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オリンピックの思い出

今年のオリンピックはパリ開催とロンドンから近かったため、現地に観戦に行くと話す人が周りにチラホラいた。そんな話を聞きながら、思い出したことがある。

2012年の夏、私はロンドンにいた。何ともラッキーなことに、仕事でロンドンオリンピックを観戦する機会を得たのだ。5泊の弾丸旅だったけれど、心を躍らせて現地に向かった。

初めてのイギリス。噂に聞くどんより曇り空とは真反対な晴天のロンドンの空は、なぜか東京で見あげる空よりも、何十倍も広く感じた。日本の夏とは違ってカラッとしていて爽やかで、街を歩くだけで、気持ちが上がったのを覚えている。

当時は英語はほぼ話せなかったので、ご一緒したブランドの方々が旅の手配や通訳をしてくれた。どれくらい話せなかったかというと、ビュッフェ形式の食事で「そこにあるおかずを少しずつ全部乗せてもらえますか?」と言うのに「little by little please」と言ってポカンとされるレベル。

Could I have some of each please?
とか
I would like to have a little bit of everything please.
などと言えば通じたはずだけれど、そんな構文作れるはずもなく。

そして、フィッシュアンドチップスの店でWould you like salt and vinegar?と聞かれたが、さっぱり理解できず、匙を投げた店の人が、ビネガーと塩のバカでかいボトルをこちらに投げるように渡してきたことも思いだされる。

さらに、街中の売店で、何の疑いもなくユーロを出して、店の人にもポカンとされる始末。お恥ずかしいことにイギリスではユーロが使われていると思って、持ち金をユーロに両替してきたのだ(クレジットカードと、周りの方の助けで何とか乗り切った)。それくらいイギリスに関しての知識が乏しく、英語が分からない以前に、縁もゆかりも皆無だった。

とはいえ、滞在は充実していた。いくつかの競技を観て周り、最後にはテニスの聖地、ウィンブルドンで試合を観戦できたことがハイライトだった。

於ウィンブルドン

会場では人々が、フルーツが大量に入ったオレンジ色の飲み物を飲みながら応援している。妙に美味しそうで買って飲んでみたら、かなり甘いものの、フルーツ紅茶+リキュールといった趣で、すごくおいしかった。聞くとPimms(ピムス)という、イギリスの夏の定番ドリンクらしい。

いちごに生クリームがかかっているデザートを食べている人もたくさん見かけたので、こちらもトライしてみた。いちご、生クリーム、砂糖といたってシンプルなのに、フレッシュで何ともおいしかった。これも後々調べたらウィンブルドン名物のStrawberries and creamというものらしかった。

こちらの記事によると100年くらい前から続くウィンブルドンの風物詩らしい。

滞在中はとにかく天気が良くて、ロンドンの印象は最高だった。後々、夫に聞いたら、その夏は特に天気に恵まれた年だったそう。

正直それまで、イギリスに来たいと思ったことはなかったけれど、帰る時にはまた必ず来ると心に誓ったのを覚えている。

そして、その2年後に、渋谷のクラブでイギリス人夫と出会い↓


6年後の2018年、夫と長女とともにロンドンに越してきた。Pimmsは今では夏になると必ず飲むものになった。

今年の夏、子供達が夫と遊ぶ傍らでこっそりピムスを飲んだ時の一枚。この日はザ・曇天!


数年前セントポール大聖堂にて。2012年はこの近くのホテルに滞在していた。


2012年にロンドンを初めて訪れた時、そこに住んで、毎年ピムスを飲む未来があるとは夢にも思わなかった。一つの出会いで人生は変わる。つくづく人生は何が起こるかわからない。

#想像していなかった未来

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