堂は通常通り拝観できる。
大堂の内部は撮影禁止。高さ85センチの榧材の寄せ木造による阿弥陀如来像が祀られ、本堂の修復工事のため勢至菩薩像と観世菩薩像が安置されている。
その前でお勤め。15分ほどのお勤めの間は椅子に座る。
そのあと座禅。
先ずは、座禅とはどういうものかあちこちに散らばった心を1カ所に集中し、姿勢と呼吸を整え自らの心を観察するものだという説明を受け、座禅のやり方を教わる。床の上に座布団を使って座る。手の組み方を教わる。深く呼吸を繰り返しながら、1から10まで呼吸の数を数えることに集中し、10まで数えたら再び1から呼吸を数える。
座禅の時間は20分。
途中10分経つと副住職が回るので合掌した後、クロスした腕を両肩に乗せて前にかがみ警策を受け、再び合掌するよう教わる。
大堂の両脇の扉を閉めて、薄暗い明かりの中座禅がスタート。
静寂の世界、薄明りの中、とても集中できる。
何も考えず、呼吸を繰り返し10まで数える。
10分経過したのか、副住職が前に立つ。
一緒に合掌。腕をクロスして両肩に手をのせる。前にかがむ。
痛いかな?
と、思って身を固くする。
痛くない、しかも気持ちいいい。
腕をクロスすることで肩甲骨が出て、ちょうど肩こりのあたりに警策が左右3回ずつあたって心地よい。
肩こりがほぐれた感じ。
残りの10分を楽しむ。なにも考えない贅沢な時間。
朝の座禅は気持ちよい。
座禅に時間が終わる。両側の扉を開けて、富貴寺の国宝の説明を受ける。
座禅体験終了。
宿泊者だけが受けられる特権。
8時からの朝食まで、大堂の写真を撮ったり散策を楽しむ。
朝ごはん。
地元の新鮮なお野菜を使った全て手造りの体に優しい朝食。
お米も蕗村で栽培されたもの。
一つひとつの料理には、食す私たちへのやさしい心遣いが感じられる。
身も心も癒やせる「宿坊体験」。ワーケーションやグランピングの感覚でくつろぐのもおすすめ。
旅庵 蕗薹は2024年夏のすてきな思い出となった。